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邪気眼少女と桜の欠片

123ピーチ:2013/06/02(日) 18:28:44 HOST:em114-51-132-215.pool.e-mobile.ne.jp
非日常的な出来事






「――――――は?」
 天神さんの言葉に、俺がしばらく言葉を失った。
 ―――あの鼬って、女の子とか女性しか狙わないんだよね……
 ……ちょっと待て落ち着け。
 確か、美羽よりも柚木園よりも先に狙われたのは。
「…なんで姫宮!?」
 本人いっつも豪語してくれてるんですけど! 自分男だって言い張ってるんですけど!
「いや、だからなんであの男の子が狙われるのかなーって思って…」
「………すいません天神さん」
「うん、何かな?」
 小さく苦笑した天神さんに、俺が同じく笑いながら言った。
「―――姫宮、あの最初に狙われた女、が、……男です」
 で、あの男が女だと言ったら、さすがに天神さんが固まった。
「…つまり、」
 言いかけた天神さんが、言いかけた言葉を呑み込んで天音さんに向かって叫ぶ。
「天音、色々と不味いかも」
 天神さんと一緒に居た人とあおりと呼ばれていた人は何かしらかやっている。
「なにが?」
「……あの妖の、矜持(きょうじ)が」
「はぁ?」
 訝しげに問い返す天音さんに、天神さんが苦笑して。
「…あの女の子、男の子なんだって」
「――――――は?」
 うん、やっぱ俺と同じ反応ですよね。
 そんな彼女に、天神さんが分かりやすく(俺が言った通りだけど)解説。
 それを聞いた天音さんが、困ったように眉根を寄せた。
「……ねぇ」
「ん?」
 天音さんの言葉に天神さんが返して、それを受けた彼女が吸い込まれそうなほどに深い漆黒の瞳を眇めた。
「なら、あの鼬が気付かないわけが…」
「だよね、いくら男装してても女装してても、妖だから関係ないはずなのに」
「………………」
 妖とやらさえも騙すか、姫宮。
「とにかく……」
 終わらせないとね。
 妖艶な笑みを浮かべた彼女が、漆黒の髪を翻した。


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