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+不死鳥+

52日陰:2013/06/09(日) 16:03:54 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
 透は一人で、中庭に来ていた。

 時間は昼休み。

 中庭には、学校で飼っている鯉が住み着くレンガ積みの池に、科学部で育てている花等が植えられている。

 その中で、透は一人中庭の中を辺りをキョロキョロしながら徘徊していた。

 中庭に綾本の姿はなく、同じクラスの生徒や違うクラスの生徒が鯉に餌をやっていたり花に水をやっていたりしている。

 「……ハァ……」

 安心感が透の心に募る。

 透は中庭を囲っている校舎の壁に凭れる。そして、深く吐息を付いた。

 少し俯いて前を見る。何も知らずただ笑う生徒の顔が映る。同時に、綾本から受けた理不尽極まりない『いじめ行為』を思い出す。

 突然机に油性のマジックで変なことを書かれ、暴力を振るわれるようになった挙句カツアゲさえもされるハメに。

 そこまで思い出して、透は壁から少し前へ出た。

 ――このままじゃダメだ……――

 強い意志でそう思った瞬間――

 ――黒い影が透の影と重なった。


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