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('A`)ドクオと飛竜と時々オトモのようです
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避難所の皆様、初めまして。このスレッドは元々vipに投下していたのですが、設定ミスや誤変換を修正するために
こちらで改正版を投下させていただくことに決めました。
各まとめ様には大変ご迷惑をお掛けする事になりましたがよろしくお願いします。
また今回の東日本大震災で被災された全ての方々に、心から御見舞い申し上げます。
今回、改訂ということでまとめ様に影響があるため、早めに投下させてもらいますが
2話までの投下が終わりましたら、次話の投下はしばらく自粛させていただきます。
----俺の財布から飛び立った番いの鶴が少しでも皆様のお役に立ちますように----
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('A`)「ん、どうした?猪の肉は嫌いなのか?」
(;^ω^)「いっ、いえいえ!お気遣いなくですおっ!!」
夕食は四人と一匹になった。
ドスファンゴから剥ぎ取った素材は、食べられる部分以外はツンとブーンに渡した。
元々ドスファンゴで作ろうと思う物など無かった。それに使い道のない自分が持つよりも、前途有望な若い狩人に使って貰った方が有益だろう、と考えたからだ。
(;^ω^)「ドクオさんは狩人になって何年になるんですかお?」
('A`)「ドクオで良い、ブーン。狩人に尊敬は最低限しかいらない。それよりも信頼の方が大切だ。
正式に狩人になったのは十年前だな。16の時だ」
(;^ω^)「十年でHR6ですかお、とんでもないスピードですお」
('A`)「いや、俺は元々ドンドルマ出身だからな。そこでGの称号を受けた事からユクモでは最高ランクを貰ったんだろう」
( ^ω^)「G級……」
父が憧れ、それでも届かなかったその領域。
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( ^ω^)「G級の狩人は、伝聞でしか聞いたことがないですお。何人くらいいるんですかお?」
('A`)「Gを持つ狩人は四人だ。まぁGを持っていなくとも、俺達より強い変人は居たがな」
“One Shot Killer”“Spear The Gungnir”そして“Elven Arrow”。この三人にドクオを加えた四人がGを頂く事を許された狩人。
( ^ω^)「ドクオにもあるんですかお?そんな称号」
('A`)「“さん”付けをやめたんだから、敬語もやめてしまえ。称号か、俺にもあったがな。もう忘れちまった。自分でそう呼ぶ事なんてなかったしな」
(;^ω^)「でっ、では失礼して敬語をやめさせて頂くお!!」
('A`)「おー、そうしろ。俺も使わないしな」
最初はぎこちなかった男二人の会話も、次第に弾んできた。ブーンは元々友人の多い方ではあったが、ベテランの狩人との会話は、まず尊敬から始まる。
だからこそ気兼ねなく話せる凄腕の狩人という意味では、ドクオが初めての存在だった。
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(*^ω^)「このお肉美味しいおー!!」
('A`)「猪の肉は獣臭いが、しっかり血抜きすればアプトノスの霜降りのような味になる」
(*^ω^)「おっおっ!ドクオは狩りだけじゃなく料理も凄腕だお!!」
そんな事ないよ、とドクオは喜ぶブーンの顔を嬉しそうに見ながら頬を掻いた。 ここまで真っ直ぐ見つめられながら褒められるのは、如何にも照れくさい。
ξ゚⊿゚)ξ「あの様子を見てると、さっきまでの姿が嘘みたいね」
ζ(゚ー゚*ζ「そうね、私も最初ドクオさんの姿を見た時は頼りないって思ったもの。今でもギギネブラと戦っていた時の彼は、現実じゃないみたいだわ」
(*゚∀゚)「まー、オレっちも最初、ドクオが狩人だって気付けなかったからニャー」
こちらでは、女子+雌が話している。
ζ(゚ー゚*ζ「ツー様も気付かなかったんですか?」
(*゚∀゚)「ニャー。なんというか身体も細いし、オレっちの事を助けようとするし、運搬に使っていたガーグァを【青熊獣】がいるからって逃がしたりしてたからニャー」
ξ;゚ー゚)ξ「変わった人なんですね」
ドクオが作った料理を四人で食べ終えた。
一狩り終えた後の食事は、やはり美味い。皆、お腹一杯まで食べて動くのも億劫なのか、焚き火を囲んで武器の手入れをしていた。
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('A`)「そのハンマー、良く手入れがされているな。それに、なにか使い込まれた武器独特の趣を感じる」
