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恋も喧嘩も素手で勝負!!
1
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/06(金) 20:02:20 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
はじめまして。ネコ・ヌコタンです。ネコって呼んでください。
この小説、皆さんお分かりだと思いますが恋愛とアクション込みのお話です。
アドバイスやコメントは大歓迎です。しかし荒らしはナシで…。
ということで、第1話行ってみようと思います!!
2
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/06(金) 20:38:29 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
と、その前に登場人物紹介
東谷 勝玲 SIGURE AZUMAYA 男♂ 主人公
泉河第1男子高校1年生。荒っぽく周りからは「一匹狼」と呼ばれている。趣味は料理。
雫沢 霙 MIZОRE SIZUKUSAWA 女♀ ヒロイン
泉河第1男子高校の1年生として間違えて転校してきた拳自慢の女子生徒。趣味は音楽鑑賞。
宮瀬 卓麻 TAKUMA MⅠYASE 男♂
泉河第1男子高校の1年生。勝玲の幼なじみ。腕に自信があり、よく勝玲とケンカしている(遊び感覚で)趣味は昼寝。
3
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/06(金) 21:23:07 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
第1話 主人公だって負けてなんぼだ…
東谷 勝玲(あずまや しぐれ)は泉河第1男子高校の1年生だ。泉河第1男子高校は喧嘩名人ぞろいの、ある意味名門高校である。毎日寝ても覚めても喧嘩、喧嘩。しつこいほど喧嘩している。
「行くぜ、勝玲――!!」
六月二八日。梅雨明け間近のその日、勝玲と宮瀬 卓麻(みやせ たくま)は拳を交えていた。
「おっしゃ来いや!卓麻!!」
色黒で茶髪の髪をした勝玲は右手と左手を拳に変え二カッと笑う。
「…いっつも思うが、あの二人よく喧嘩するよな…」
泉河第1男子高校の屋上で喧嘩をしている二人を見て津田 俊介(つだ しゅんすけ)は与島 葉桐(よじま はぎり)に話しかけた。
「いいじゃねぇか。『一匹狼』と『足自慢』の喧嘩は見てるだけでも、おもしれぇんだからよ」
葉桐も二人の喧嘩を見ながら言い張った。
4
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/06(金) 21:58:57 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
今出た「一匹狼」と「足自慢」とは、勝玲と卓麻に名付けられた二つ名だ。この学校の生徒は全員二つ名、もとい「学校内自己使用名」をもっている。
「そういや、『名前はがしの霙(みぞれ)』ってどうなったんだ…」
葉桐は何かを思い出したような顔になり、俊介に聞いた。
「あぁ霙ちゃん(みぞれちゃん)俺がナンパしくった可愛い子でしょ」
俊介はフフッと笑いながら言った。
雫沢(しずくさわ) 霙(みぞれ)。今日から三日前。雫沢 霙はこの男子校に手続き違いで転校してきた女子生徒だ。そんな霙に名付けられた学校内自己使用名が「名前はがしの霙」だった。
ここで今その話をしよう――
5
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/06(金) 22:53:52 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
三日前の午前一〇時三四分。泉河第1高校の1年3組の教室に長い髪をポニーテールにした女子生徒が入ってきた。女子生徒を見た生徒たち(勝玲、卓麻、俊介、葉桐の四名だけ)は驚きの顔しかできなかった。
{何故に女子生徒!?ここ男子校なんじゃ…。大体、ちょっと可愛くねっ!!}
四人の考えが重なる。
入ってきた女子生徒、雫沢 霙はバランスのとれた顔立ちをし、サラサラの髪をした見るからに可愛い顔をしている女だった。
「………めんどくさ……」
『お前今その顔でなんツーこと言った!!!!』
四名は声をそろえ叫んだ。
6
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/06(金) 23:33:44 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
――「って、ことで今日からこのクラスの一員になった雫沢(しずくさわ) 霙(みぞれ)です。多分短期間しか一緒になれないと思うんで顔とか覚えなくていいから」
霙は無愛想な顔つきで自己紹介をした。しかし聞いていた四名はとっくに気力をなくしグテ〜ンとしていた。
(つかなんだよこいつ。制服じゃなくて私服だし、最初っからここの正式生徒になる気0じゃねぇか)
勝玲は苛立たしくてしょうがなかった。
「あ、そうそうここの生徒って皆二つ名ってやつ持ってんでしょ。それって私も持てるの?」
霙は特に何にも考えていないというような顔で皆に聞いた。
「……ハハハ!!」
四人は一斉に笑いだした。
「?」
「お前そんなナリで二つ名持とうってか。女が何言ってんだか!」
葉桐はお腹を抑えながら笑いこける。
「霙ちゃん、そのジョークは面白いよ!」
俊介も葉桐と同じように笑いこける。
7
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/07(土) 09:06:55 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「…………」
笑いこける四人を見て霙も苛立ちを覚えた。
「……じゃあ…」
霙は小さく言うと右手を上げる。
「私がこの壁、一殴りでブチ抜いたら二つ名もらってもいいだろ?」
四人はその発言を聞いて息を飲んだ。
「お前それはいろんな意味で問題発言だぞ、転校生…!」
卓麻は冷や汗をかきながら霙に叫ぶ。
「問題?こんな問題児だらけの学校で起こる問題なんて特に問題じゃないだろ」
霙は悠々と言う。こんな女に壁がこわせるのか?皆はそう思った。
『ブンッ!!!!』
