―ヤサシイコト―

25：鳳凰：2012/08/30(木) 18:36:29 HOST:i125-203-243-6.s41.a018.ap.plala.or.jp: 　今回は一瞬と言わず、数分ほどの沈黙を挟み、先に言葉を発したのは水湖。

　『な、な、な、な、な、何言ってんのよ、影楼！！！』

　ビスッと人差し指を影楼に向け、水湖は叫ぶ。

　『言った通りの事だが？』

　そしてケロッと返す影楼。

　『言った通り、って…。アンタ自分の言ってる意味、理解出来てんの！？この人間は、普通の人間じゃないのよ！ただでさえ契約するには器が居るのに、契約する相手が悪霊と人間の間に生まれた子供なのよ！！！分かってるの！！？』

　グッと身を乗り出し、水湖は影楼の胸ぐらをつかむ。

　『……貴様らが恐れているのは境界線―キョウカイセン―だろう。生憎と儂はそんなものを恐れた記憶はない。そもそも、貴様に儂の事をどうこう言う権利はないはずだ。大体貴様、なぜそこまで無気になる？貴様らしくもない』

　そう言われると、水湖は少々体を後ろに下がらせる。

　『まぁ、何だぁ、紫呉よ儂の……ブゴッ！！！』

　言葉の最後の鈍い声。　何が起こったか、紫呉が影楼の顎にアッパーを喰らわせたのだ。

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