( ^ω^)「おっ!これはボクの父ちゃんが旅に出る前に譲ってくれた物なんだお!」
('A`)「ほー、デッドリボルバーか。良い狩人なんだな、ブーンの父は」
( ^ω^)「良いとーちゃんでもあったお。誕生日には必ずリオレウスの牙や爪を贈ってくれたお」
ζ(゚ー゚*ζ「ドクオさんの双剣は、凄い綺麗ですけど。鉱石を使った物なんですか?」
('A`)「ん、これはリオレウスとリオレイアの夫婦剣だな」
この言葉に三人は息を呑んだ。金と銀の夫婦剣。それはユクモの狩人、誰もが憧れる武器。
(;^ω^)「討伐したんですかおっ!?あの火竜の希少種を!!」
('A`)「いや、討伐したわけじゃないがな。一度戦った事はある。その時に奴らから剥ぎ取った素材を使って作ったんだ」
( ^ω^)「……信じられないお」
金銀の火竜。それは飛竜の頂点に立つ存在。
飛竜の中で最も高貴で、最も強大な竜なのだ。
そしてブーンの父親が、旅に出る原因となったモンスターでもある。
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( ^ω^)「ドクオ!!!」
('A`)「ん、どうした?」
( ^ω^)「ボクに狩りを教えて欲しいお!!」
ドクオを見つめる真っ直ぐな瞳。
迷いも無く、そして遠慮の無い実直な言葉。
('A`)「あぁ、別に構わないよ」
(;*゚∀゚)「ニャ?」
(;^ω^)「えらい軽いお」
('A`)「いや、俺がユクモに来た理由に準じているからな」
( ^ω^)「ブーンを鍛える事がですかお?」
('A`)「まぁな」
それ以上、ドクオは深くを話さなかった。 夜も更け、月もすっかり山の向こうに姿を消している。
ただ焚き火の柔らかな灯りと、暖かな温度が、四人を包んでいた。
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ユクモギルドの地下。“大老殿”と呼ばれる場所がある。
そこに足を踏み入れる事が許されるのは、ごく一握りの狩人とギルドマスターであるアラマキ。そして、大老衆と呼ばれる五人の者だけだ。
『ギコ、状況を説明してくんろ』
(,,゚Д゚)「はっ!積乱雲を引き連れ現れた【雷狼竜】ジンオウガは、渓流エリアを大きく逸れ、ユクモ山の頂上付近に住み着いたようです」
『にゃるほどー、という事は切迫した状況ではないのかにゃん』
(,,゚Д゚)「確実に、とは言えませんが。ただ、現時点で撃退が必要な状況ではないと思われます」
『ほえばー!じゃが迅速に動かねばなるまい』
『アラマキよぉー、これはあの言い伝えの予兆と考えた方が良さそうじゃのー』
/ ,' 3「ふぉほほ、問題あるまい。この時のために彼の双剣使いを送って貰ったんじゃからのぉー。
それに、残りの“G”もこちらに向こうてくれとるらしいしのぉ」
『しかし、ドンドルマの竜人に貸しを作るのは癪だにゃん』
『ほえばー、今はそんな事を言っとる場合じゃあるまいのぉー』
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(,,゚Д゚)「しかし、祭りは……」
/ ,' 3「中止にするしかあるまいのぉー。楽しみにしている子供達には申し訳ないがのぉ。 チミは一度彼の双剣使いと狩りに行って来ると良いのぉ。チミがユクモでは一番“G”に近いからのぉ。その領域を体験してみるのも大事じゃろうてー」
(,,゚Д゚)「はい!!」
ユクモに伝わる伝説。G級の存在。その二つが大きく交わり、絡み合う。
ユクモの存亡を賭した戦いの足音が、一歩、また一歩と近づいていた。
('A`)ドクオと飛竜と時々オトモのようです 三話 END
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これで3話の投下は終わりです。
今回修正した点は
・誤字脱字、消し忘れの修正
・【幕間】が【間幕】になっていたのを修正。これは【幕間】にするか【裏幕】にするかを悩んだ結果のミスです。
指摘下さった方、本当にありがとうございました。
次回の投下は、今月か来月頭です。ただ私用のため4月に入ってしまうと、書き溜めをする時間は減らないんですが、投下する時間が取れなくなってしまうかもです。
出来る限り次話は早く投下したいと思います。
では質問などあれば受け付けております。ご自由にお聞きください。
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今回も面白かった
ほんとに地の文が面白い
ただ一つだけ言いたいのは・・・
( ⌒ )
l | /
|ヘビィ|
⊂(#゜д゜) だからボーガンじゃなくてボウガンだつってんだろ!!
