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界螺旋聖・遠方見聞録

32彗斗:2013/03/02(土) 23:02:21 HOST:opt-115-30-133-28.client.pikara.ne.jp
十三乃呪印 異変の黒幕
 響を適当な場所に寝かせた後、桜を中心に一団はある古ぼけた本を読んでいた……。
「……! これだわ! ここに書いてあるじゃない!!」
 桜は本を持っていきなり立ち上がる。その拍子に本の角がメテオの顎に直撃して顔自体が上に反り上がった……
「イテッ!? 顎が外れるかと思ったぞ!?」
「そんな事知らないわよ。アンタが悪いんでしょ? え〜っと…」
 桜は手元の本に書かれてある古ぼけた字に目を凝らし解読していった。
 内容はこうである。
―――――――――――――――
 天の主が怒りし時、天は崩れ陽が落ちる
 天の守護者を統べし者、いざこの地に舞い降りん
 さすれば天と同じ末路を辿る事になる、かの「幻惑する月の使徒」と謳われし者
 この者の名は「月代慧」、この者止めぬ限り異変止まず
――――――――――
「……ややこしい事になって来たな…結局俺達はあの天人族を相手取って闘わなくちゃいけないのかよ?!」
 爽の一言に、皆が黙りこむ。それも無理は無い。何しろこの広い螺旋界に住む者の中でも一際大きな勢力を持つものが少なからず人間族の他にも居るのだ。
 具体的に例を挙げれば、今回相手になる天人族、因みに穹と響の属する種族だ。
 その時メテオが口を開いた。
「それでもやるしかない……それ全員分ってる筈だ! この異変を止めない限り、俺達が今いるこの人界も危ないって事も……」
「……それは勿論分ってるわ。それでも私達は今、下手に動けない」
「確かに……今、私と響を除いて天人族全員が慧様の手の内に……」
「「「慧様?!」」」
 その場に居る穹以外の人物が一斉に声を挙げた……メテオが間髪入れずに確認を取る。
「……あの一つ聞くが…慧って奴は何者だ?」
「私達一族の長です。あと厳密に言うと…彼は天人族では無く仙人族に近いと自分からおっしゃってました」
 仙人族と言えば少数ながらも仏界に居り圧倒的な力を見せると言われている種族である。
 それを聞いた桜と爽は文字通り意気消沈である……
「今回の異変は本気で相当やばくなってるな……」
「よりにもよってあの仙人族が相手なんて……私は巫女だけどそれでも足元にも及ばないわよ?!」
「と……取りあえず今日は大事を取ってもう寝た方が良いです! この神社に張っている結界のおかげで操られている天人族には見えて無い様ですし……」
 そう言って穹が日の沈んでゆく方向を指差すと、おびただしい数の天人族が飛んでいた……だがどの天人族もこちらには気が付いていない。
「……確かに、今日は寝て明日の明朝、空はまだ暗いから見つかり難いとは思うけど……一応気を付ける事。良いわね?」
 それを桜は皆に言った後、解散指令を出して眠りに就いた……


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