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―ヤサシイコト―

15鳳凰:2012/08/26(日) 14:27:48 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
 玄次郎は目をキツくしながら悪霊を探す。 

 『……………』

 長い沈黙と焦りが続く。 皆が銃を構える「カチャ」という音が耳鳴りのように聞こえてくる。 そして、いつの間にか雨さえもが降ってきて、硬かった土の地面を柔らかくしていく。

 (一体どこだ。どこかから来る……)

 玄次郎か目を上下左右に器用に動かす。 それはその場にいる者、全員が同じだった。
 
 (クソ、どこにいるん「クソ親父、上だボケ!!」

 玄次郎はその声が耳に入ってきた瞬間、後ろの方に飛んだ。 すると、玄次郎が元々いた場所に2m弱はある骨と肉の固まりのようなものが飛んできた。

 「何やってんだよ、クソ親父!!老後控えてるジジィだからって油断してんじゃねえよ!!?」

 玄次郎は、文句が飛んでくる方を見ると、そこには息を切らせた紫呉がいた。

 「何で、お前ここにいるんだ!!」

 「助けてやった相手にその言葉はねぇだろ!感謝ぐらいしろ!!」

 紫呉は、寮と大広間をつなぐ廊下の窓から身を乗り出し、外に出る。

 「外には出るな!いいから大広間に行け!!」

 「遠慮させてもらう!!!」

 即答。 紫呉の性格から一筋縄では行かないのは知っているが今回は場合が違う。

 「クソ、河南!!紫呉を連れてけ!!!!」

 玄次郎は添に言い、「分かってますよ!」と言いながら、添は紫呉のところに走っていく。

 「大体だ!人のこと化け者だの何だの言いながら放置ってなんだよ!?残された俺は一体何だってんだ、えぇ!!悪霊だ魂霊だ言う前に俺のことを侮辱したことを謝れってんだよ!!!!」

 「だぁぁぁ!!ウッセーんだよ、バカ息子!!父親の言うことはしっかり聞け!!!反抗期か!!!!??」

 紫呉の反発言葉に玄次郎は噛み付く。

 「反抗期なんかとっくに通り越してんだよ、今の俺は確実にブチ切れてんだよ!!!!」

 「俺に切れてんのはわかるが、今は取り込み中だ!!後で話せ!!!!」

 親子ゲンカとはこんなものだが。 目の前になんとも言えない程の気色悪いものがあるのによくできるなと、皆は思う。

 「ふざけんな!ボンクラ頭クソ老後控えジジィ!!」

 ビスっと人差し指を突き立てて、紫呉は毒を吐き散らす。

 「だぁ、もうホントにあんたら仲良すぎだ」

 やっと、紫呉のところまで来れた添は、そう言いながら紫呉の腕を掴んで猛ダッシュでどこかに走って行った。

 「やぁぁぁと、どこか言ってくれたよ……さぁて、悪霊…」

 玄次郎は肉と骨の固まりと向き合う。


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