/ ノ∪
し―-J |l| |
バシーン!!ガシャーン
)|_|。∵゚・(
⌒)。 ・(。・。∵
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>>227
なんだか切実過ぎて笑えたwww
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VIPのほうで読ませてもらってたけど面白かったよ
緊迫感が心地良い
>>227
ワロタww
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一ヘビィ使いとして見過ごせなかった
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あっ……すいません。本当に基本的なところをorz
次回からは、きちんとボウガンと表記させてもらいます。
AAをうまく使える人は本当にうらやましいです。それだけで表現の幅がぐっと広がりますからね。
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あくまでブーン系は「小説」であって、AAにはAA長編って場がある
小説はいかに状況とか文章で表現出来るかが大事だし、AAに頼った表現はあんまりよくないと思うな
顔文字は別だけどね
ブーン系のアイデンティティだし
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>>227
ワロタwwwwwww
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すいません。何度も読み直し、考えた結果、四話を大幅修正する事に決めました。
つきましては、予告していた日時より少し投下が遅れるかもしれません。
ここで、報告させて頂きます。
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待ってるよー
わかりずらいじゃなくてわかりづらいじゃね
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>>235 修正ありがとうございます
分かり辛い(わかりづらい)ですね。
書き溜めの報告ですが、今で半分程です。今回は説明が多いので、なかなか書きづらく遅れてしまっています。
もうしばらくお待ちください。
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待ってる!
今1話から読み終わった。 で、ちょっと気になったんだけど
>18
>その様子を草葉の影から見つめる青い影に〜
草葉の陰=あの世、墓場
「物陰」か「木立の陰」が妥当じゃね
イメージ的には分かるし、ほんといまさらなんだけど。
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マダカナー
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モンハンやりたくなってくる
続き楽しみ
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これみてモンハンまたやり始めたわ
続きくるまで見直してこよう
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続きをはやくー
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まさかのエター?
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上のほうで時間かかるって言ってたし気長に待とうぜ
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報告が遅れて申し訳ありません。
vipのスレでは、先立って伝えていたのですが
4月は私用で忙しく、投下できませんでした。
先週で一区切りついたので、今週には四話を投下するつもりです。
>>237 その通りですね。Google先生で調べて恥ずかしくなりました。 修正は効きませんが、以後気をつけます。
指摘ありがとうございました。
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よし!凄く楽しみにしてる!
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面白い
モンハンやったことないけど読みやすいな
そんでツー格好いい
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し゛ん゛じ゛て゛る゛
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今週……来るんだよな?
オトモが勇敢なギコとこざかしいモララーな俺も待ってる
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オトモが風圧・バインド無効のヒートと支援特化のクール爆弾特化のシュールな俺も待ってる
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>>248
∧ ∧ ヘイヘーイ!
( ・∀・)つ,☆ペンペン
と_,、⌒) )
(_ ノノ
こざかしいモララー
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うぜぇwwwww
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>>250
AAで表したらそうなるわwww
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結局来なかったか……
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>>253
今日の23時頃を予定してます
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じゃあ今から正座して待ってる
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23時か…夜勤だお…
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予定あったけど早めに終わらすかな
すげぇ楽しみだ
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未だに帰宅出来ません。
帰宅が午前2時を回れば、投下は明日の月曜に延期させて貰います。
申し訳ありません。
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無理はしないでくれよ
読む方としては楽しみがちょっと長引くだけだから
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最終的に完結が一番早い方向で頼む
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回っちゃったか……
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足が痺れてきた
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>>262
つ 正座イス
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完結さえしてくれれば1週間だろうが1ヶ月だろうが1年だろうが待つ
作者生存してるのがわかってる某アルファはいい加減に完結させて欲しいが・・・
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いつまでも待つんだけど、投下予告とかは確実な時だけな方がいいと思う
もしも出来なかったら読者と作者両方疲れるからね
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連休だし忙しいのかな?毎日お疲れ様です。無理せず時間が取れた時にでもまったり投下してくれ。現行で一番好きだから楽しみに待ってるよー。
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今日も駄目…だったのか…?