霙は手を引き壁を打ちぬこうとした。…だが…
8
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/07(土) 10:03:45 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「東谷――!!!」
霙が壁を殴る寸前、勝玲の名を呼ぶ声がした。
『あぁ゛?』
そこにいたもの全てがほとんど同じ声音で同じことを言った。
「見つけたぜ!こんなところで油売ってたとわな?」
声の男は教室の窓からニョキッと頭をだし勝玲を見つけると、そう叫んだ。
「前原(まえはら)じゃねぇか?」
勝玲は男を見るとその名を読んだ。
「俺のことはどうだっていいんだよ。今回はこの前の落とし前をきっちりするため…ブゴベラッ!!!!」
前原は勝玲に言いたいことをすべて言う前に生々しい声を上げた。
「一体どこの誰が私のやることの途中で口はさんでいいッつった!!このボンクラクソアホが!喧嘩売ってんのか!」
数秒ほどもどる。男が生々しい声を上げた時。男の顔面に霙の足が降りかかった。
9
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/07(土) 18:28:15 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「せっかく良いところだったのにてめぇなんちゅー事してくてんじゃボケ!お前に私の発言を中断させる権利なんざねぇんだよ!とり頭!!」
倒れた男の頭を踏み付けにしながら霙は怒る。
「…なんだ、この女…」
そんな光景を見て皆は唖然とする。
「……な………」
「あぁ゛?」
かすかに聞こえた声に霙は耳を傾ける。
「ふざけるなって言ってん……」
男はググッと顔を上げながら言う。
「…だよ!!」
そう言い男は勢い良く顔と体を上げた。
10
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/07(土) 19:20:50 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「さすが、、伊達にここの生徒してるってわけじゃねぇみてぇだな?」
起き上がった男を見て霙はそう言った。
「喧嘩売ってんのはお前の方だろうがクソアマ!てめぇ何様だ!!」
男はものすごい剣幕で怒鳴り散らす。
「叫んでんじゃねぇよ。鼓膜が壊れる。つか黙ってろカス」
そして言葉を返すように霙も暴言を吐く。
「あぁ゛てめぇ喧嘩売ってん…」
「うっせーんだよ!喧嘩売ってんのはお前だろうが!なんなら買ったろか!!?」
霙は話を遮ってまで暴言を吐く。
11
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/07(土) 19:54:54 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「あぁ、タンマ、タンマ!チョーとストップ!前原君も女の子なんかにきれるの止めなって」
二人を仲裁したのは俊介だった。俊介は霙の脇に手を通しこれ以上霙が男に近づかないようにする。
「何しやがる、クソ野郎!止めんじゃねぇよ!」
霙は顔を俊介に向けながらまた怒鳴り散らす。
「いや、だってこれ以上喧嘩したら僕らにだって被害でちゃうじゃん。僕喧嘩の方は自信なくてさぁ」
俊介はそう言いながら力ずくで霙を下がらせる。
「それに前原くんがここに来た理由って一匹狼君に用があるからでしょ?それなのに転校生の女の子が他の人の喧嘩買っちゃダメだよ」
いつもは笑って閉じている目をうっすらと開けながら俊介は霙に言う。
「おま…」
「はい、ってことで一匹狼君ヤっていいよ」
俊介も話を遮り、勝玲を見た。
12
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/07(土) 20:14:00 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「う、あぁ…」
戸惑いがちにも返事をする勝玲。
「ってちょっと待て!私はまだ喧嘩を止めるなんて一言も言ってねぇぞ!」
まだ霙は落ち着かない様子だ。
「……ワリィな転校生…」
フッと笑いながら勝玲はそう言い残し男に向かっていった。
(………フッザケンじゃ……)
「ハハッ!この『手段無し』に無防備で来るか!まぁ良いがな!!」
男は笑いながら言うのだった。
13
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/07(土) 20:29:56 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
手段無し。それは男もとい前原の二つ名だった。どんな手段も選ばない。勝てば良い。そんなことから、男は手段無しという二つ名を設けられた。
(フザケンナ、ふざけんな、フザケンナ、フッざけンじゃ…)
止められている霙は頭の中で同じ言葉をつぶやく。
「おい、勝玲!手段無しに無防備に近づくんじゃねぇ!何するか分かんねぇぞ!」
(ワーってるよ。だが今のこいつはどこにも何も隠してねぇ。無防備はあっちの方だ)
卓麻の助言を振り切りながらも勝玲は男に小走りで近付いて行く。
「……二ィ…」
そしてなぜか男は不気味な笑みを浮かべた。
14
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/07(土) 20:41:48 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「!!」
それを見た霙は何かに気が付いた。
「ドォン!!」
「いっつ!」
そして霙は俊介の腹を弱気で蹴り飛ばした。
「一匹狼!そいつの足元を見ろ!」
霙は勝玲に叫んだ。
「!!?」
勝玲は言われたとおり男の足元を見る。そこには金属バットが転がり、男はそこバットの持ち手の部分を踏んでいた。
「そう言うことか…!」
勝玲は今更のように後悔する。
15
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/07(土) 21:02:50 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「おっセーんだよ!東谷!!」
そう叫びながら男はバットを踏み起こし、先の部分を手に取り、取っ手を手で持った。
(しまっ…!!)
