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―ヤサシイコト―

37鳳凰:2012/09/01(土) 21:12:09 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
 「ギシャァァァァァァァァ!!!」

 悪霊は施設寮を踏み壊しながら、悲鳴のような叫びを上げる。

 しかも、寮を壊しただけじゃ足りないのか、悪霊は施設の大広間を破壊しようと手を伸ばす。 大広間には、少ないとはいえ数十人の施設員たちがいる。

 悪霊はそんなことお構いなしに、皮のない手を拳に変え、赤い屋根の大広間に投げ離した。 

 「…司令官!大広間には…!!?」

 「……させるか…」

 添のざわめきに対して、紫呉の優しい声が返された。

 ゴゴゴゴゴゴッと音を立てながら、悪霊の拳は大広間に刻一刻と近づいていく。 そして、あと一瞬で大広間が潰されるという瞬間、悪霊の腕が消えた。 いや切り落とされた。 

 「………司令官…。一体どうなったんスカ…」

 その光景に目が追いつけず、添から疑問の声が放たれる。

 『……影楼と、あの逸れ者よ。一瞬だけ、だけど感じた。影楼の生気とあの子の生気が、混じった生気が…』

 水滸は腕を抑えながら巨大な悪霊を見る。 そしてもう一つ、大広間の屋根に片膝をつけながら座る紫呉の姿。 その紫呉の手には、形のはっきりしない黒い刃が握り締められていた。


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