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ムーン☾クロニカルズ

18彗斗:2012/09/13(木) 22:53:51 HOST:opt-183-176-175-56.client.pikara.ne.jp
四乃欠片 異界への出発
 暫くの間、ずっと平謝りを続けたブライト。このレベルに達した時、流石に根負けしたのか麗奈が口を開いた。
「ま……仕方ないわね、一応許してあげる。でも……」
「でも……何だ?」
 麗奈はジッとブライトの顔の目の前まで詰め寄った後、脅す様な低い声音でこう言った。
「約束守らないなら……分ってるわよね?」
「はいっ! 分りましたっ!!」
 この光景を傍らで見ていたシャインは苦笑するしかなかった……
 だが、こんな所で苦笑している場合では無い。すぐさま真面目な表情を作り、ブライトは麗奈に言い聞かせる。
「一つだけ、注意事項がある。あちら側の世界では夜にしか君の姿は見えない。昼は姿は見えなくなって声だけになってしまうから周囲の人を驚かせない様にね。」
「ええ。肝に銘じておく事にするわ。」
 その言葉を待っていたようにブライトはニッコリとした表情で頷いた後、右の指をパチンと鳴らした。
 すると――――目の前にある開きもしない月光の門が月の色に光りだし独りでに開きだしたのだ!
「……で、最初の夢の欠片は?」
 麗奈はブライトにそう聞くと、ブライトは返事の代わりに一枚の紙を手渡した後、こう言い添えた。
「その紙に描かれている人物を……助け出して欲しい」
 一瞬、何を言っているのか分らなかった麗奈は顔をしかめてから再度、聞き直した。
「それって、どう言う事?」
「そのままさ。この絵に描かれている人物は……知らず知らずの内に欠片を所持しているが心を傷めているからそう簡単には渡せないだろう。それも、その心の傷は深い。」
 ブライトは、言った事を分りやすく麗奈に説明した。と言うよりは、肯定したと言う方が正しいのかもしれない。
 麗奈は理解出来たみたいだが、何となく納得していなかった。何とも言い難い神妙な顔つきになってうんうん唸っている……その様子を見たブライトは麗奈を何とか納得させようと一言だけ、言い添えた。
「まぁ、ここで唸ったって何も分んないんだろう? それなら実際に会った方が早くないか?」
 その言葉を聞いた時、ちょっとだけその気になったのだろうか、麗奈は納得した様な表情を作って「ま、バカが言ってる事が一理あるわね」と仕方なさそうに呟いた。
 その様子を見たシャインも二コリと笑って麗奈に合図を送った。
「……それじゃ、行ってくるわ」
「ウォン!」
 それだけを言い残して麗奈とムーンは月光の門を潜り、まだ見た事も無い未知の世界へと繰り出した……


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