男はバットを勝玲の頭に振り落とす。
「ドゴォン!!」
鉛のような音がし、そこにいたものは息を呑んだ。
16
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/07(土) 21:26:41 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「ッ―――いっテーんだよとり頭…!」
そして、皆の目に映った光景は一体先ほどからどんなことが起こったんだと言うような光景だった。
「転校…生…」
勝玲は呟いた。目の前で起こっていることに現実味が全くなかったからだ。
皆の目に映ったもの、それは、霙が片腕で振り落とされたバットを受け止めている。という光景だった。
「…喧嘩ってもんは、拳と拳を交える、言っちまえばスポーツだ。真剣なんだよ。それなのに拳じゃなく物を使うなんて男の‥イヤ漢(おとこ)片隅にも置けねぇ…」
霙はもう片方の手でバットを掴む。
「転校初日で二つ名も決まってないが今はそんなこたぁどうでも良い…まずは…」
霙も男と同じように二タァと笑い男と目を合わせる。
17
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/07(土) 21:44:23 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「てめぇの二つ名を綺麗さっぱり剥ぎ取らせてもらうぜ!!」
――「っで、あの後二人揃って病院行ったんだっけか?」
屋上で喧嘩をしている勝玲と卓麻を見ながら葉桐は思い出していた。
「うん。っでそっからは会ってないんだよねぇ。いやんなっちゃって登校拒否とか?」
俊介は笑いながら言う。
「…一体どこの誰が何に嫌んなって登校拒否になったって〜…」
そんな俊介の後ろに邪悪な気配と超低音の声がした。
「って、霙ちゃん!」
「話は大方聞かせてもらった。だが、私は一度としてお前にナンパなんという下当主のやることなんざされてないぞ」
いつから居たのか。こいつは忍びか。そう言いたかったものの、俊介も葉桐も聞かないで違うことを聞いた。
18
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/07(土) 21:56:41 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「お前今までどこに…」
葉桐が中途半端に聞くと霙はキリッとした声で答えた。
「いや、あの後病院に行って検査したら骨にひび入っててよ〜、入院ざたになっていろいろしてたら時間かかっちまったんだよ」
全く何にも変わっていない口調。
「っあ、だからその手なの!」
ビシッと指を突き出しながら俊介は言った。なぜそんなことを言ったのかというと、霙の片腕が包帯でグルグル巻きにされていたからだ。
「あぁ。で、あの私がボコった男は今んところ入院中」
霙は苦笑しながら説明する。
19
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/07(土) 22:25:50 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「だがこの喧嘩は、なんだ?一匹狼すんごい真面目に戦ってるじゃないか?」
二人の喧嘩っぷりを見て霙はそう言う。
「あぁ、あれ?ほらこの前手段無し君と喧嘩して霙ちゃんに怪我させたじゃん?あのバットに気づけなかったことは自分の負けだって言ってこう毎日喧嘩してるんだ」
俊介はまた笑う。聴かされた霙は何も言わずに喧嘩風景を見た。
「喧嘩に敗北はつきものだろうに…」
そう呟く霙。
「あぁ。だが、一匹狼を名乗る東谷にとって敗北は無念だろうよ。そりゃあ少しは落ち込むだろ」
葉桐も乱暴そうな口調で話した。
『サァ―――…』
静かに風が吹き霙の髪をなびかせる。
「人とは、負けてナンボの生き物だというのにな…」
霙は静かに言い青い空を見た。
Ⅰ主人公だって負けてなんぼだ… end
20
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/07(土) 23:00:50 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
第2話 勝玲の朝練。卓麻との誓い。
7月に入ったある日。東谷 勝玲(あずまや しぐれ)は朝早く外に出ていた。
勝玲は薄いスポーツジャージの帽子をかぶり泉河町にある堤防の橋を走っていた。
特に息切れをしないで橋を渡りきる。中学に入ったときから体力作りでやっていることだからもう慣れてしまったのだろう。
(甘ったれた覚悟なんかで一匹狼なんつー名前を語ってるわけじゃない……だが…)
勝玲はそう思いながら走り続ける。
(…足りなかった…!!!)
心の中でそう叫ぶ。
(勝つっていう覚悟も、誰も巻き込まない覚悟も…全部…)
昨日のことから改めて勝玲は思うようになった。一匹狼という学校内自己使用名をもらった時から強く覚悟を心に刻んできた。
(…足りねぇ。俺には全く足りなかったんだ…。一匹狼の名を持つ覚悟が…)
一匹狼。裏返せば、孤独という意味になる。それを背負っていくには生半端な覚悟や思いなんかでは無理だ。
21
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/07(土) 23:23:22 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「ッハ…ッハ…ッハ…」
家から1kmほど離れたところでやっと息も切れてきた。
勝玲は、泉河運動場の中に入り木造の縦長椅子に腰掛けた。
「…ッハ……ハー」
勝玲は深く深呼吸をする。
「…………」
何も言わないで勝玲は首にかけていた汗拭きタオルで顔をふく。
「あいつ、なんつったっけ…?」
頭の中で先日手続き違いで転校してきた雫沢 霙(しずくさわ みぞれ)の顔を浮かべる。
「雫沢 霙だろ?」
「っあ、そうそう。雫沢…って何で卓麻がここにいんだ!!?」
勝玲の座っていたところのすぐ真横に友人の宮瀬 卓麻(みやせ たくま)が勝玲と同じような格好をして座っていた。
22
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/07(土) 23:42:33 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「いや?俺も朝練?」
ベンチの背もたれに手をかけながら普通に答えた。
「朝練って…。お前いつからしてんだよ?」
驚きながらも勝玲は卓麻に聞いた。
「今日から」
「お前の思考回路っていっつもおかしいよな?」
