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○○の小説スレ

5東条:2006/02/07(火) 22:12:16
2月7日、風邪はまだ治ってないみたいだ。
時折出る咳と鼻水に、気分は憂鬱になる。
幸いなことに熱は出ていない。
今日はパスポートの申請をしなければならない。
その前に病院に寄って精神薬をもらおう。

パスポートセンターに着く。
友人達とグアムへ卒業旅行に行く為に、初めてパスポートを作る。
照明写真は6ヶ月以内に撮影されたものでなくてはならない。
私のは一年程前のものだがまあ大丈夫だろう。

「写真の目の部分が照明で光ってますね。これじゃあ駄目です」
ん、人間とは思えない、豚?と思える女性らしき生き物がそう口を開いた。
この生命体に対しなんと言葉をかけるべきか。悩んだ。
まず浮かんだのは、
「デブ」
いやいや、これではこの生命体が、自身のことをデブだと思っていなければ効力を発揮しない言葉だ。
頭の中で通常国会が開催された。
野党から罵声が飛ぶ。
議員「議長!東条首相のデブ発言には人格否定ともとれる問題発言であります!撤回を要求します!」
議長「静粛に!」
東条「デブと発言して怒られたからもう言わないけどさ(東横イン社長発言パクリ)。まあ、あの生命体は人間かどうか怪しかったので、必ずしも人間に向かって発した言葉ではないので、人格否定にはあたらないと思いますが、確かにデブというのは主に人間に対して使われる言葉であるため、あの生命体にかける言葉自体は不適切だったかもしれません。どこかで人間かな?と一瞬思ってしまった自分を反省します」
議員「あの生命体は人間だぞ!」
東条「ご指摘ありがとうございます。あの生命体は人間でしたか。それでは男性ですか?女性ですか?」
議員「女性です」
東条「そうですか。では、彼女に対してどのような発言をすればよかったのでしょう」
議員「・・・・・」
議員達は困惑した。
その中で一人の議員あるるん氏が発言し、物議を醸す。
あるるん「あの時かけるべき言葉は、貴様、本当に人間か?!偽証罪に問われるぞ!だと思います。現に、首相の脳内を困惑させたのは事実なので、悪気があろうがなかろうが罪に問われるべき容姿だと思われます!」
野党の怒声、罵声の中に、笑い声も多少混じっていた。
その笑い声とは東条首相本人である。
東条「ははは、確かに困惑したよ。したから今国会を開いているんだよ。うーん、今かけるべき言葉は・・・とりあえず、この写真じゃだめですか?と探もう一度お願いしてみよう。彼女が人間とわかったことだし」
大波乱の国会はこうして幕を閉じた。

「すいません、この写真じゃどうにもならないでしょうか・・・」
「そうですねー、パスポートをつくるともっと明るく写ってしまうので、ちょっとだめですねー」
私は少し腹が立ったが、仕方ない日本国の防衛のためだ。
そうして泣く泣く証明写真を撮り、無事申請が済んだ。

今宵もまた、酒を飲む。
彼女の顔はもはや忘れた。
彼女は人間だったのかも忘れた。

おわり


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