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−神様立候補−
14
:
ムツ
:2013/01/03(木) 13:53:15 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
−神様立候補− −第六ノ部−
「………ん?」
眩しさのあまり目をつぶったが、目を開けてみるとそこには何も無かった。
白かった世界とは打って変わり今度は黒い世界。
しかしただの黒い世界じゃなかった。
自分の周りにはたくさんの門があったのだ。
律は驚いて門一つ一つに目を当てた。
上下左右斜め…。計八個のその門。きっと扉と言ったほうだ良いだろう。
「……何だ此処…?」
咄嗟にそう口走ると、今度はその言葉は反響して響いた。完全にあの世界とは違う場所だ。
「…………………………」
唖然とした。自分が意味の分からない世界に来たことに加えても、自分がここまで来てやっと「あぁ、これ現実だわ…」と感服したことに。
自分の双方向にある扉は開く気配はない。そもそも、こんな大きな扉から一体何が出てくるのだろうか。
そんなことを考えていると、目の前の扉が音も立てずに開いた。すると、それを合図にしたかのように他の扉も開き出した。
すべての扉が開くと、少しの間なんの音も響かずにいた。すると扉の向こうから何かの先が出てきた。
驚いて何かと律が目を細めれば、その‘何かの先’は見る見る内に姿を現した。
すべての姿を開け出したその瞬間、律は驚きと恐怖から目を見張ることしかできなかった。
扉から出てきたもの…。それは――
「……人間の…―――」
――腕……?!!
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