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永遠に変わらない心、変わらない誓い

3上総(カズサ):2012/10/26(金) 19:19:51 HOST:zaqb4dc9d7e.zaq.ne.jp



目が覚めたときには、いつものように少し作り笑いを浮かべた少年の姿が見えた。
怒りが少し伝わるような黒い笑顔。腕はどことなく強く握られているので離すような気配さえ無い。
ただその表情で『おはよう御座います』なんて言われたら言葉を返すように『おはよう』としか、言えなかった。





『――いつまで寝ているおつもりで?しかも、そんな格好していたら襲いますよ?』
『いつもいつも、そんなことばっかり言ってる。…腕が痛い』
『失礼。ですが、俺だからお嬢様襲わないですけど他の奴なら確実にヤラレマスよ?』
『そんなこと無い。・・・たぶんだけど』
『お嬢様は分かってないですね。男って言うのは野獣なんですから』




ベット越しに伝える少年の声はどこか、強く誰にも触れさせたくないという思いが伝わる。
それと同時に、男という者がどういう奴なのか教えているようで彼女の無防備な姿を対称に話しているようにも見える。
まだ寝起きなのか、目をこする仕草さえ愛おしくて優しい。
カーテンがなびき、風が少女達を通り抜け部屋全体を春風でまとっているよう、優しい肌触り。



『とりあえず起きてちゃんとした服に着替えて下さい。全く、わがままなんですから』
『ん――…。眠たい。』


少年の言葉なんて耳に入っていない様子でまたしばらくの眠りについてしまった。
つい先ほど彼は、男に中止しろと遠回しに伝えたつもりなのだが彼女にはそれさえも伝わっていなかった。
ベッドに身を乗せ、スヤスヤと寝息を立てている。――ーシンクのような透き通った肌に優しいピンクの唇。思わず、彼は理性を保った。




午前10時。
また目覚ましが鳴っている。今度こそは、と体を起こそうとするがなかなかその衝動には立ち向かえない。
昨日は夜遅くまで起きていた為、余計に体が怠さを増す。最後にベッドへ向かったのは確か5時頃だったっけ?なんて考えていたら急に体が浮いた。
浮いたというよりも軽くなった、と言った方が良い。羽が付いたように優しいリズムでコンコンと進んでいるみたい。



だが、そんな夢みたいな優しい現実ではなくその短いひと時は次の瞬間で終わった。




『何度言えば分かるんだ?お前は』



もう敬語すら忘れているような怒りが体を身震いさせた。
背中にはもう手が回っており、お姫様だっこ状態。それなので、その声に敏感に反応したときはもう遅かった。
彼女はもう"籠の中の鳥”逃げれない。逃げさせてくれない。こうなればもう、誰も彼を止めることは出来ない。


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