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倉工ファン Part 4
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☆ 同上 ④
6戦闘って、ヤクルトの制覇に終わった今季の日本シリーズ。最終戦の先発マウンド。
立ち上がりから、150キロ前後のスピードでヤクルト打線を圧倒。
2回の3連続奪三振には、相手チームの心が折れたか… と思うほどの支配感があった。
速いし、強いし、球道は乱れない。カットボールはわからないように動くし、
フォークなんて、わかっていても打てそうもないように見えた。
1対1の6回、無死から三塁手・宗佑磨、遊撃手・紅林弘太郎が打球を逸して連続失策。
山本由伸がグラリと来るとすれば、ここだな… と思ったら、何ごともなかったように、サラッと受け流したから驚いた。
極度の緊張感が続くシリーズ6戦目、宗は「三塁手」としてのキャリアが浅く、紅林には「プロ野球選手」としてのキャリアが足りない。
「だったら、そろそろ疲れが出る頃だよね…」と事情が見えているような磐石の対応。
どんな言葉より、後ろで守るバック全員への「ゲキ」になったことだろう。
続く、サンタナを二塁ゴロ、鮮やかなダブルプレーで仕留めてみせた。
楽天が強かった頃は「田中将大」がいて、ソフトバンクが優勝を続けていた頃は「千賀滉大」という絶対的な存在がいた。
そこに「山本由伸」がオリックスに現われて、プロ野球はまた新たなステージを迎えたようだ。
投げるボールの素晴らしさは、トレーニングの機器やサプリメントがその成長の味方になってくれるが、
本物の「エースらしさ」を育む原動力とは、いったい何か。
日本シリーズ最終戦、山本のマウンドさばきは、もう何十年も野球を見てきた者ですら、心震える見事なものだった。
この試合を球場や映像で見た多くの少年、少女たちが「野球もけっしてわるくない…」と、胸躍らせたことも間違いないだろう。
5年後、10年後、「あの日の山本由伸投手を見て…」、野球に心を向けた若者たちが、あちらこちらに現われてくれることを心より願うものである。
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