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ムーン☾クロニカルズ

22彗斗:2012/09/15(土) 01:21:28 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
五乃欠片 廃墟群の中で……
 ……ここはとある鉄骨で出来た廃墟群の中、人につい最近使われた形跡も手入れの後も無く、あちこちで蔦が伸び放題になっている……
 その廃墟に一人の少年がフラッといきなり現れた、その少年の服装や特徴と言えば紺碧の髪に黒色の礼服らしき服を着ていた。年齢は大体にして16辺りと言った所か。
 その男は馴れた足取りで廃墟の高い所まで昇った後、足場にしていた鉄骨に腰を下ろしたと同時に悲しげに一人呟いた。
「……護ってやれなかった……すまない、ノア……っ!!」
 ノアと言う人物の事を思い出したのかその少年は誰もいない廃墟で一人、大粒の涙を流して泣き伏せていた……
 とそこに、曇天の空からいきなり大粒の雨が降り注いだ。瞬く間に廃墟も、少年も雨に濡れてびしょびしょになってしまった
 大粒の雨と涙、どちらも同じ様に見えてしまうがこの少年にはそんな事はどうでも良かった。ただ、一人で静かに一人の人間を思っていたかったのだ。
「……一体どうして……僕の前から消え去ってしまったんだ!? 答えてくれ!! 『ルティール=ノア』!!」
 ルティール=ノア。その名前こそが、ノアと呼んでいる人物のフルネームだ。たった一人の大切な幼馴染を……護ってやれなかった。その後悔の念が今、彼を襲っているのだ。
 彼は……一体何を思い、考えているのだろうか……一体何があったのだろうか……その事については……彼自身にしか分らない。 
―――痛烈な泣き声だけが無情にも廃墟に木霊した……
〜〜〜〜〜〜〜
「はい。とうちゃ〜くっと……」
 一方で麗奈は人気が無く昼も薄暗い裏路地から人通りの多いこの町の中央通りに出て来た。今、この世界は昼になっているので誰も麗奈とムーンの事は見えていない。
「来てみたは良いけど……ここからどうすればいいんだろう?」
 麗奈はそのままジッと動かずに数十秒考えてから、ずっとここに居ても何も変わらないと判断してその人込みの中に溶け込んでしまった……


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