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―ヤサシイコト―

12鳳凰:2012/08/26(日) 11:54:11 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
 「…俺が……化け…者…」

 紫呉は、玄次郎から言われた言葉に絶句する。 玄次郎は、紫呉の手首を掴んだまま大広間まで歩いて行った。

 「…ど、どう言う意味だよ!親父!!俺が化け者って…」

 紫呉は、バッと玄次郎の手を振り払う。 玄次郎は、言うか言わないか考えたあとに、思い切った顔になって口を開いた。

 「生きている人間は、死後、魂霊―コンレイ―となる。だが10年以上経つと悪霊―アクレイ―となり、生きている人間に取り付き、寿命を縮ませるんだ」

 全く話についていけない紫呉。 魂霊だの、悪霊だの、一体何を言っているんだ。

 「ちょっと待てよ親父!!何の話だよ!大体、それが俺とどういう関係があるってんだ!!?」

 紫呉は苛立ちを隠せない。

 「…紫呉、お前わな……」

 玄次郎が言葉を続けようとした瞬間、

 『ウ゛ー、ウ゛ー、ウ゛ー』

 携帯電話が鳴った。 玄次郎は紫呉に説明するのを止め、携帯に出る。

 「俺だ、どうした?………なに!!?…分かった!」

 先ほどのようなやり取りだった。 玄次郎は、携帯を切ると紫呉と向き合った。

 「いいか、紫呉。この携帯を持って、大広間まで行け。そうすりゃあ、なんとか助かる!!!」

 玄次郎はそう言うと、紫呉を残し、一人どこかに走っていった。 残された紫呉は、今聞かされたことを精一杯、頭の中で整理した。 そしてたどり着いた答えは、

 「全く、意味がわからん」


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