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+不死鳥+
84
:
日陰
:2013/07/13(土) 09:19:42 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「――……いっ、嫌だよ……!」
やっとの思いで、透は言った。
例え自分を‘救おう’としてくれるのだとしても、その行為には目に余るものがある。
一夜は透の発言を聞いて、またも困ったような顔をしてため息をついた。
「だぁかぁらぁ……。俺は君を弱虫から脱却させるために言ってるんだって。良いの? これからも惨めに生きていくことになっても?」
「っ……良いよ……! 僕がその人対を殴らなきゃいけないくらいなら、これから惨めに生きていくことになっても良い……!」
嘘じゃなかった。
本心でもなかった。
透はただ一直に己が思ったことを口にした。その言葉が偽りでも、一夜を黙らせられるかもしれないと思って。
「……ハァー……。まさか、透君さぁー。自分は‘偉い子’だと思ってる?」
呆れた視線で言われた。
‘偉い子’という言葉に変な感覚を覚えながら「ど、どう言う意味……」と言う透。
一夜は答えた。
「‘賢い子’‘優しい子’を貫き通せば‘偉い子’になれるとでも思ってるの? 世の中では、そういうのをさぁ……――」
――気違いって言うんだよ……
一夜の表情が険しくなる。
透の表情が曇る。
何と言い返して良いか分からなくなる。
「『嫌だよ』『それで良いよ』『構わないし』。それ全部、馬鹿な現実逃避を繰り返した愚禿者が口裏揃えて言う台詞なんだよ! 『自分は偉い子』『自分はまとも』『周りがおかしいだけ』『そもそも、僕以外の人類は全員間違ってる』。どんなゆとり教育だ、ドアホ!」
行き成り怒鳴り出す一夜に透を含む者が仰け反る。
反撃の言葉が思いつかない。
「……世界はそんなに甘くもねぇし、人類はそんなに優しくねぇんだよ。いい加減気づけよ、逃避者! お前らの人生どうしようもねぇ、落とし穴しかねぇんだよ!」
頭を抱え込むように、顔を手で覆う一夜。透は歯を食いしばり、そんな一夜に近づく。
そして――
『ガンッ――!』
―― 一夜の頬を拳で付いた。
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