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短編小説

9:2013/07/10(水) 19:42:18 HOST:ntiwte061027.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
「―愛憎―」那緒side後編



ずっとずっとずっと好きだった子が、好きだと言ってくれて。

でも、その感情は綺麗なものだけじゃなくて。

それをわかっても拒絶なんかできなかった。

罪悪感や正義感や恋情。解放感や逃避感。そんな感情が混ざり合う。



『ッ――俺も好き』



なのに、なんで真琴は泣きそうなんだろう。

まるで拒んで欲しかったみたいな笑顔。そもそも、笑顔なのか。

それすら曖昧な事がひどく悲しかった。

何が正解だとか間違いだとかそんなものわからない。

あの時彼女の真意を見抜くべきだったのか、否か。それもわからないままだ。

でも何度あの時に戻っても俺の答えは変わらない。


だって、どうしようもなく好きなんだ。

それが事実なんだ。


「好きだ」


君の後ろ姿に囁く。

きっと君は振り返らないだろう。

でもいつか、振り返って笑って欲しい。

それだけが願いで。希望で。俺のわがままだ。

背を向けた俺の背中を、彼女が振り返っているなんて。

まだ、知らない、冬。


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