卓麻の発言に勝玲はシビアなツッコミを入れる。
「つか、お前まだこの朝練続けてたのか。3日坊主のお前のことだからとっくに諦めてると思ってたよ」
「俺は一度として事を3日で終えたことはないぞ」
お前じゃあるまいし、という言葉を付け加えて勝玲はまたシビアなツッコミをかました。
「ハハハッ!悪い悪い!…いや、だが今日はいつもより本気で走ってたろ?」
卓麻は真面目な口ぶりでそう言った。
23
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/08(日) 08:37:01 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「…………」
そう言われ、勝玲は黙る。
「…卓麻は『足自慢』って名前をもらった時、どんな気持ちだった?」
勝玲は指と指を交互にしながら聞く。
「ん、俺?別にお前ほど悩みはしなかったぜ。まぁ、初めてこの名前聞いた奴は逃げ足の速い奴って思うことが多かったからよ、そこら辺はまぁおいおいと済ませたけどよ」
卓麻は笑いながら言う。
「卓麻って蹴る力が人一番強いから『足自慢』なんツー二つ名もらったんだからな」
勝玲も笑いながら言うのだった。
24
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/08(日) 09:46:20 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「まぁな…」
卓麻は立ち上がりながら呟いた。
「っさ、朝練続けっぞ!どうせこんまま登校ギリギリまで走んだろ?付き合うぜ」
勝玲はそんな卓麻を見てうっすらとした笑みを浮かべ立ち上がった。
「ワリィ…」
また苦笑いを浮かべながら勝玲は卓麻の顔を見た。
25
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/08(日) 10:32:30 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
――先ほどから時間が少し経ち、午前六時丁度。勝玲と卓麻は泉河太陽ガ丘に来た。ここは、サッカーの練習に使われたり、子供の遊び場になっていたりもしている。
「いつもならサッカーの朝練が始まってる時間のはずなんだが誰もいねぇな」
泉河太陽ガ丘の運動場を見ながら卓麻は言った。確かにこの時間帯は、近くにある小学校のサッカー部が練習している時間のはずなのだが、誰も居なかった。
「いいんじゃねぇの。それよりよ、卓麻…」
勝玲は卓麻に背を向けながら呟くように言う。
「やるぞ!!」
叫ぶかのように勝玲は言った。この言葉は、喧嘩をしようと言っているのだ。
「……ハー…やるか!!」
卓麻も乗り気で叫んだ。
26
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/08(日) 13:44:16 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「おりゃぁぁぁぁあ!!!!」
勝玲は叫びながら拳を卓麻に向ける。
「しゃぁぁぁぁぁぁ!!!!」
卓麻も叫びながら足を構える。一体この朝っぱらから二人は何しているんだと思うものの方が多いかもしれないが二人はいたって真面目だ。
「ドゴン!」
「バキ!!」
「ガゴン!!!」
「ゴォン!!!!」
もの凄い音を立てながら二人は殴り合い(蹴りも込)をしている。
27
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/08(日) 14:01:48 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「ッハァ…カハ……ケホ………」
一息ついたところで勝玲は口に手を当てながら咳をする。
「ゴホ…ゲホ……ガハ…」
卓麻も同じように咳をする。
『バタ…!!』
そして二人同時に背中から地面に倒れこんだ。
「ッハ、ッハ……ヤッパお前と喧嘩すんのは楽しいわ…!」
顔にびっしょりと汗をかきながら勝玲は言う。
「…カハ……俺も…同感…!」
卓麻も息を荒らしながら言った。
28
:
ピーチ
:2012/07/08(日) 14:34:31 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ネコ・ヌコタンさん>>
初めましてー(^0^)
最初から読んでたけど面白いよ!
喧嘩ってあたし結構好きだな♪←読むのがww
更新待ってるねー♪
29
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/08(日) 14:41:43 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
ピーチさんへ
初めてのコメントありがとうございます!!とても嬉しいです!!
私は恋愛系の方が好きなんですけど、恋愛だけじゃ暇だと思って喧嘩も込にしました。
これからも頑張っていこうと思うので応援よろしくです!
30
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/08(日) 14:58:10 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「なぁ卓麻…」
「捨てるなんて言うなよ……」
「!!?」
勝玲は驚きで即座に起き上がる。
「一匹狼の名をもらった時からお前は一人で頑張ってきたじゃねぇか。大多数が相手でも、相手が武器を持っていようとも…それなのに今更名前を捨てるなんて言うんじゃねぇぞ」
卓麻もゆっくりと起き上がりながらきつい目つきで言った。
「………ワリィ…」
俯きながら勝玲は謝った。
「謝んなよ…」
卓麻は静かに言う。
「ワリィ…」
「謝んナッツってんだよ」
「ボカン!」
「いった…!!」
謝った勝玲に反発して卓麻は勝玲の頭に拳を投げた。
31
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/08(日) 15:25:33 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「卓麻、てめぇ!なんで殴んだよ!!いってぇじゃねぇか!!!」
頭を抱えながら勝玲は訴えた。
「謝んなっつってんのに謝るからだよ」
ベー(・┰・)と舌を出しながら卓麻は言い逃れの言葉を発する。
「てんめぇ〜……」
怒りを込め、拳を作りながら勝玲は卓麻に言った。
「大体、あんな事で落ち込むようじゃ雫沢に名前剥がされっぞ」
その言葉は勝玲の思考回路を揺るがす言葉だった。
