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+不死鳥+

159日陰:2012/12/08(土) 13:11:09 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
  +第10話+  +其の12+

 アミリノ目掛けて飛んできたリズ。その速さはまるで雷のようで、目ではとても追えない。
 アリミノは足元に来たリズの攻撃を避けるため、鎖を咄嗟に顔の前に構える。刃が来る。かと思ったら、アリミノに飛んできたのはリズの足。一瞬驚いたアリミノだが、すぐに気を取り直し、飛んできたリズの足を鎖に絡める。
 すると、リズは不気味に笑い鎖に絡まった足を引く。それに合わせ、アリミノも前に引っ張られる。「うおっ!?」そういうや否や、アリミノはリズの足に引っ張られてぐるんと空中で回される。その拍子に周囲にいた奈津樹、雅日にぶつかり遠くへ吹っ飛ぶ。残されらのは功刀一名。危険を感じ咄嗟に身構える。だが、それよりも早くリズは功刀の背後に回り込む。
 「―――……しまッ……!」
 「バイバーイ。殺し屋のおにいちゃん…」
 リズは不敵に笑ってみせる。
 「ヤメッ……!!」
 一夜は目を見開いて呟く。今走っても間に合わない。今叫んでも届かない。今後悔しても許されない。今涙を流しても響かない。
 そう思ったとき、一夜の激しかった鼓動が大きくドクンッとなった。
 そして目の中が朱色に染まった。次の瞬間、どんなことがあっても飛ばなかった意識がどこかに飛んでいった。
 「ドゥゥゥウゥウウ゛!!!?」
 大きな竜巻と共に響き渡った音。その音に驚き皆竜巻の起こった方を見る。その場所、一夜のいる場所を。
 「……一夜…?」
 功刀の驚きがこもった声が放たれると、俯いていた一夜の顔が上がる。そして、紅く光る一夜の眼を皆は目に焼き付けた―――


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