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―ヤサシイコト―

7鳳凰:2012/08/26(日) 08:33:37 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
 ――1時間ほど前――

 紫呉は、施設の近くにある公園に脚を運んでいた。 公園には小さい子供が数人と、一人の男性がいた。 そうさっきの紫呉に殴られた男性だ。

 紫呉は、子供たちが楽しそうに遊具で遊ぶ姿を見て、小さく微笑みながら公園のベンチに腰掛ける。 遊具で笑いながら遊ぶ者たちは可愛い笑顔を作り、楽しそうにしている。

 「イデッ…!」

 何かが倒れる音と共に男の子のような声がした。 紫呉は声を上げた男の子の方に顔を向ける。 すると、半袖半ズボンの男の子が、男性の腰掛けているブランコの囲いの前で転んでいるところが見えた。

 「ダイジョーブ〜?」

 そんな男の子に、1、2歳ほど年上の姉らしき女の子が手を挙げながら、滑り台の方から男の子のところに走ってきた。

 「ウン、ヘーキだよ」
 
 「よかった〜…」

 男の子は女の子の方を借りて立ち上がる。 ここまでは仲の良い姉弟のごく普通のやりとりだ。 しかし、

 「おいガキ…」

 ブランコの囲いに腰掛けていた男性が男の子を睨みながら低くつぶやく。

 「なに人の靴に砂フッカケてんだよ。買ったばかりなんだぞ、これ」

 男性は、そう言うや否や男の子胸ぐらを掴んで宙に浮かす。 姉らしき女の子は、男性の足にしがみつき「はなして!」と訴える。 だが、男性は男の子を離すどころか、足にしがみついてくる女の子を蹴り倒した。

 その行為に、紫呉は目を見開く。

 「はなじで〜!!」

 女の子は泣きながら、もう一度男性の足にしがみつく。

 「タク、うっセーナー…」

 男性はキレたのか、男の子をパッと離し、女の子を殴ろうとした。

 「ッ―――!!」

 女の子はうるんだ目を閉じる。 だが、いつまでたっても男性の拳が女の子の顔には飛んでこなかった。 女の子は恐る恐る片目を開き、前を見る。 すると、そこには男性の腕を掴んだ紫呉がいた。

 「お前、なにすんだ「ガキいじめて楽しいか。あぁ゛?」

 紫呉は男性の言葉をさえぎる。

 「昼間っから御大層なことしてんじゃねえよ!!」

 そう言いながら、紫呉は硬い拳を男性の顔に飛ばした。


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