「あれから手段無しは武器なんて使わなくなったし、名前剥がしは伊達じゃねぇって事だ。お前もいつか剥がさるかもしねぇんだから油断すんなよ〜」
悠々と言う卓麻を見て勝玲は怒りを感じた。
32
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/08(日) 15:37:49 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「わーてるよ!だけどそう言うお前も名前剥がされるかもしれねぇから気をつけろよ」
少し怒りを込めて勝玲は忠告をする。
「分かってるよ。…だが俺たちの名前は女なんかに、ましてや仮生徒なんかには死んでも剥がされる訳にはいかねぇ。これは全員同じだ」
卓麻にとっては珍しい、真剣な顔で主張した。
「あぁ。わかってる…」
勝玲も真剣な顔で答える。
33
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/08(日) 15:50:30 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「…勝玲……」
俯く勝玲に卓麻は言う。
「絶対、あんな奴には負けねぇぞ…!!」
卓麻は拳を突き出す。
「……おう…!!!」
勝玲も拳を突き出し卓麻も拳とくっつけた。
そして二カッと笑い約束した。
Ⅱ 勝玲の朝練。卓麻との誓い。 end
34
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/08(日) 16:27:33 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
第3話 名前剥がし動く!告白込みの戦い!「一匹狼など捨てろ!!」
「暑、くそ暑、蒸し暑!!」
泉河第1男子高校の1年3組の教室で東谷 勝玲(あずまや しぐれ)は誰のか分からない椅子の背もたれに凭れかけていた。
「同感だ…。大体なんだこの蒸し暑さは…。異常気象だろ…!」
「お前はその蒸し暑そうなトレーナーを脱げ。その服が尚更俺たちの蒸し暑さを高める」
勝玲は手続き違いで転校してきた雫沢 霙(しずくさわ みぞれ)にツッコミをかます。まぁ30℃を超えているかもしれない日に部厚そうなトレーナーを着ていれば見ている方だって蒸し暑くなるだろう。
「仕方ないだろ、この下シャツしか来てないんだから」
「男子校通ってるからって男っぽいことしてんじゃねぇよ女子」
そしてまたシビアなツッコミを入れる。ただの漫才コンビだろ。と皆は思うがやっている本人達にそんな感覚はない。
「へ〜。霙ちゃんその下シャツだけなんだ…じゃあ暑いしこのさ…」
「ほざくなボケ。殺すぞてめぇ」
ギロッとし為には全く合わないニッコリ笑顔で霙は脅迫感覚で津田 俊介(つだ しゅんすけ)に言う。
35
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/08(日) 16:42:15 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「つーか、お前。すんげぇ俺たちに馴染んでねぇか?」
手を縦に動かしながら、仰いでいる霙に宮瀬 卓麻(みやせ たくま)は聞いた。
「だって、PTAに連絡したら返ってきた一言に反発しちまって、ちゃんと、手続きをするのが先送りになっっちまったんだよ…!!」
怒りながら霙は卓麻の問いに応えた。
「なんて言われたんだよ?」
そんな霙に与島 葉桐(よじま はぎり)は聞く。
「『すまん、忘れてた…』って…」
『そりゃ、怒るわな…』
霙の答えに全員同じリアクションの答えを発した。
36
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/08(日) 16:56:36 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「つーか、一匹〜。暑いし喉渇いたからジュース買ってきて〜」
「話の意図がわからん!大体一匹ってなんだよ!!」
ねだる霙にもまたまたシビアなあツッコミをかました。
「だって私まだお前らの名前聞いてないもん。グチグチ言う前に名前教えろよ」
今度は服をパタパタさせながら皆に言う。まぁそれもそうだったので誰も何も言わないで自己紹介を始めた。
37
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/08(日) 17:14:51 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「僕は津田 俊介。二つ名は『平手』だよ。っで、自己紹介ついでにメアドとか…」
「次言ったら平手で、その顔面往復ビンタしてやる」
このコンビも少しは受ける漫才をするものだ。
「まぁこいつはほっといて…。俺は与島 葉桐。二つ名は『冷着』だ」
葉桐も服をパタパタとさせながら自己紹介をする。
「んで俺は宮瀬 卓麻。二つ名は『足自慢』だ。言っとくが足が速いとかではないからそこらへんは分かれよ」
卓麻は注意事項込で自己紹介をする。
「…………東谷 勝玲……」
「おまんめっちゃ無愛想やん…」
ベタな大阪弁で、今度は霙の方がツッコミをした。
38
:
ピーチ
:2012/07/08(日) 17:21:14 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねこさん>>
ありゃりゃ・・・霙ちゃん凄いね〜←ある意味ww
この前思ったけどさ、名前剥がしって凄い二つ名だね〜・・・
39
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/08(日) 17:32:55 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「大体『てん』いくつ使ってんだよ。やるなら普通に自己紹介しろや」
霙は地面の上であぐらをかきながら勝玲に言う。
「ウッセーよ。『てん』使ってんのは作者自身だから俺には全く関係ねぇよ」
ここで作者(もとい私)を出すのはいただけないが、まぁそこはおいおいと…。
「っま、イイけどよ〜。…勝玲って馬鹿だろ?」
「お前喧嘩売ってんだろ」
確かにこの一言はきれる。
40
:
ネコ・ヌコタン(=‘ב=)
:2012/07/09(月) 18:12:36 HOST:i125-203-189-31.s41.a018.ap.plala.or.jp
ピーチさんへ
返事遅くなってしまい申し訳ありません!
あと、お話に戻りますがこの名前はそのうち変えるって設定にしてます。
いろいろ考えて恋愛系にはこの回で持ち込めると思っているので楽しみにしていてください!!
