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邪気眼少女と桜の欠片

19ピーチ:2013/03/30(土) 00:22:53 HOST:EM114-51-148-105.pool.e-mobile.ne.jp
その日からのお仕事






「あれ?」
 帰ってきて、思わず声を上げた。
「柚木園?」
 何か分かんないけど困ったような表情で、柚木園が立ってたから。
「うーん……何か、聞いちゃいけないこと聞いたのかもなぁ、と思って」
「はぁ?」
 俺と美羽が胡乱げに聞き返す。
「どういう意味だよ?」
「若おかみさん、どっか行っちゃったからさ」
 可愛かったのになぁと呟く柚木園に、俺が半眼になった。
「……姫宮に妬かれるぞ」
「っ、はぁ!?」
 さっきまでの笑顔はどこへやら、顔全体を真っ赤にして柚木園が叫ぶ。
 とそこに、ロビーの方から声が聞こえた。
「あら、葉月ちゃん。どうしたの?」
「あー…すいません毎回毎回。彩織ちゃん居ます?」
 さおりと言うのは、多分あの若おかみらしき中学生くらいの子だろう。
「んー…さっきは居たけどねぇ……」
 この前のことがあったばかりだからねと言うおかみさんの言葉に、葉月と呼ばれた少女が苦笑気味に返した。
「ですよねぇ…ほんっと、彩織ちゃんって繊細……」
 それに引き替えあやつらは、とか何とか言ってる会話を聞いてたことに気付かれ、おかみさんが俺たちの方を見る。
「あら? お客様、どうかなさいましたか?」
「え? あ、いや…」
 まさか話を聞いてて意味が理解できませんでしたなんて言えるわけがない。
 何とか理由をと焦った俺の前に出た柚木園が、持ち前の爽やかな笑顔を振りまく。
「たぶん私が原因で、おかみさんが引き籠っちゃったんじゃないかなって思って…」
 完璧に思えた笑顔が消え、代わりに焦ったように語気が速くなった。
 それを聞いたおかみさんが、え、と問い返す。
「どういう、ことでしょうか?」
「えーっと…」
 柚木園曰く。
 前かがみに倒れ掛かった彼女を条件反射で支え、その拍子に見えた腕の傷はどうしたのかと聞いたところ、青い顔をしてどっかに行った、と。
 それを聞いたおかみさんが、あぁと呟いた。
「たぶん、私たちが今話していたことですねぇ」
 ふわりと微笑むおかみさんの言葉に、俺たちが聞き返した。
「はい?」
「あの子、ちょっと色々ありまして」
 まるで、秘密を打ち明ける子供のような表情で、彼女は語り出した。


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