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永遠に変わらない心、変わらない誓い
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上総(カズサ)
:2012/10/27(土) 14:04:18 HOST:zaqb4dc9d7e.zaq.ne.jp
奇麗な洋服たち――…。
帽子やネックレスやブッレスレットがガラス細工の中に仕舞われており、小さな光が入って来るこの部屋でキラキラと光っていた。
『ここは本当に奇麗ね。思わず、この空間だけ違う別世界みたい』
『当たり前でしょ。ここは私が見つけた宝の山よ、どんな有名な女優だってモデルだって似合わなかった最高級の服が置かれている部屋。私は海だけしか似合わないと思っている。』
『この部屋に居るときだけは素直に”ありがとう”って言える』
『出てからも素直に言って欲しいけどね。だけど、言えない理由知ってるから・・・ここだけで良い』
海には誰にも言えない秘密がある。
それはこの屋敷に居る人間、蒼生ですら知らないこと。皐月はそれを聞いてしまった。聞くつもりは無かった彼女はそれを聞いたときに初めて海の涙を見た。
――いつも屋敷では凛々しく、誰よりも背筋を伸ばし奇麗だった。そんな彼女が嫌いだった皐月に取ってはあの頃から海の本当の姿を知ったようで触れ合うようになった。
『よし、今日はこれに決定』
『え"・・・それ、私は嫌だ。刺激的すぎる、私にはそんな服は似合わないと思うんだけど』
『何言ってるの!私が選んだ最高級の服にケチ付ける気?』
『ケチは付け無いけど………』
『じゃあ、執り行なうね』
海の拒否権は呆気なく皐月の耳には届いていなく、ササッと準備が執り行なわれる。
当然、ここは2人の秘密基地みたいな場所なのでメイドなど手伝ってくれるアシスタントは誰一人居ない。皐月1人が海の着替えを速やかに行う。
髪のアレンジや洋服は皐月が選び、海は香水や小物などを自分で選ぶ。――ここには何でも揃っているので選ぶのに苦労はするが、それでも選ぶ楽しさがたくさんあった。
『ほんと、海が化粧品会社の令嬢で良かった。一々、手配する時間とか掛けなくてもいいから楽だし』
『私も皐月が専属のデザイナーで良かった。今日も取引先と会う約束あったし、いつも服装好評だから取引も順調。一応、助かっている』
『素直だね、やっぱりここでは』
うるさいな、と鏡越しに見える彼女の表情に思わず笑いが漏れた。
本当に屋敷では笑いさえ作る暇もない、海の一日の時間は両親の仕事だけで埋め尽くされる。全部準備が揃ったと合図をすると、優しい笑顔が見れる。
皐月の楽しみは海のこういう笑顔が見れるのこと。それと、この場所が2人の大切な時間だから――――…。
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