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放課後デイズ

22かもめJP@:2013/06/11(火) 09:41:33 HOST:p4092-ipbfp3303osakakita.osaka.ocn.ne.jp

 5

 翌日、小野塚玲花が学校へ来ると、驚くべきことが起こっていた。
 自分の後ろの席に座る女子――昨日親友となった桜宮和乃がすごい幸せそうな顔をして座っていた。意外といろんなことに対しての許容範囲が広い玲花だが、今回ばかりは流石に引いた。
 何か前に行きづらいなー、と苦笑いを浮かべながらもそーっと前の席に机を置き、椅子に座ろうとしたところで――
「あ、玲花!」
 急に名前を呼ばれ、身体全体を大きくびくっと震わせてしまう。
 振り返ると和乃が自分を待ちわびていたかのような表情を見せている。
 玲花は相手に気付かれないように溜息をついて、席に座ってから相手の方に向き直る。
 彼女は相変わらず楽しそうな笑みを浮かべている和乃にどう話しかけていいか分からず、散々悩みまくった挙句、とりあえず幸せの原因を探ることにした。
「……あー、和乃?」
「はいはい?」
「……アンタさ、今日テンション高くない? ってか、何でそんな上機嫌なの?」
「えっ? そーかなー? ぜーんぜんそんなことないっすよー♪」
 今絶対『♪』付いたろ、そんな喋り方しただろ、と言いたい気分を玲花は必死に抑え込む。
 わざとらしく咳払いした玲花は小さく息をついて、頬杖をつきながら和乃に問いかける。
「昨日なんかあったわけ?」
「えっへへー、分かる? 分かっちゃう? んもー、するどいなぁー♪」
 ごめん和乃。結構気持ち悪い。
 両手を両頬に当てたまま幸せそうな表情で身体をクネクネさせている。これは玲花の許容をはるかに超えていた。昨日別れた後に何かあったのだろうか。彼女が幸せそうにしているのは見ればすぐ分かるのだから。
 そこまで考えた玲花は、ハッとしてある一つのことを思いつく。
 和乃は高校生になったばかり。だが、見た目は女の玲花から見ても、そこそこ可愛いと思う。自分が男子だったら、すれ違うと二度見するだろう。
 玲花はもしかして、と思いながらも和乃に聞いてみる。
「……ねえ、和乃……」
「なーに、玲花?」
 すごい聞きづらいが、ここで聞かなければ何も始まらない。玲花は意を決して、
「……まさか……まさかだよ? たーぶん、ないと思うんだけど……和乃、さ……」
「うん?」
 玲花はきょとんとした顔で首を傾げる和乃に、

「彼氏とか出来たワケ!?」

 瞬間、二人の時間が止まる。
 和乃は硬直しており、玲花は真実を取調べをしている警察官のような目になっている。
 数秒後、沈黙を破ったのは和乃の元気な笑い声だった。
「あっはははははははは! 玲花ってば真剣な表情で何聞いてるのー? 違う違う。全然そんなのじゃないよー!」
 尚も笑い続ける和乃に、玲花は目を丸くしていた。
 大声で笑い続ける親友をよそに、玲花は彼女が上機嫌な理由を考えていた。恋をすれば女の子は変わる、というが恋とかではないということか。そもそも変わった、という類ではないような気がする。
 じゃあ何かなー、と考えていると、彼女の思考を教室のドアが開く音が断ち切った。
 視線を向けると入ってきたのは、例の怖い目つきの男子生徒、鹿野忠次である。
 玲花は、今日も目つき鋭いなー、などと思いながら彼から早々に目を離した。すると、目の前にいる和乃が声を掛けてくる。
「わたしさ、昨日玲花と別れてから友達が出来たの!」
「友達? なるほど……友達か」
 そこでようやく何で幸せそうな顔をしていたのか分かり、ホッと安心する玲花。すると和乃は急に立ち上がり、
「そうだ、玲花を紹介するって昨日言ったんだった! ちょっと来て!」
「へ!? ちょ、いきなり!?」
 玲花の腕を掴んで、和乃はずんずんと歩いていく。
 しかし、途中で玲花は戦慄した。このまま真っ直ぐ進まず教室のドアをくぐれば問題ないのだが、和乃にそんな気配はない。彼女はドアを全く見てなどいない。
 和乃が向かっているのは――、

 どう考えても、鹿野忠次の席だった。

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 今回は玲花目線の話になりました。
 第三者視点で書いてるのは間違いないのに、視点キャラが定まらなi((
 そのうち忠次目線もあるかも……。


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