41
:
ネコ・ヌコタン(=‘ב=)
:2012/07/09(月) 18:39:03 HOST:i125-203-189-31.s41.a018.ap.plala.or.jp
「いや、別に。一匹狼に喧嘩売ってもひまじゃん。大体お前の名前って剥がしずらいし」
シレッと言う霙。勝玲は心のどこかで「よっしゃ…!」と思いながらグッとこぶしを握る。
「あっ!。今フト思ったんだけど!もし二つ名が卓麻みたいなのだったらどうするの?剥がしようないじゃん」
俊介はハッと我に返ったような顔になって霙に聞く。
「そういう場合は拳を使わせて勝たせる!」
キリッとまじめな顔で言ったが、皆は言葉の意味が理解できなかった。
「つまり、なんだ〜…。お前は拳で勝たせるために、わざと負けるってか?」
嘘を聞くような気分で卓麻は霙に聞いた。
「あぁ。その方法しかないじゃないか」
馬鹿だ。さっき自分で勝玲に「勝玲って馬鹿だろ」とか言っておきながら…。皆は同じ思いを胸に抱く。
「アホくさ…」
勝玲はソッポを向きながらそう呟いた。
42
:
ネコ・ヌコタン(=‘ב=)
:2012/07/09(月) 19:10:04 HOST:i125-203-189-31.s41.a018.ap.plala.or.jp
「あぁ゛…。てめぇこそ喧嘩売ってんだろ。なんなら買ってやるぞ…!?」
「上等だぁ。女に負ける様な俺に見えるか…?!」
霙の言葉に勝玲は低い声で答える。
(挑発に乗ってんのはどっちなんだ…)
(一匹狼も足自慢だけじゃ暇か…)
(やっぱり人の喧嘩って面白い)
それを見て卓麻、葉桐、俊介の3人は同時に考えた。
「十分見える!はっきり見える!私にはお前が最弱に見える!!」
自信満々に言い張る霙。
「女がいきがってんじゃねぇよ!喧嘩買ってやるからこっち来いや!」
勝玲は怒りながら霙と顔をくっつける。
「上等だぁ〜。何処へだろうと言ってやろうじゃねぇか!」
バチバチと火花を散らしながら二人は喧嘩を始めようとしていた。
43
:
ピーチ
:2012/07/09(月) 20:08:42 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ネコさん>>
おわっ!一匹狼君凄い・・・←なぜに二つ名w
最弱って・・・霙ちゃんもはっきりゆーねーw
44
:
ネコ・ヌコタン(=‘ב=)
:2012/07/09(月) 20:37:25 HOST:i125-203-189-31.s41.a018.ap.plala.or.jp
ピーチさんへ
霙は口が悪いっていう設定は、その方が恋愛の方に行ったあとでどこかしっくりくる!気がしたのでそういう感じにしてみました。
ほんと私自身もはやく恋ばなっぽくしたいと思ってるんですよ。なので早く話を進めようと思ってます。
45
:
ピーチ
:2012/07/09(月) 20:50:14 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ネコさん>>
あーねw なるほどーww
・・・あたしあんまり恋ばなは興味ないなぁ、そこまで←ごめんね・・・
46
:
ネコ・ヌコタン(=‘ב=)
:2012/07/10(火) 17:50:47 HOST:i125-203-189-31.s41.a018.ap.plala.or.jp
ピーチさんへ
まぁ恋ばなに興味無くても喧嘩話の方がメインでもあるので、いろんな角度から読んでくれると嬉しいです。
あと、次からはもうタメ口でよろしくです!
47
:
ピーチ
:2012/07/10(火) 18:27:00 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ネコさん>>
あー、なーるほど!喧嘩の話は結構好きww
うん!フツーにタメで!
48
:
ネコ・ヌコタン(=‘ב=)
:2012/07/10(火) 18:45:14 HOST:i125-203-189-31.s41.a018.ap.plala.or.jp
―――そして場所は変わり泉河第1男子高校の屋上。
「逃げんなら今だぜ雫沢!」
屋上のど真ん中で腕組をしながら勝玲は叫ぶ。
「それはこっちのセリフだ!私に喧嘩を売った事を謝んのは今だぜ一匹!!」
勝玲から2mほど離れたところで霙も叫ぶ。まるで戦国時代の戦い前に名前を言うかのように。
「おんもしろくなってきた〜!!」
そんな光景を見ていた俊介は屋上のすみで笑いながら呟いた。
「でたよ。俊介のドS顔。…だが、俺もこの喧嘩は見ていて損じゃねぇな…」
俊介の横で屋上の網がねに寄りかかっている葉桐も呟くように言った。
「っさ、どっちが勝利を掴むか…」
あくまでクールな顔立ちで卓麻も呟く。
『ヒュオォォォォォォォー…』
そしてタイミング良く大きな風が吹く。
49
:
ネコ・ヌコタン(=‘ב=)
:2012/07/10(火) 18:51:12 HOST:i125-203-189-31.s41.a018.ap.plala.or.jp
ピーチへ
喧嘩の話は私も好きだよ!だけど自分で書くのが一番好き!(下手だが…)
でもピーチに読んでもらってるから少し自信湧いてきたんだ!
これからも応援とかコメントよろしく!!
50
:
ネコ・ヌコタン(=‘ב=)
:2012/07/10(火) 19:50:23 HOST:i125-203-189-31.s41.a018.ap.plala.or.jp
『バッ!』
『ダッ!』
二人は同時に前に走って行った。
『バゴッ!』
『ボゴッ!』
そして二人同時に相手の頬に硬い拳を投げつける。
「うお…痛そう…」
自分がやられている訳でもないのに卓麻は片目をふさいで言う。
51
:
ネコ・ヌコタン(=‘ב=)
:2012/07/10(火) 20:30:34 HOST:i125-203-189-31.s41.a018.ap.plala.or.jp
相手が自分の拳を喰らえば、自分も喰らう。よけられる隙があってもよけない。弱い殴りは絶対しない。まるで男同士の喧嘩だ。
勝玲は勝玲で相手が女だということに気付いていないかのようだ。逆に楽しんでいるかのように、笑っている。
霙の方も楽しんでいるように口角を上げている。
「お前、女の割にいい拳じゃねぇか……!!」
笑いながら勝玲は霙を褒める。
「あんがとよ…!だがお前は二つ名の割に大した拳じゃねぇな…!」
笑いながら霙は勝玲にケチをつける。
52
:
なめ
:2012/07/10(火) 21:35:11 HOST:115-39-93-225.mie1.commufa.jp
どうもです!
