したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

ムーン☾クロニカルズ

39彗斗:2012/09/30(日) 01:39:38 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
キャラ達の戯言 其の一
  〜誰か……この満たされると言う事を知らない作者をどうにかして止めてくれ……!!〜 byブライト
―――――――――――――――――――――――――――――
七乃欠片 三日月少女と青年と……
 ここは町の郊外に当たる場所、かなり見通しが良く右を向いた目の前に広がるのは蒼い海と碧い空、そして今さっきまでいた町である。
「ホントにここは綺麗ね〜。ここで昼寝でもしようかな〜?」
 澄んだ大空と濃い青の大海に顔を向けている麗奈の背後には、紫色の見事なラベンダー畑が一面に広がっていた。その所為か、その辺り一帯にはずっとラベンダーの香りが漂っている。
「……時間は無限にあるし、ここでちょっと休もうかな」
 そう言いながら麗奈はラベンダー畑を背にして丘の斜面でまどろみ始め、そして……深い眠りについた……。
〜〜〜〜〜〜
「……むにゃ? しまったぁ〜〜〜っ!!」
 ほんの数分の休憩と思っていたが眠りこけてしまいいつの間にか日が暮れようとしていた……。夜になると姿が肉眼に移る様になり人目につくだろう。麗奈はそんな事を考えて慌てていた時、最悪の展開が訪れた……
「あの……お譲さん? 道に迷ったのですか……?」
「ほえっ!?」
 ……人に話しかけられたのだ! その人物は年齢が大体十六程で紺碧の髪と瞳を持っており。服装は、見たまま貴族が着る様な煌びやかな正装で、その双眸から放たれる視線は真っ直ぐでどこか好印象が持てる眼差しだった。
 これはちょっとヤバいかも……と思いつつ麗奈はその少年の問い掛けに応じた。
「え…あ、いや違うんです! そのここの景色が良いからついウトウトしちゃって……それだけなんです」
 少年は麗奈の顔を見た時、少しだけ、ほんの一瞬だけ驚愕の色が混じった様にも見えた。が麗奈はそれを気のせいと割り切って少年の返事を待った。
 少年は少し胸中で動揺している様にも見えたが平静を装っているのか、最初に聞いてきた口調と変わらない調子でこう返してきた。
「あ、そうだったんだ。それは失礼したね。ところで君、家は何処なの?」
「え〜っと……今、私は旅の途中でして……」
 その後、少年は暫く考えてから麗奈にこう返答して来た。
「それなら……もう日も落ちる頃だし家に泊って行ったらどうかな?」
「え? 良いんですか?」
 それは麗奈にとって願っても無い幸運だった。正に捨てる神あれば拾う神ありと言った所だ。
 勿論、麗奈がその申し出を断る訳が無かった、と言うよりはその少年の親切に甘える形となった訳だが。
「……他に泊る所も無いし……でも、良いんですか? 私みたいなのが貴方の家に上がっても……」
「いや大丈夫ですよ。貴方なら……」
 貴方なら……? それって私の事かしら? と麗奈は思ったが口には出さなかった。もしもそんな事を口にしたら、かえって変な方向に話が転がりかねないからだ。
「そ…それじゃお願いします」
「どうぞお構いなく。こっちに僕の家があります」
 麗奈はその少年に優しく手をとられた後、その少年に連れられて日が横から差し込んでいるラベンダー畑を歩き始めた。
 その時、麗奈はその手を引いてくれる少年の名前を聞いていない事を思い出し思い切って聞いてみた。
「そう言えば……貴方の名前は……?」
「僕の名はリウシス=ネオス。そう言えばまだ君の名前を聞いていなかったね。名前は?」
 そう聞かれて麗奈はほとほと困り果てた。何せ、欠片を回収したらネオスともお別れになる。この国の人間じゃないと思わせておいたとしても麗奈とそのまま言ったのでは怪しまれる可能性がある。結局の所、偽名を使うしかなかった。
「え…え〜っと……私の名前はラティール=ルナ。よろしくね」
「こちらこそよろしく、ルナ」
 最後に麗奈の偽名を呼んだ後、二人の目の前にはネオスの邸宅があった。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板