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+不死鳥+

161日陰:2012/12/08(土) 18:54:23 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
  +第11話+  +其の02+

 「……っなぁ………!?」
 一夜の硬い拳で吹き飛ばされたリズを見て、皆奇声のような声を上げる。なんという腕力。一発全力で女を殴ったからって、目で追えない程の早さで飛んでいくなんて殆どありえない近い。
 『……あぁ…。犯っちゃったぁ〜…』
 ほとんど棒読みのその言葉は、皆を震え上がらせるものだった。「一夜…」起き上がりながらアリミノは目を見開く。
 「―――………チョット、コレハマズインジャナイノォ〜…?」
 着物の裾に手を突っ込みながら架月は秘黒を見る。秘黒本人は顔を険しくして、紅眼の一夜を睨んだ。
 「―――…一夜……。おめぇ…」
 『…沈黙しろよ黒髪。殺すぞ、畜生』
 言葉がおかしい。こんな意味不明な言葉いつもの一夜は使わない。そう思って功刀は感じた。――こいつは一夜じゃねぇ…!――
 「おい…一」
 「サッスガァァ〜!」
 功刀の言葉を遮って、リズの笑いが込もった声が響く。
 『んだ。まだ殺されてなかったのかよ…。頑丈&死ねよ阿呆。何ならこの世に未練残さずに成仏させるぞ。コノ野郎』
 一夜が棒読みで言い終えると、リズはッペと地面に血を吐き捨て、今までに見せなかった本物の笑を一夜に向けた。
 「成仏すんのはテメェだコノヤロウ。可愛い女の子の顔面に拳巡り込ませる人は、成仏してもモテませんよ」
 あからさまな敬語を履くと同時に、強い風が二人の髪を靡かせた。風が止むまで、二人はその場に静止していた。そして、ピタリと風が止むと風とは別に二人の髪が後ろに靡いた。
 『―――…ギィィィィィィイイィィィン゛!!!!?』
 鋼同士が擦り合う音が、その場にこう高く響く。


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