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永遠に変わらない心、変わらない誓い

14上総 ◆Dg4hSzxcdc:2012/11/08(木) 17:56:53 HOST:zaqb4dc9d7e.zaq.ne.jp



     side海/いつもみたいに    



その後、私は蒼生が持って来たランチの準備が目の前で行われ皐月が来た所で朝食込みの食事となった。


『…どうしてこんなに暗いのよ。アンタ達』
『話していないで、早く食べろ。後片付けするこっちの身のことも踏まえてくれ』
『蒼生も不機嫌だし、海は話さないし…。私が居ない間に何が起こったのか説明してよ!』


皐月の問い掛けに私も蒼生も互いにスルー。
別に喧嘩や問題が起こったなどのそんな難しい話じゃない。ただ、私が悪いだけ。蒼生は悪くない。それなのに皐月にそれを伝えなく、無口でランチを食べ終えた。
終わった後、見計らった蒼生は私の前の皿やティーカップを取り何も言わず片付けをする調理場へと足を運んで行った。


そんな私たちのぎこちない様子に呆れたため息を付き、皐月は私の前の席へ座った。


『何があったのか知らないけど、蒼生は悪くないんでしょ?』
『どうして私が悪いってこと分かるの?』
『それは長い付き合いだから。とりあえず、そうならちゃんと話して謝って来い!ぎこちないままだと私が気まずいじゃない』
『それって皐月が嫌だから穏便に済ませようと私に謝って来いと』
『それでこそ海じゃん!生意気そうで大人っぽいのが海なんだから、そのまま蒼生の元へ走って来てちゃちゃっと済ませて来な』


――生意気で大人っぽいのが私…。
そんなに大人っぽくも無いし、それに生意気でも無い。だけど、さっきよりも気持ちが軽くなって前へと踏み出せた。
長い付き合い、本当にそうなのかも知れない。皐月はちゃんと見てくれるからこそ背中を押してくれた。前へ進もう、蒼生とちゃんと向き合わなくては。



++



『ったく、何怒ってんだよ俺。だけど、流石に海に軽蔑されたら調子狂うな…』
『蒼生!!!!』


片付けをしている蒼生の背を見つけ、バンと扉を開け蒼生の元へと走った。



『さっきはごめんっ。変な夢を見て蒼生の顔まともに見れなくなって…それでその、蒼生は何も悪くなくて…』

何から話したら良いのか分からない。
ただ、蒼生は悪くないことと気まずい雰囲気を無くすことに必死だった私は、こんなにも焦る会話をしたこと無い程の動揺を見せながら話した。
商談や交渉ではこんなに気持ちを伝えることは無い。だからこそ、難しくて大事なこと。



『――――もう良い。…海がちゃんと謝ってくれた訳だからな。ま、悪戯はまたしますけど今日の件でチャラにして下さいね』
『…悪戯って何よ。』



ニヤリと笑った蒼生の表情にハテナを浮かべる私の後ろで皐月は微笑ましく、見守っていた。


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