コピペ用すれ2 - 1527464055 - したらば掲示板

994：16/n：2024/02/25(日) 06:46:29 ID:yHItlfKM0: 　カーニィ-フチダ機関の開発以降ずっと、居住可能惑星上で採掘するのが最も安価な資源獲得手法となり、21～22世紀の地球で利用
されていたものより高度な採掘技術が必要とされるのはまれだった。星間連盟時代には、地球帝国は高価な地元の採掘技術を利用する
よりも（辺境国家と中心領域の結びつきを強めるため）資源を外世界同盟から輸入してさえいた。継承権戦争で恒星間輸送が困難にな
るほど多くのジャンプシップが破壊されたものの、21世紀の地球並みの[積極的な]採掘を行った惑星はごく少数である。

　いずれにせよ、基本的な鉱物は通常どこにでも存在しており入手は容易である。特定の元素（鉄やアルミニウム、炭素や酸素、水素
など）に関しては、技術洗練度がCに到達している惑星なら十分なエネルギーを（核融合電力の形で）制御できるため、必要に応じて
ありふれた合金や化学物質、あるいは燃料などを化学的手法で合成するのが一般的である。問題は、そのような手法で得られる生産物
のコストが割に合うかと、その土地の住民が適切な技術的知識を持っているかどうかである。たとえば恒星連邦のオケフェノキーでは
『地面にストローを刺すだけで』入手できる安価な油によって産業が活性化して数十年の好景気を享受してきた。他方、ライラ同盟の
長い歴史を持つある世界では、炭素確保を目的に海底沈殿物の浚渫や石炭採掘を行っており、それらと水を組み合わせ核融合炉の熱で
フィッシャー・トロプシュ反応を起こし、結果として高価な石油化学製品を得ている。

　典型的な中心領域の世界は毎年ごとに鉄と油をそれぞれ10億トン消費するので、[高く付いても]必要な資源を大規模合成する能力を
持つ世界は幸運な側である。平均以上の人口を持つ惑星に関して、ごく僅かな事例以上にこれほど大量の資源を輸送しようとすれば、
現存するジャンプシップ全てを動員する羽目になるだろう。

　一般的に、USILRコードで大量の資源を輸入せざるをえない惑星（資源レベルCとD、そしてF）は、実際にはそこまで膨大な量の物資
を必要としていない。この例外は希少資源（タングステンやプラチナ、インジウム等）で、それらの消費量は典型的なドロップシップ
でも十分に輸送可能な量にすぎない。その代わりにこれらの世界では地表の供給源から原材料を採掘して[必要資源を]合成することに
多大な労力を注ぎ込んでいるのである。

水と食物
　人類は星々に到達した時に、宇宙で最も一般的な化合物の一つである飲用可能な水がめったに手に入らないことに気が付いた。この
ため人類は植民地化を開始してから数十年の間は、許容可能な大気と重力、気候を備えているが清浄な水が存在しない惑星を避けて、
少数の田園世界に入植することを余儀なくされたのである。ルドルフ・ライアンによるアイスシップが導入されると、植民地化が爆発
的に拡大した。すぐに温度が大枠で安定しており遊離酸素の兆候がある惑星なら手当たり次第に植民地化されるようになった。さらに
星間連盟が安価なハイテク水浄化[技術]を導入すると、かつては[採算が合わず]無視されていた数百個の世界に入植が行われた。

　第一次と第二次継承権戦争中、大王家はお互いの戦争遂行能力を破壊しようとして造船所や工場、ジャンプシップ、研究施設などの
重要資産を攻撃した。残念ながら、これらは中心領域と辺境の[環境が]快適とはいえない世界で人類が生活していくために必要な資産
そのものだったのである。星間連盟の水浄化技術やジャンプシップの喪失、テラフォーミング機構の故障のため、中心領域の200以上
の世界（そして辺境ではさらに数百の世界）が死に絶えるか放棄され、あるいは他の人類から切り離された。

　現在の中心領域は技術的に復興しているものの、第三次継承権戦争後期に底を打った各王家のジャンプシップ艦隊の規模を、29世紀
以前のジャンプポイントを埋め尽くしていた巨大な艦隊と同じレベルまで再建するにはいまだ能力が足りていない。中心領域における
惑星の平均人口は約30億人であり、これは僅かな例外（片手で数えられるほど）を除けば、平均かそれ以上の人口を持つ惑星は食物と
新鮮な水を自給自足できることを意味する。それができない星は死ぬか、ジャンプシップの相当数を生存のためだけに振り向けた。