読ませていただきました!
とても、おもしろかったです!
良ければなんですか、またなめの作品も見てくださったら嬉しいです!
リミットです!
よろしくお願いします。
53
:
ピーチ
:2012/07/10(火) 22:10:31 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ネコさん>>
すごっ!マジやばい・・・
あたしが書いてるのなんかとは違うよねやっぱ、上手な人ってww
54
:
ネコ・ヌコタン(=‘ב=)
:2012/07/12(木) 17:19:56 HOST:i125-203-189-31.s41.a018.ap.plala.or.jp
なめさんへ
コメントありがとうございます!
絶対なめさんのお話読ませていただきます!!
ピーチへ
ほんといっつもコメントありがとう!
これからも頑張っていくから、応援よろしく!!
55
:
ピーチ
:2012/07/12(木) 17:42:16 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
ネコ>>
↑何か省略したw
うんっ!だって面白いもん!
是非頑張って!!
56
:
ネコ・ヌコタン(=‘ב=)
:2012/07/12(木) 17:46:55 HOST:i125-203-189-31.s41.a018.ap.plala.or.jp
「言ってくれるじゃねぇかクソ野郎…!」
硬い拳を霙の頬にぶつけながら勝玲は言う。
「言うに決まってんだろ…!女ですから…!!」
霙も硬い拳を勝玲の腹にぶつける。
「二人どっちもガード無しのぶつかり合い!どんどん面白くなってきたーー!!」
俊介は両手をグーにしてブンブンと縦に動かす。
「さて、どっちが勝つ……!!?」
腕組をして見ていた葉桐は何かに気付いて言葉を続けなかった。
57
:
ネコ・ヌコタン(=‘ב=)
:2012/07/12(木) 17:49:20 HOST:i125-203-189-31.s41.a018.ap.plala.or.jp
ピーチへ
了解しました!
絶対完結まで持っていくからね〜!
58
:
ネコ・ヌコタン(=‘ב=)
:2012/07/12(木) 18:18:03 HOST:i125-203-189-31.s41.a018.ap.plala.or.jp
『ボォォゴン!!』
二人が同時に拳を相手の頬に当てた音が響く。
「………っお、ホントにやってるよ…」
ゆらゆらと体勢を直す二人を余所に屋上のドア部分から少し高い男の声が聞こえた。
「誰だぁ……?」
霙は腕で口から出る血を拭いながらドアを見て呟く。そこには金髪の男と数人の男たちが居た。
「『手組』お前何しに来た…」
勝玲は怒りながら低い声で言う。
『手組』は泉河第1高校の中で自分を中心にして仲間をつくる2年生の尾田 満(おだ みつる)だ。
59
:
ネコ・ヌコタン(=‘ב=)
:2012/07/12(木) 18:30:52 HOST:i125-203-189-31.s41.a018.ap.plala.or.jp
「何しにって、決まってんだろ?…」
尾田はニッと笑いながら手を腰に当てる。
「お前らを潰しにだよ…」
尾田の後ろに居た者達が全員手にバッドを握る。
「……たく…」
「めんどくせぇ…」
二人は息ピッタリに愚痴を放つ。
「あぁ、もう!面白い喧嘩に間ぁさしちゃって!!」
俊介は頬を膨らませながら二人の方に歩いて行く。
「止めとけ、津田。これはあの二人の喧嘩だ。見物人の俺らが今手ぇ出したら、あいつに良い事なんか在るか?」
そんな俊介を卓麻は止める。
60
:
ネコ・ヌコタン(=‘ב=)
:2012/07/12(木) 18:47:38 HOST:i125-203-189-31.s41.a018.ap.plala.or.jp
「おい、雫沢。お前は下がれ。ここは俺一人でやる」
勝玲は霙の前に出ながら言う。っが、
「や―なこった。」
即拒否。
「……あ゛…」
勝玲は低音の声で聞きかえす。
「誰がお前の言う事聞くかよ。てめぇは何様だ。一人で何でも背負うヒーロ気取りのカッコつけボーイかよ」
逆に前に出ながら霙ははっきりと言う。
「それは喧嘩続行の言葉とみなしていいのか、雫沢?」
目の下に黒い影を作りながら勝玲は霙を見て言った。
「……一人で何でも出来るって思ってんなっつってんだよ…」
霙はイヤイヤな顔をしてそう呟いた。勝玲は目を大きくして、それ以上何も言わなかった。
61
:
ネコ・ヌコタン(=‘ב=)
:2012/07/12(木) 19:02:37 HOST:i125-203-189-31.s41.a018.ap.plala.or.jp
「……ん〜、あ゛。分かったよ!だが俺がやる相手を奪うんじゃねぇぞ!」
勝玲は頭をかきむしる。
「男はクールじゃないと…」
顔を後ろに向けながらそう呟く。
「行くぞ、おめぇら!!!」
尾田は後ろの者達に叫び散らしながら言い、二人に向かって走って言った。
「行くぜ、雫沢…」
スルリと霙の前に身を乗り出し勝玲は拳を構える。
「だからお前は何様何だって聞いてんだよ」
不敵に笑いながら霙も拳を構えた。
62
:
ネコ・ヌコタン(=‘ב=)
:2012/07/12(木) 19:43:01 HOST:i125-203-189-31.s41.a018.ap.plala.or.jp
―――「うひゃ〜。すごいね。さっきの喧嘩より面白くなってきちゃった!!」
尾田軍VS勝玲&霙の喧嘩が始まって約5分ほど経つ。だが、その5分間の間に尾田軍の大半は屋上のひんやりとした床にうつ伏せ状態になっていた。
「しかも、何だあのコンビネーション…。まるでシンクロだな」
たった二人VS10人以上の男、だと言うのに勝玲と霙が尾田軍を押している理由は、勝玲と霙の動きが息ピッタリだからだ。背中を合わせ、時には二人同時に振り返り、相手を倒していく。
「おい!雫沢!背中ぶつけんな!うぜぇんだよ!」
前の相手を蹴り倒した勝玲は顔を霙に向けながら怒鳴る。
63
