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ムーン☾クロニカルズ
3
:
彗斗
:2012/09/06(木) 22:04:58 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
原点の欠片 現世、日常との別れ、非日常との出逢い
…ここはとある町に住んでいる一人の女子高生のいつも通りの日常である。
「ん?! …ヤバッ! また遅刻!?」
このボサボサになった長い月色の髪を持つ月色の瞳の彼女の名前は「望月 麗奈」。彼女はベットからパッと飛びだして一瞬で身だしなみを整えた。勿論ボサボサの髪もいつもセットしている元の腰まである月色のストレートに戻っていた。
「ヤバいヤバい!! また廊下に立たされちゃうっ!!」
事前に用意してくれた朝ごはんも食べずに玄関を飛び出す。ここまで掛かった時間約2分…とんでもないスピードで支度をしたと思われる……。
「それじゃ〜行ってきま〜す!!」
出発の挨拶を済ませた後、慌てて自転車に跨り必死に自転車を漕ぐ。
月色の髪が、空を切る風に靡いて輝いている。何処から見ても普通の女子高生だ……が、その様子を鏡越しに騒がしく見ている二つの影があった。その二つの影は物凄く慌てている様だった。一体何が起こると言うのだろうか……?
「この程度の遅刻なら後4分程度で着くっしょ」
…とそんな事は露知らず、のんびりと自転車を走らせている麗奈。
間もなくして交差点が見えて来た。まだ通行できる状態では無い為赤信号である。それを見て麗華はプーっと頬を膨らませて文句を言った。
「こんなんじゃ5分の遅刻になっちゃうじゃない! も〜どうしてくれるのよ!!」
麗奈は交差点の横断歩道の前で一人地団駄踏んでいる…その様子を見かねたか偶然か信号が青に変わったのだ。これで麗奈がやっと通行できるようになる。
「やったね☆ これでやっと…!」
その時、視界が逆転して衝撃と激痛が走る。自転車があらぬ様子で拉げていた、人々の叫び声が聞こえる、一体何が起こったのだろうか…と麗奈は周りを見てみた…手に何かついている。麗華はそれにあまり動かない首を動かして視線を向けてみた……
(……血?)
言葉が何故かで無い。その為、頭の中で自分に問いかけた。何故自分が血を流しているか、何が起こったのか。もう何も考えられなかった……思考回路が働かない上に意識が遠退いて行く……。
(わ…私…し……死ぬの?)
胸中でそんな事を呟いてみるがどうにもならない。
そのまま…恐怖を抱きながら彼女の意識は深い暗闇の中に沈んで行った……
――こうして彼女の日常の終焉(終わり)は唐突に突き付けられ、一瞬にして奪われる。彼女に拒否権は……絶対に無い。
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