コピペ用すれ2 - 1527464055 - したらば掲示板

987：11/n：2024/02/16(金) 19:09:43 ID:hZeFTbas0: 　ヘルム・メモリーコアが中心領域の技術復興を始めたとするなら、氏族侵攻はそれをヒステリックなペースに加速した。戦場で最も
目立つのは氏族の技術的優位性に対抗する試みだが、王家軍が配備する復興もしくは改良型の装備の一つごとに巨大な産業ピラミッド
――冶金学、エネルギー制御、材料加工やコンピューター等――の改良と更新が行われている。軍事市場はあまりに小さすぎるため、
これらを請け負った業者の大半は高価な新技術[開発費]に見合った利益を生み出すため速やかに民間市場に注目した。そのような進歩
を利用できるだけの教育を受けた顧客が少ないためにまだゆっくりとではあるが、40年を経てこれらの改良[が適用された製品]は日常
生活の中に現れ始めている。

技術的洗練度
　仮に人類宇宙の平均を取るとして、戦争の時代（技術洗練度C寄りのB）から継承権戦争（おおむねC）にかけて中心領域の技術力の
平均値は大筋で低下したと言える。辺境の主要国が大枠で技術洗練度Cである一方、氏族本拠地は全体が技術洗練度Aとして扱われる。

　氏族本拠地とは異なり、辺境と中心領域の技術力は世界によって幅が大きい。中心領域の世界の多くが技術洗練度Cに属しており、
それなりの数がD（そして少数のF）に存在するものの、より優れた技術力を持つ[少数の]世界によって平均値が引き上げられている。
辺境も同様に[惑星によって]ばらばらではあるが、技術洗練度DとFの世界がかなりの数存在している。

　テクノロジーへのアクセス不均衡は政治と経済によって更に悪化する可能性がある。カペラ大連邦国とドラコ連合、氏族といくつか
の独立世界では、自由な発想とコミュニケーションが無政府状態（あるいは新政府）をもたらすため利益にならないとみなされている。
これらの世界に住む人々は一般的に、政府承認済みの番組を映す受信専用の三次元ビデオを受け取り、既存のコンピューターネット
ワーク（一例は氏族チャッターウェブ）は強固な監視の上で検閲されている。同じようにアップル・インターステラー[などの企業]は、
恒星連邦のドヤ街よろしく貧しい世界に高度な個人用コンピューターを出荷したところで採算が取れない[そのため発送自体しない]。

　技術洗練度が低～中程度の世界であっても高度なテクノロジーが存在しているかもしれないが、アナポリスの事例のようにそれらは
地元の製品ではない（あるいは普及していない）。例として、中心領域の多くの世界が地元製品よりもはるかに高度なテクノロジーで
作られたものを一定数輸入している。その一方で、特に軍需工場を持つ世界では軍事用途の高度製品を丹念に少量生産しているのだが、
それらの世界は[軍事以外の]別分野で洗練された商品を生産する事はできないのである。

　【先進世界】：最も先進的な世界（技術洗練度A）である地球やターカッド、恒星連邦のゴールデンファイブ等では人口のほとんど
全てが高度技術を利用できる。住民の大半が読み書きができ、コンピューター知識も豊富で（ただし中心領域と辺境においてはいまだ
ハードウェアとソフトウェアに関する理解が怪しい）、どこからでもコンピューターと惑星規模のデータネットワークにアクセス可能
になっている（その地方政府がアクセスを禁止している場合を除く）。

　優秀な医療のおかげで一般的な平均寿命は110～120歳に到達しており、星間連盟の水準に近い。健康寿命も伸びているため法定退職
年齢が90～100歳なのも珍しいことではない。一部の世界では貴族のみがこのような寿命を享受できる場合があり、また氏族は老人を
社会の中で生産性が低い成員とみなしているため医療ケアに消極的である。結果として氏族本拠地における平均寿命は全カースト共通
で60余年程度になる。ただし、氏族は利用可能な中でも最高の外傷治療[技術]を持っている（戦士カースト及び資源投入の価値がある
とみなされた民間カーストに使われる）。

　継承権戦争前の地球帝国では核融合炉を使った個人用ヴィークルが一般的に利用されていたが、これを踏襲するのは地球のみである。
この技術レベルにおけるその他の世界で一般的な輸送手段は、超音速航空機や効率的な貨物輸送[水上船舶や鉄道]、先進的な燃料電池、
バッテリーとモーター、自動運転機能などを備えた自動車である。

　発電は核融合発電施設や有用性の高い再生エネルギー源（太陽、風力、潮力その他）を利用して全体的に汚染を最小限に抑えつつ、
同時に豊富な電力を使った高度な化学リサイクルで環境をクリーンな状態に保っている（汚染の果てにブラックパールとあだ名される
ルシエンのように、政府が単純に環境保護に興味を持たない場合はこの限りではない）。

　通信に関しては普遍的かつ先進的なもので、誰もが惑星規模の通信ネットワークに接続できる（現地の法律の範囲内で）。