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書いた人は本人だったのだろうか・・・
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今からvipに投下してきます、予定が随分遅れて本当に申し訳ないです。
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vipに総合が無かったので避難所に代理をお願いしてきました。
スレがたてば、こちらにもurlを貼らせて貰います。
>>268 自分です、本当に遅れてすいませんでした
>>265 仰るとおりです、無責任な投下予告は金輪際しません
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代理していただきました
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1304436260/
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昨日の最後に今日の9時から再開ってあったけど、どこかでやってる?
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心配になるし作者としても心苦しいだろうし投下予告はやめといた方がいいんじゃ・・・
続き待ってるよ
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なんかあったんかね?
結局こなかったし
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流石に待つのも限界なんで今日は寝る
明日は来てくれると良いな
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投下予告が確実でないならできればこっちでやってほしいな
VIPでやるとリアルタイム遭遇でないと落ちるし、まとめはすぐに反映されない
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今日こそ来てくれると信じてる 作者さん…頑張ってください…
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作者失踪疑惑
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ネットできなくなったんかな?
来るっていってから一週間か?
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こりゃ…もう来ないんじゃないか…?
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待ってるぞー!
心配(´・ω・`)
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まだか
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せめて報告しろよ…みんな心配してるんだからさ…
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この作者には失望した 投下予告なんか二度とすんなks
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最近の若いモンは忍耐力が無いから駄目だな
黙ってじっくり待つ事も出来んとは…
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まだか
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作者死亡説が現実味おびてきたな
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こなくなったタイミングがなぁ…
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ギコとパーティ組んだ話の途中で消えちゃったよね(つд`)
あらしに負けちゃったのかな…。
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あらしなんていた?
リアルタイムで見てたけど居なかったと思うんだが・・・
単純にネット環境ない所にいると予想
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報告が遅れて本当に申し訳ありません。
>>1です。
PCが熱暴走の為、ポックリと逝ってしまい投下が遅れてしまっています。
携帯でこちらに報告しなければ、とも思っていたのですが『二度も予告して投下しなかった』という罪悪感に耐えられず、ズルズルと先延ばしにしていました。
しかし、消えてしまった4話をもう一度書き直してみると、どうしても投下したいという思いが湧いてきて、恥を忍んで戻って参りました。
先の失敗もありますので、具体的には言いませんが
近日中に投下させて頂きます。
失礼しました。
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>>292
おお!続き期待してたんだ!
wktkしながら待ってる!
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待ってるよ
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凄く期待してる
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予告スルーされたって俺は気にせず待つぞ
行方不明よりよっぽどマシだ
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よかったよかった
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ktkr!!!(・∀・)
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やたあああああああああああああ
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くぃたあああああああ
待ってる
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よかっったああああ!!
このSS見てMHP3始めたんだ
まだアシラ狩るのもびくびくだけど面白いよ!
>>1ありがとう
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ζ(゚ー゚*ζ
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スレが……立てれない……だとorz
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※注意
・元ネタ有り
・モンスターや装備についての独自解釈満載
・登場人物をAAに無理矢理変更している場合があります
まとめ
即席ブーン様 http://eksr.blog115.fc2.com/blog-category-20.html
フェレット速報様 http://xn--hckwcp3c2c5ce5k.com/
かぎまとめ様 http://hookey.blog106.fc2.com/blog-entry-2217.html
避難所 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/sports/37256/1300286882/
※漏れがある可能性小
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●('A`) ドクオ=ウェイツー
人間
26歳 【称号:ドンドルマの英雄】
HR:6
所属猟団:無所属
使用武器:コウリュウノツガイ(双剣)
防具:ナルガXシリーズ
現在地:ユクモ村
●(,,゚Д゚) ギコ=ストッドウッド
人間
26歳 【称号:???】
HR:5
所属猟団:荒鷲団
使用武器:???(大剣)
防具:???シリーズ
現在地:???
