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ムーン☾クロニカルズ

52彗斗:2012/10/17(水) 22:56:08 HOST:opt-115-30-133-28.client.pikara.ne.jp
九乃欠片 ネオスの告白と頼れる仲間
「え、え〜っと……き、聞き違いって事で……ヨロシクっ!!」
「え?! ちょ……ちょっとルナ!?」
 麗奈はいきなりの事にパニックになり慌ててその場を離れようとした……が、ネオスに引きとめられてしまいそれは叶わなかった。
 麗奈を急いで追い駆けた為、息も絶え絶えになっていながらもネオスは苦しそうに俯いていた顔を上げてから言葉を続ける。
「だ……だから……これは聞き違い……なんかじゃなくて……」
「ほ……本気って事……?」
 だいぶ冷静になって来た麗奈も、ようやくパニックにならない様になって来た。麗奈の顔を覗きこんだ後、ネオスはニッコリと麗奈に向って無邪気に笑った後、言葉を続けた。
「僕は……ずっと君の隣りにいたい、君の笑ってる顔をずっと見ていたい。僕の今の幸せは……君自身に在るから」
 麗奈は自分の顔がどんどん紅く紅潮していくのが分った。ネオス自身も麗奈と顔を合わせるのが恥ずかしいのか顔を下に向けている。そして彼の顔もまた、紅くなっているのが目にとれた。
 麗奈は、恥ずかしい様な懐かしい様な複雑な感覚を味わっていた。そして、いつの間にかネオスを……思い出の人となってしまった勇騎の面影に照らし合わせていた。
(何だろう……この感覚……なんか、懐かしい……)
「……ルナ、僕の申し出、受けてくれるかい?」
 その言葉を聞いた時、二つの影は……三日月の光に照らされて一つのシルエットとして映し出されていた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「で……思いっきり話が変わるけど……ここがルナの部屋だよ」
 と言いながらネオスが開け放った部屋には絢爛豪華な家具やベット、金銀細工が施してある花瓶や大理石の床、麗奈は至る所にまで惜しみなくに使われた金銀などの装飾品に目が眩みそうになった。勿論の事連れていたムーンも眩しそうに目を細める。
「……流石にここまで眩しくしなくても良いよ。エイリーク、アイリーン」
 ネオスも流石にまぶし過ぎたのか片手を挙げて目の所に当ててながら言った。するといきなり眩しいほどの光量が無くなり元の金銀の輝きに戻ったかと思うと部屋の中から一組の顔のそっくりな男女が姿を現し互いの文句を言いあい始めた。
「そら見ろ、やっぱりネオスに注意されたじゃないか」
「良いじゃない。アレぐらいないとインパクトが無いでしょ」
 互いに一頻言い合いに決着が付いた所でネオスの方に向きあった。その様子を見たネオスは……
「はははっ、二人とも変わって無いなぁ……まさか……新しい部屋の飾り付けだけで昨日も一昨日ももめていたのかい?」
 何の事か理由が呑みこめていない麗奈に気が付いたエイリークと呼ばれる青年が麗奈の顔を見て驚いた声を挙げた。
「えっ!? そ……そこに居るのは……ノアなのか?!」
「いやエイリーク、これは違う。この件についてはちょっと二人にだけ話がある、ちゃんと聞いてくれ」
 ネオスはエイリークとアイリーンの耳元にこっそりと口を寄せ、これまでの経緯を全て話した。すると二人はちゃんと分ってくれたようで互いに顔を見合わせてニッと笑顔を見せあっていた。ネオスの方に麗奈が歩み寄るとネオスは二人の紹介を始めた。
「ちょっと紹介が遅れたね。こっちの背の高い翡翠色の瞳をしたこの人は君の……え〜っと……なんて言えばいいのかな?」
「……ネオスは説明する為の言葉が一言だけいつも足りないなぁ……まぁ簡単に言えば……執事と言えばいいのかな。俺の名前はエイリーク=ライン。これから宜しく」
「……殆ど僕が説明できなかったけど……まぁいっか。そして右に居るのg……」
「こっちにいるエイリークの双子の妹、アイリーン=ラインよ。因みに私はメイドよ」
 二人の自己紹介が終わった後、四人で暫くの間だけ話をした後、ネオスが急にこんな事を言い出した。
「それじゃ、今日はもう遅いからこの辺で……またね」
「「「おやすみ〜」」」
 その後、麗奈はエイリーク兄妹達とも別れ、部屋にひとりだけで残った。その時、今日見せてくれたあの無邪気な笑顔をしたネオスの顔が浮かんできた。その事を考えるとどうしても頬が熱くなる。
「もう今日は……寝ましょう、ムーン」
 そうしてベッドに入った麗奈とムーンは深い眠りについた……。
「……お前は……罪を悔んでるな」
 その様な声が何処からか響くこの声にはもう慣れてしまっていた。抑揚が無く、ただ肯定的に繰り返される言葉。そして、その声の主には……人では無い姿があった。
――銀色の棘薔薇(いばら)
 この声の主は、明らかに植物でも人間でもない外観を持っていたと言うよりは、その姿が本来の姿なのかもしれない。
「僕には……あの日の罪が……」
「そう、お前は……ノアと言う一人の娘を護り切れなかった罪が残っているのだ……ネオスよ」


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