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三千大千世界『『『 クソデカ羅生門 』』』イベント

39【燼臓丙儺】:2021/08/14(土) 16:36:43 ID:4mstaZWQ
>>38

「ヒュウ、いやー大したモンだなありゃあ」

瓦礫を電磁バリアで受け流し、周辺一帯をレーザーで焼き払い、再び天へと舞い上がっていった赫翼竜。
銀色の躯体をビルの陰に隠れつつ見上げながら男はその性能に感嘆していた。
範囲殲滅能力では残骸竜に譲るものの、強襲・単体抹殺能力においてはあれなる巨体の比ではあるまい。

(しかしどうしたもんかね。あんなにビュンビュン飛び回られたんじゃ当てられる気がしねェぞ)

一連の流れで赫翼竜のスピードが完全に自分を上回っていることが判明した。
追って追い付ける相手じゃない。かと言って待ち構えたとしてもレーザーで焼き払われて終わりだろう。

瓦礫をバリアで防御したということは、すなわち防御する必要があるということ。
ならば装甲はそう厚くはないのだろうが、当たらなければ関係ない。
おそらく自分のパワーならば一撃当てさえできれば戦闘不能、でなくともかなりの損傷を負わせられると見たが……それを実現するには圧倒的にリーチが足りていない。

あれが自分を仕留めに接近してきたとき、逃がす前に迎撃できる武器があれば……。
それも最初に振り回したタワーでは駄目だ。スカスカの骨組では隙間から逃げられかねない。
広範囲を隙間なく攻撃できて、かつ充分に攻撃力を生み出せる武器……そういうものが必要だ。
だがそんなものがいったいどこに。ぐるりと見回した男の視線が、ある一点で止まった。

「あったわ」


「クヒハハハ鬼さんこちら、手の鳴る方へ──!」

再び始まったのは性懲りもなく三次元軌道逃げ。
先ほどと変わりなく周辺の建物を犠牲に瓦礫を撒き散らしながら赫翼竜から距離を取るように動いている。
何かを狙っているのか。たとえ何を狙っているにせよ、超高速の強襲と離脱の戦法を徹底する限り、ヒトの肉体にすぎないゲアハルトに赫翼竜へ攻撃を命中させる手段は皆無のはず。

ゆえにと、再び接近したのなら……鷹の目は、男が何をしているのかを、一瞬理解できるだろうか。
天を衝く摩天楼、億ションだか大企業本社だか分からないが、とにかくクソデカいビルに、男が抱きついている。
突然気が狂ったのかと思うも束の間……一人の人間が全身に気合と力を漲らせた。
すると地上何百メートル、総重量何千トンの超高層ビルが──。

「カッ」

引っこ抜けた。

「────飛べエエエェェェェェェェェェェェッッッッッッッッ!!!!!!!!!」

気合一閃、そのまま身体全体を使ってクソデカビルをバットみたいにめちゃくちゃ振り抜いた。
そう……あろうことかこいつは赫翼竜をボールに見立てて、宇宙までホームランをキメてやろうと思い付いたのだ。
さすがに重量が違いすぎるため、最初のタワーほど軽快に振れてはいないが……高速飛行する赫翼竜にも充分に当て得る、その程度にはスピードが出ていた。


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