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永遠に変わらない心、変わらない誓い
24
:
上総
◆Dg4hSzxcdc
:2012/11/30(金) 16:55:00 HOST:zaqb4dc9d7e.zaq.ne.jp
『まあ、とりあえず取引の事についてじっくり話そか』
++
『今日はイースターの上の人が来るから私、先に席を立つわね。』
『了解。』
皐月の微笑むような確認の合図を貰い、海はテラスのイスを引いた。紅茶を一口飲み席を立って一歩踏み出すと蒼生がこちらを向いて頭を下げた。
左手にタオルを掛け、整った黒髪が下を向いている事に少し違和感を感じた海は蒼生に『頭を上げて。』と言った。今日は一段と真っすぐ見つめられた瞳が今から始まる商談の不安を少し晴らせた。
一歩一歩が重たく感じる。この胸騒ぎに不安と悪寒を一緒に抱え、イースターが待っている部屋へとノックをした。
――――――コンッコンッ
扉を開けるとそこに居たのは、最近名刺を交換した大島さんと隣に居る人は…大島さんが言っていた上の者らしい。
明らかに芸能界の社長というのが外見で分かるようなチャラ男。少し黄色いメッシュが入った髪にキラキラと光るピアスが印象的で右耳に付けている紅いルビーは眩しかった。
足組をして偉そうな態度にムッとした海だったが、冷静さを取り戻そうと一つ深呼吸をした。背筋を伸ばし、あごを上げどうどうと話そうとするのはやはり海そのものだ。
『はじめまして。海ちゃん』
いきなりの馴れ馴れしい態度から始まった交渉。向こうもこちらの情報を調べたらしく海の名前を知っている。もちろん、海も向こう側の名前も把握済み。
『…はじめまして。紺屋(こうや)さん』
『なんや、下の名前で呼んでも構わへんで。これから先、ウチと存続して契約結ぶねんから』
…海の嫌いなタイプだったらしい。
関西弁を使う彼を下の名前で呼ぶなんて最悪だ。と思った海はその問い掛けをスルーした。
イースターと海の間にはローテーブルを挟んでいるだけ。大島さんの右側には付箋を貼られた資料がたくさんあることに気付いた海はこちら側も資料を出した。
『……まー、しかしアンタも今と昔では全然性格が違うねんな。昔はもっと笑っとったやろ』
『――は?』
会った事も無いはずの人にそんなことを言われて思わず出た言葉が呆気ない単語だった。
少し脅しを掛けた口調に見透かされたその表情。思わず身震いをした海に紺屋と言う人はもう一つ契約とは全く別の話をはじめた。
『俺はな、昔アンタに会った事あるんや。アンタは覚えていないやろうけど』
本当に何を言っているのだろう。
だけど、海にもその言葉がどこかで納得してしまう点が合った。この扉を潜って彼を見た瞬間からどこかで会った様な気がしていた。今…?いや、もっと後だった気がする。でも、何故?
『まあ、とりあえず取引の事についてじっくり話そか』
――――こんな話をした後に機転を返した彼の言葉。暗い空気の中、海と大島さんと紺谷さんとの間で契約が始まる。
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