したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

ムーン☾クロニカルズ

54彗斗:2012/12/22(土) 02:02:27 HOST:opt-115-30-133-28.client.pikara.ne.jp
十一乃欠片 邪悪な影
「……むにゃ? アレ? 朝になってる……」
 ゴソゴソとベッドから起き出した麗奈は静かに窓に映り込む景色を眺めた。あの時、ネオスに連れられた昨日と変わらない景色がずっと続いていた。
 その景色を見て、麗奈はボソッと独り言を呟く。
「……この景色は時代が変わっても変わる事は無いのね……」
 と呟いたその直後、ガタッと扉が開きネオスが入って来た。その事に気が付いた麗奈は背を向けたままネオスに言った。
「……女の人の部屋にはノックをしてから入るものじゃないの?」
 その言葉を聞いて、一瞬キョトンとしていたネオスがいきなり笑いだした。
「おおっと、そう言えばそうだったね。でも君は……今日、何処かに旅立つんだよね?」
 少し悲しげに聞こえた様な気がしたが麗奈はあえてそこには触れる事無くネオスに返答した。
「別にわたしは今日旅立つ何て言って無いわよ? 確かにこの屋敷を出る事にはなるんだけど……」
「え? あぁ、そうなのか。まだしばらく居るのか」
 何か不自然な雰囲気を漂わせるネオス。先日会った時よりもさらに不自然さが増している気がする……その時くるりと背を向け様とした時のネオスの表情を麗奈は見てしまったのだ。
――ニヤリッ
 何処からどう見ても邪悪そのもの、としか言い様のない気味の悪い笑い方だった。まるで麗奈がこの世界にとどまる事を喜んでいるかの様に……
(何だったのかしら今の笑みは……ムーンならその事ぐらいは分る筈……?!)
 ムーンの方を見てみると……ネオスを威嚇するどころか、思いっきりくつろいでしまっている……
(とんでもないお荷物と言った所ね……)
 そう思いながら、麗奈はネオスの含み笑いの意味を考えながら一人で荷造りを始めた。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板