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短編小説
15
:
雫
:2013/07/16(火) 21:12:48 HOST:ntiwte061027.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
「I love you to kill you.」孝介side前編
あの日、首もとから離れた掌、
なにかを悟ったように微笑んで言った
"オメデトウ"と、
君が投げたピンクのブーケ。
全部全部――…消えてかない。
「おめでとう」
「おめでとう」
「…おめでとう」
誰かが、そんな言葉を言って騒いでいた。
それを泣いて見ているのは、どれだけ滑稽なんだろう…。
三年前。
確かに彼女は言ったんだ。
殺していい?と、空虚な目がそれが本気だと伝えながら。
そして、それを拒否しなかったのも、
明らかに自分自身の意志だったんだ。
なのに、俺はこうして生きながらえている。
あの時、殺されていれば。
なんて思いながら、きっと一生生き続けていくんだろう。
“結婚”した理由は単純で、複雑だ。
端的に言ってしまえば「脅された」。
『いいんですか?あなたの彼女の会社、
わたしの父の会社の傘下なんですよ』
告白を断った時、箱入りのお嬢様だと思い込んでいた目の前の女が、
悪い意味でお嬢様なんかじゃなかったと気付いた。
仕事が好きなの。楽しいんだもん。
と、たまの休日に嫉妬するくらいノロケていた美雪を思い出す。
選択肢は他になかったんだ。
でも、今考えると。
あの時そんな脅しなんて振りきって、美雪と一緒にいればよかった。
不幸さえも幸福にかえる努力をすればよかった。
そんな後悔を今、彼女の白いドレス姿を見ながら
ひたすらに繰り返している。
美雪は、今日この日。
四月の桜の真っ盛りのこの日。
――…知らない男と結婚してしまった。
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