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+不死鳥+

6日陰:2013/05/11(土) 23:42:50 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
 担任教師は「兎に角!」と声を張り上げて言うと、二人に教室の後ろの方を指さし「座りなさい……っ」と言う。そこには、空いた席が二つあった。窓側から並んだ席だ。
 
 「了解しましぁ〜」と笑いながら言う一夜と、「テメェ、なに流してんだぁ!」と教師に背中から止められながらも腕を上げる雅日。

 一夜はその声さえもスルーして、淡々とした足取りで教師に指定された席に向かった。一番窓側の空いた席に、一夜は手を置く。

 雅日も、雅日で教師に止められながらも「もぅ、解りましたから離して下さいっ!」と言って、無理に教師から離れた。
 
 雅日は一夜の隣の空いた席にイラつき顔で座った。

 一夜は「全く……」と言わんばかり肩をすくめ、小さく吐息を着くと席に着いた。

 席に座って窓の外を眺めれば薄青の空が広がっているのが見えた。

 その空は、一夜の頭に焼き付いた昔の情景と同じものだった。

 昔の……たった一人、この世界で『自分の命よりも大切』と思えた者の笑顔と重なって見えた空……。

 そこまで、思い出して一夜は顔から笑顔を消した。

 自分が笑ったところで、‘アイツ’が笑ってくれる訳じゃない。

 そう思うと、また自然に笑顔が出来てくる。

 一夜は隣の雅の不機嫌そうな顔を見て更に口角を上げた。

 そして、一夜の目線は雅日の右隣の席に座る少年に向けられた。


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