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邪気眼少女と桜の欠片

26ピーチ:2013/03/31(日) 20:41:32 HOST:EM114-51-186-14.pool.e-mobile.ne.jp
その日からのお仕事





「おかみさんから聞いたよー、美羽ちゃんに負けず劣らずの偏食家らしいじゃーん?」
 あたしの言葉に、若おかみさん―――彩織ちゃんの動きが若干ぎこちなくなった。
「え、あ、いやっ別に大丈……」
「大丈夫じゃないよー、美羽ちゃんだってあんまり身長伸びてないわけだしー」
「う………っ」
 あたしが言ったことに対して、彩織ちゃんが言葉に詰まる。
「まぁ、不味いわけじゃないから大丈夫だよー」
 そう言ってさっさとその場を去ったあたしを呆然と見送る視線が、少しだけ分かった。
 王子じゃないけど、ああいった子って可愛いなー
 そんなことを考えてたあたしの耳に、圭くんともう一人二人、誰かの声が聞こえた。
「彩織ー?」
「え?」
 彩織ちゃんの驚いたような声が聞こえる。
「やほー!」
 親しげな声から察するに、彩織ちゃんの同級生辺りかな。
「沙希、元町君? 何でこんな時間に……」
「いや、沙希の提案でさ。どーせ連休なんだからどっか遊びに行かないかって」
 振り返ったら、晴れやかに笑った少年と少女が居た。
 二人ともかなり身長高いな……いや、単に彩織ちゃんが低すぎるだけだろうけど。
「あ、ごめんね。……仕事の方が、あるから」
「あ、やっぱり?」
 沙希ちゃんと呼ばれた女の子がにんまりと笑う。
「そんなこと言うだろうなーって思って、先におかみさんには言ってあるよ! あたしはいいからさ、冬樹と一時間だけでもいいから遊んできなよ!」
「へっ?」
 驚いたような彩織ちゃんの声に、女の子が笑いを噛み殺している。冬樹君と呼ばれた男の子は、頬が少しだけ赤らんでいた。
「や、でも」
「行って来たらー?」
「はい!?」
 たまらずあたしが声をかけ、それに驚いた彩織ちゃんがあたしを見て悲鳴に近い声を上げた。
「ゆ、結野様っ!?」
「いいじゃん、どうせ一時間程度でしょ? 頑張ってる子にそれくらいの、いやそれ以上のご褒美は当然!」
 あたしの言葉で、彩織ちゃんが苦笑した。






「柚木園様、結野様」
 声をかけ、返事があったことを確認してから襖を開ける。
「あ、若おかみさん」
「失礼いたします」
 飲み物を持ってきたという口実で部屋に入る。
 で、柚木園様に昨日のことを謝る。
 これで完璧。……だった、はずだけど。
「いいよ、そんなの気にしないで」
「い、いえ! あんな態度を取ったんですから…」
「大丈夫だよ、あんなの気にしないに限る。ね?」
 そう言ったと同時に、結野様が言った。
「気にしなくていいと言ってるんだから、気にする必要はないだろう?」
 結野様の言葉に、私が思わず彼女を見る。
 白黒でフリルつきの可愛らしい服―――ゴスロリに、カラーコンタクトを使っているのか、紅い瞳。
 そんなことをしなくても十分綺麗で可愛いと思うのは私だけなのかな。綺麗だと思うんだけどな。
 そうこう考えている内に、結野様を凝視していたようで、彼女に訝しげな視線を送られる。
「あ……す、すみません…」
 飲み物を置いて、二人の部屋から出た。


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