●ζ(゚ー゚*ζ デレ=ツンデレート
人間
21歳 【称号:無し】
HR:4
所属猟団:ユクモギルド
使用武器:フロギィリボルバーⅢ(弓)
防具:マギュルSシリーズ
現在地:ユクモ村
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●( ^ω^) ブーン=ホライゾン
人間
19歳 【称号:無し】
HR:1
所属猟団:無所属
使用武器:デッドリボルバー(鎚)
防具:アロイシリーズ
現在地:ユクモ村
●ξ゚⊿゚)ξ ツン=ツンデレート
人間
19歳 【称号:無し】
HR:1
所属猟団:無所属
使用武器:ジャギットファイア
防具:ジャギィシリーズ
現在地:ユクモ村
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●(*゚∀゚) ツー
獣人族(アイルー)
?歳 【称号:???】
使用武器:【旗本】ネコ合戦旗(剣斧)
兜:旗本ネコ【陣笠】覇
鎧:旗本ネコ【胴当て】覇
現在地:ユクモ村
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大老殿を“伏魔殿”とはよく言った物だね。 私は職業柄、何度も出入りしているが
あそこに居るのは、“朽ちた生者”と“生ける死者”だけだよ。
―――ナイトリーダー 騎士長 フォックス―――
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この世界には3つの勢力が存在する。今回の話を始めるに当たって、これについて触れさせて欲しい。
まず一つ、ギルドマスターを中心としたユクモに住まう村人を守護する存在。
【狩人派】
二つ目、ユクモの村人に信仰されている“唄”。その担い手【歌姫】を中心とした存在。
【聖歌派】
そして三つ目、その歌姫を護るためだけに組織された存在。
【騎士派】
こう並べてみると、【聖歌派】と【騎士派】は同一勢力の様に思えるかもしれないが、それは誤解だ。
それを説明するには、まず【狩人派】と【騎士派】の不和について話をしなければならないだろう。
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狩人は槍であり、騎士は盾。それはどうやっても交わることの出来ない相反する存在。
故に【狩人派】と【騎士派】は仲が悪い。仕える者がそれぞれ違うのだから当然と言えば当然だ。
これらの勢力に共通して言えるのは、結局村人の支えによって形を保っていられるという事だ。
狩人達は、村人達に衣食住を提供してもらう代わりに身の安全を保証している。
聖歌派は、村人達に信仰してもらう代わりに、唄という心の安らぎを提供している。
騎士派は、歌姫に身分を保証してもらう代わりに、歌姫の守護を司っている。
歌姫は、村人に支えられているのだから【騎士派】は村人に支えられているのと同義だ。しかし ここにワンクッションを挟む事により、その意味合いは限りなく不明瞭になってしまっている。
ここで最初の疑問に戻る。
「自分達が村人を守っているのだ」と自負する【狩人派】。「身分の低い狩人」を笑う【騎士派】。 傭兵と貴族の様な物である。
【聖歌派】は、そんな二つの勢力の緩衝材として存在しているのだ。
これらの三勢力が、歪にバランスを取って存在するユクモの地。
そこに突如乱入して来た新たな勢力。いや、勢力というには小さすぎる存在かもしれない。しかし、個人と片付けられるほど容易い存在でもない。
ドンドルマの狩人は、この混沌を如何様な光を以て照らすのか。
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('A`)ドクオと飛竜と時々オトモのようです
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よーし支援だ
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狩りを終えて十数日。ドクオの元にギギネブラの素材が届いた。
幾つかの部位に仕分けされて送られたそれは、勿論全て狩人の手に入るわけではない。
ある程度はギルドが受け取り、それが収入源となる。 ギルドの運営も金無しでは行えないのだ。考えてもみてほしい。管理エリアに生存する全てのモンスターの頭数を管理し、バランス調整を人の手だけで行うのだから、それなりの金が必要となるのは必然だ。
ギルドから受け取った素材の全てを、ドクオはギルドが管理するアイテムボックスに預けた。ドンドルマからわざわざ運んできた幾つかの武器。新しい武器が必要だとは思えなかったから。
ドクオがユクモに着て数ヶ月の時が経った。顔見知りとなった人もかなり増えていた。
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ミセ*゚ー゚)リ「お疲れ様でした!ドクオさん!」
('A`)「お疲れ様」
ギルドの受付嬢、ミセリ。
ζ(゚ー゚*ζ「あっ、ドクオさん。また狩りの予定があったら仰ってくださいね! 私もご一緒しますから!」
('A`)「あいよー」
弓使い、デレ=ツンデレート。
ξ゚⊿゚)ξ「あら、ドクオ。ちょっと顔貸しなさい。私に料理を教えるの。拒否権は無いわ」
(;'A`)「えっ、いや……なんか馴れ馴れしいな」
ライトボウガンを使う、デレの妹。ツン=ツンデレート。
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そして、何よりもドクオの傍に居たのが
(*^ω^)<ドクオー!!
