―ヤサシイコト―

29：鳳凰：2012/09/01(土) 15:07:15 HOST:softbank220024115211.bbtec.net: 　――――

　「…っしま！！？」

　倉庫の屋根を押しつぶし、そのまま紫呉たちおも押しつぶそうとした手を見て、添は焦りの声を発する。

　『…そんな汚らしい手で私たちを押しつぶそうなんて……』

　驚きに満たさる、添と紫呉を他所に、水滸は手を前に突き出す。

　『考えないで！！！！』

　そう水滸が言うと雨が降り、湿った地面から飴玉ぐらいの水が浮かび上がり、一瞬にして刃に変わる。　そして、倉庫を押しつぶそうとした怪物に向かっていった。

　「ド、ッガ、ガガガガ、ズン！！！！！」

　水の刃が怪物の体に突き刺さっていく。

　「んだよ、…コレ……」

　『悪霊だ…』

　紫呉の疑問に影楼は静かに答える。

　「あく…れい……？」

　『この世に生まれてはならない悪行の者だ。まぁ、貴様はこの悪霊と人間の間に生まれたのだがな』

　影楼は、顎をさすりながら立ち上がる。

　「サンキュー、水滸！おい第１戦力！！」

　添は水滸に礼を言いながら立ち上がり影楼の名を呼ぶ。

　「そこにいる紫呉を連れて、時実司令官のところに行け！！！！」

　そう言われると、影楼は『無論だ』と言いながら紫呉の手を引き、倉庫を出て行った。

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