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○○の小説スレ

28Haniwa:2007/06/18(月) 20:07:00
「僕はこの続きを書けばいいのかな」

いい加減に受験生を迎えたって、そうそう習慣は変えられない。

やっぱりキーボードから手は剥がれないから、

ちかごろ仲良しになりはじめた、画面に線を引く小さな羽虫をただ目線で追っ払うだけする。

「さぁ、なんて書いたもんだろう」

雨降る部屋の僕の椅子、遠くに転がる殺虫剤、それにしたって動くのは案外億劫なもんで、

だから僕は羽音をイヤフォンで黙らせ、パソコンにショパンのノクターン遺作を何度も弾かせる。

おやおや随分お洒落じゃない、なんて呟けど、

高校生にしてはひとりぼっちすぎやしないね。

携帯の画面を覗いたって今日も昨日も変わりゃしない。

さっさと閉じる携帯を布団の向こうに投げ込んで、それでも僕はマウスに針着く。

「どうしたって最悪な青春だ」「おや、やあ羽虫君」

ついに画面へ羽を留めた虫にそう呼びかけて、伸ばす指。液晶に虫を波で消した。


つづく


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