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ムーン☾クロニカルズ
53
:
彗斗
:2012/10/20(土) 11:57:29 HOST:opt-115-30-133-28.client.pikara.ne.jp
十乃欠片 大妖精の託したモノ
「……んにゃ? 後もう五分だけ……zzz」
先程から何かに関する寝言をブツブツと言っている麗奈、彼女の開け放たれていた窓に月の光が優しく差し込んでいた……がその窓にさしていた光が急に閉ざされ何者かが部屋に侵入して来た……
――ザクッ……ザクッ……
靴を履いているかの様な足音はだんだんと麗奈の方に近づいている……一つの影が麗奈の首に手を伸ばそうとした時! ベットの上に無造作に置かれていた麗奈の足が唸りを挙げながら飛んできた!!
「! っと……」
間一髪、足の攻撃は顔面スレスレの所で右から左へと通り過ぎてしまった……その反応と同時に麗奈はバッとベットから飛び出し寝間着のままの状態で拳を突き出し戦闘態勢に入っていた。ムーンも騒ぎに気が付き牙をむいて唸っている……
「……麗奈、お前……まさか俺を忘れたとでも言うのか?」
「……それは一体どういう事?」
と丁度その時一陣の風が吹き月明かりが神秘的にその人物を照らした……顔はよく見えはしなかったが服装で簡単に判断が出来た。あの部屋でムーンを託したあの男だ。
そうと分って麗奈もムーンも攻撃体制を解き麗奈は腰に手を当てて呆れ気味にこう言い放った。
「アンタさぁ……ちゃんとドアから入るって事を知らない訳? おかげでこっちは本当に焦ったんだからね!!」
「すまないな。俺の事情が込み合っているからとでも認識して置いてくれ。で、話が変わるんだが……」
軽く謝罪の意を述べた後、その男ことマスターOは、麗奈の目を見てから一つ聞いてきた。
だが麗奈にとって見ればその様な話など夢のまた夢の話だと思っていた内容だった。
「お前は……「凶獣」と言う生物を知っているか?」
「凶獣? 何その動物?」
勿論の事、その様な単語を聞くのも初めてだった上に見た事も無い様な動物の名前だ。その様な事ぐらい知らなくて当然かと思ったのかマスターОは口元に笑みを含ませた後、こう言い添えた。
「知らなくて当然だと思う。まぁ……比較的最近、発見された化物だからな……」
「ば……化物……!?」
その言葉を聞いて麗奈の顔から血の気が引いて行くのが目で見てとれる。その様子を見て楽しんでいるのか仕方ないと思っているのかマスターОは暫く考え込んでいた。
そして、暫くの間考えた後、思い切って話してみる事にした。
「麗奈、よく聞いてくれ。お前はこれから先その凶獣と対峙しなければいけなくなると思う。問題なのはいざその場合になった時だ。闘う力が無くては何もできはしないからな。そこでお前にもう一つ渡す者を持ってきたんだ」
そう言いながらマスターОは懐から山吹色に光る月の形をしたペンダントを麗奈の手に握らせた。そして真剣に麗奈の顔をジッと見やりすぐに視線を逸らす。
「……出来る事なら、お前には戦って欲しくない」
「えっ……?」
麗奈は彼の言った事が理解できなかった。何しろ彼にとって自分は知らない人の筈なのに何故、そこまで麗奈の戦いを拒むのか……麗奈にはその理由が分らなかった。
聞き返そうとした時、マスターОはペンダントについて話し始めた。
「そのペンダントの力は時が教えてくれる筈だ。時間が経てば自然とその時が来る。その時、お前は……」
「私は……どうなるの?」
その先の言葉を彼はどうやら躊躇っている様だった。
一体、麗奈の身に何が起こってしまうと言うのだろうか……彼はその後の事は話さずに別の事を麗奈に言い聞かせた。
「必ず……戻って来い。それと……お前なら出来る」
そう言った後、麗奈から視線を外して窓に駆け寄った後、そのまま窓から飛び降りた……
(マスターО……一体彼は……何者なのかしら? でも…何か引っかかる様な気がするのは気のせいかしら?)
と考えてみたものの手がかりも何も無く考えるのは止めにした。何しろ眠かったからだ。
「ふあ〜あ……眠いわね……それじゃもう一回寝るとしますか」
麗奈はその後布団に潜り込んでそのまま寝息を立て始めた…………
その後、番いの風が入って来て、彼からもらったペンダントがキラリと月の様に煌めいた……
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