ですがスレ　オフ会情報等連絡スレその2

512：避難所の名無し三等兵：2021/10/09(土) 12:41:50 ID:/CMsOqyo0: 「お前ら貧民に出す飯はねえんだよ！」
「ワッザ！？テメッコラー！」
「(･∀･)ｶｴﾚ!」

白磁の輝きを湛えた玲瓏な内装のビルディング内では、その知的外観とはかけ離れた泥臭い言葉の応酬が繰り広げられていた。
ビル内に複数ある飲食店の入口には「営業時間2200まで」「ラストオーダーが2030だ」「酒類の提供は2000で終わる」などといった
威圧的内容のショドーが攻撃的なブロック体で印刷され、掲示されていた。

「そんな……私達はどうしたら……」

その日の糧にありつけなかった低階級サラリマンらは途方に暮れながら希望を求めて徘徊する。
このままでは良くてコンビニの豚汁を啜るか、悪ければマッポを襲撃してチャカを奪って銀行強盗にでもなるしかない。そんな時であった。

「もう限界」「営業を決断的に行うことにした」「我慢がならぬ」

なんたる粗暴かつ短慮極まりない宣言であろうか！事もあろうに、B1版二枚にも渡る長文によって
飲食店の窮乏と政府の無策を詰る掲示を軒先で行っている店舗があるのだ。

「シャチョッ、ウチ食ベテケルヨ！カワイイオンナノコ沢山ヨ！タベテッテ！」
「アイエッ！？」
「アイエエ！？」
「三名様ゴアンナイ！大満開ヨー！」
「アイエエエ！」

ブッダ！なんたる頽廃的飲食店か。店内に連行されたサラリマンらが目にしたのは、
マスク着用率完全0%かつ大声で話す酔客らの姿であった。おお、ナムアミダブツ！
圧倒的密アトモスフィアに囲まれながら恐る恐る着座したサラリマンらは「ここからオーダーヨ！ゴユックリ！」と言い残して去っていった店員の姿が
完全に消え去ると、非人間的なまでの平面さを備えたタブレット端末を操作しようとする。しかし……

「これ、操作できませんよ……？」「エッ」「ほら」「エエー……」

ブッダファック！「ここをタップしてオーダーしてください」と書かれたタッチパネルを操作すると、出てくるのは……「ここをタップしてオーダーしてください」ブッダファック！！

「やはり駄目ですね」「駄目ですね……」「どうしましょうか……？」

サラリマンらは激怒した。必ずやこの邪智暴虐の飲食店を後にして発たねばならぬと。

「黄金のメロンの塊で出来たナイトがエプロン装備のベトナム人如きに遅れを取る筈がない」

ワッザ！？サラリマンは突如として立ち上がると入口へ向かって突き進み、それを周囲の酔客らは酔いも醒めよといわんばかりの驚愕でもって唖然として見送る。
それも当然である。日本において、一度着座しながら何のオーダーもせずに席を立つなど
小学校を退学させられたヨタモノですら行わぬ非常識極まりない蛮行！それが今まさに目の前で起きているのだ！

「アイエッ、オキャクサン！？」「ここは実に気分が悪い！」「オーダーは！？アイエエエ！！」 ALAS！撃ち出された重金属タングステン弾頭と化したサラリマンらは、目も当てられぬ暴言を吐きながら店頭へとまろび出る！ナムアミダブツ！

こんな非道が許されますか？おかしいとおもいませんか、アナタ？
だがここはアキバハラ。ここには日本国憲法も秩序も通用しない。後に残されたのは、
オーダーを獲るのに失敗したことでバックヤードへ連行され再教育が課された店員と、
豚汁を脳裏に浮かべながらネオンサインに照らされ歩むサラリマンの足取りのみ。
おお、ナムアミダブツ……ナムアミダブツ……

『アイアンメイル・メロン・アンド・ゴールド』おわり

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