('A`)「ん」
ゴツン
( ^ω(メ)<イタイオ…… うるせー、豚野郎ニャー>(゚∀゚*)
やはりオトモアイルー、ツーであった。朝起きればドクオに会いに行き、朝食を一緒に頂いて、それから四六時中ドクオの後ろを付いて歩く。夕方には一緒に湯浴みをし、晩御飯を一緒に食べてドクオが眠ると帰っていく。
もう誰がどう見ても、主人とオトモだった。
そしてもう一人。ドクオと劇的に距離を詰めた者がいる。
( ^ω^)「ツー様、流石にボクでも顔面モロは痛いお」
('A`)「ブーン、もう来たのか」
(*^ω^)「おっ!今日もよろしく頼むおっ!」
ハンマー使い、ブーン=ホライゾンである。
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ブーンは、狩りから帰ってずっとドクオの元に通い、指導を受けていた。
ドクオ自身、ハンマーを使った事はないが、凄腕のハンマー使いは幾人も見てきた。
以前、デレに教えを乞われて断った事もあったが、それは剣士とガンナーの違いによるところが原因だ。
剣士としての立ち回りなら、ドクオとしても教えることが出来るが、ガンナーとなると難しかった。
『太刀や双剣は自分の手足として考えられる事が多い』
『だが、ハンマーや大剣は違う』
『それは自分の身体の一部ではなく、確かに自分とは別に存在する物だ』
『だから、それを自分の中に受け入れるには何年もの鍛練が必要になる』
('A`)「意識するのは、自分の得物が通る道筋だ。柄の部分が通る道、槌が通る道、その全てを覚えろ」
言われながら、ブーンはひたすらにハンマーを振るった。何百、何千、何万回と。
そうしてブーンの手のマメが十数回潰れた時、一つの変化が起こった。
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(;^ω^)「おっ?」
デッドリボルバーの重みが消えたのだ。
確かに持っているのだが、全く腕に負担を感じない。
('A`)「……ブーン、気を抜くな。その分、振りが早くなりすぎている。 感覚が無くなった今だからこそ、力を入れて握れ」
( ^ω^)「分かったお」
ブーンには十分素養があった。それはドクオも先のクルペッコとの戦いで気付いていた。 しかし、余りにも足りなかった経験。それが才能の開花を邪魔していた。
それともう一つ。引っ掛かる事があるのだ。
しかしこれをどうブーンに伝えたものか、それを悩んでいた。
突如飛来した鉄の塊。ドクオはヒョイっと、身を屈めてそれを躱した。
('A`)「……ブーン、ここまでにしておこう」
(;^ω^)「おっ?まだまだ余裕だお!なんだか全然ハンマーが重く感じないんだおっ!」
まだまだやり足りない、と不満気なブーン。
(*-∀-)=3「はー、そりゃそうだニャー。お前、今何も持ってないニャー」
( ^ω^)「……はい?」
気付けばブーンの手からハンマーがすっぽ抜けていた。
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('A`)「……人がいなくて良かったな」
( ^ω^)「お……?」
(;^ω^)「おおぉぉおお!!!! 二人とも怪我はないかお!?」
重さにして軽く100kgを越える鉄塊が、すっ飛んでいったのだ。巻き込まれれば骨の一本や二本では済まない。
('A`)「大丈夫だ、心配するな」
(*-∀-)「あんなヒョロ玉、目を瞑ってても避けられるニャー」
周りに人が居なかったのが幸いだった。
いつもなら、この広場は子供達の活気溢れた声で満たされているのだが 最近少しばかり様子が違っている。
ユクモの祭りが中止になったのだ。
ユクモの祭りが、天候等により延期される事は今までにもあったが、中止、言葉を替えれば無期限延期となったのは初めてだ。
この異常事態には、村人だけでなく、狩人も驚く。ユクモの祭りは偉大な先人達を偲ぶ、大切な祭りだ。それが中止になる程の事態、気にしてしまうのも当然の事だった。
しかし、その声もギルドマスターの「秘密じゃーい」の一言で無かった事にされている。
思うところは多々あれど、アラマキが一言言っただけで、その話題を蒸し返そうとする者は居ない。
それ程にギルドマスターというのは隔絶された存在であり、人々から信頼されているのだ。
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