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/13(金) 21:34:59 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「ウッセー!お前だってさっきから私の足、蹴ってんだよ!!」
霙も顔を勝玲に向け、怒鳴り散らす。
「んなこと知るか!文句つけんなら引っ込んでろ!!お前はお呼びじゃなんだよ!!!」
一人の男を蹴り飛ばしたあと、勝玲は霙に叫ぶ。
「お呼びじゃねぇのはお前の方だっ!そこら辺でブルブル震えてやがれ!一匹ネズミ!!」
霙も一人の男を蹴り飛ばして勝玲に叫ぶ。
「あぁ゛!てめぇ喧嘩売ってんのか!!?」
ガッとみぞれの胸ぐらえを掴んで勝玲は怒る。
「売ってるってさっきから言ってんだろうが!!なんならその耳カポッジってもっぺん言おうか!あぁ゛!!」
霙も同じく勝玲の胸ぐらを掴んで怒鳴る。
64
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/13(金) 21:47:46 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「お前等、何勝手にもめてんだ!!」
そんな二人に尾田は金属バットを上げながら襲いかかってきた。
『ウッセーーーー!!!!!!』
声を揃え二人は尾田の顔面に拳を思いっきり投げた。
尾田軍は全滅した。
「ヒュ〜…。手組敗北…っか」
口笛混じりに笑いながら卓麻は呟く。
「まだあいつらの喧嘩は終わってないみたいだけどな…」
65
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/13(金) 21:54:17 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「おら、こいや!雫沢!」
まだ、
「望むところだ!」
この二人の喧嘩は終戦していない。
『おりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!』
第2ラウンドの開幕だ。
66
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/13(金) 22:10:03 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
――――『ドンッ!!!!』
第2ラウンドが始まって20分ほど経ったあと、二人は同時に屋上の地面に倒れ込んだ。
「カハ…ッハ…ヤベェ…チョウイテェー……」
倒れ込んだ霙は苦笑しながら言う。
「ッハ…どう…かん……だ…」
勝玲は顔に汗をびっしょりかきながら呟いた。
「これ…さぁ……私の勝ちな…!」
霙は面白そうに言ったか、言われた方は全く何のことか理解できなかった。
67
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/13(金) 22:29:13 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「っは…?」
なんのことやらという顔で勝玲は起き上がり霙を見た。
「いやだって、剥がしたじゃん?お前の名前…」
ヒュオォォォォォォォ…と風が吹くなか勝玲はポカンと口を開けた。
「お、おい…そりゃ、一体何の冗談だよ…!名前を剥がした?一体いつ?」
冷や汗をかきながら勝玲は聞きたくないことを聞く。
「この意味のわからん奴らと戦ってる時」
はっきり答えた。しかし、一体それが何なのだ。
「よく考えたら、一匹狼って一番簡単に剥がせる名前なんだよな〜。そんなの単純に、一緒に戦っちまえば良いだけじゃん?」
今までに見たこともないような笑みを浮かべて、霙は続ける。
「だが、下準備が面倒だった。一緒に戦うとしたら、いったい誰を相手にする、…とか」
勝玲は驚いたような目で霙を見続ける。
68
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/13(金) 22:46:12 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「お前、なんでそこまで俺の名前にこだわんだよ…そこまで考えられる頭持ってれば、もっと他の考えを思いついただろうが」
身をグッと乗り出し、聞くと、帰ってきた返事に勝玲は言葉をなくした。
「強いて言うなら、お前に惚れたから…」
数秒の間が用いられたあと、勝玲はやっと言葉の意味を考えた。
「おれに…ほれ……た…?」
勝玲の顔が急に赤くなっていく。
「いや、いや、いや…ありえん、ありえん…どーせ、嘘だろ?そんな嘘で俺が動揺するとでも思ってんのかよ」
内心ものすごく動揺していたのだが、ここはひとまず顔には必死に出さなかった。
「嘘だって思うなら別にいいけど…これだけは言っとくよ…」
突然、霙の顔が真面目になる。
69
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/13(金) 22:56:22 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「私たちは人間なんだ。一匹狼なんていう大層なもんでもなければ、一生孤独を背負う宿命を与えられた戦士でもない。それは、お前も同じだ¨勝玲¨」
真面目な顔にうっすらと浮かぶ悲しみ。
「…………」
勝玲は何も言わずにただ黙っていた。
「まぁ、なんだ、私が言いたいのはつまり…」
霙はポリポリと鼻をかく。
「一匹狼なんて捨てちまえよ!」
その言葉は勝玲の心に響いた。
Ⅲ 名前剥がし動く!告白込みの戦い!「一匹狼など捨てろ!!」 end
70
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/13(金) 23:12:44 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
第4話 四天王降臨。No.4は瞬足だ。【前編】
(「強いて言うなら、お前に惚れたから…」)
誰もいないシーンとした1年3組の教室で、東谷 勝玲(あずまや しぐれ)は誰の物かわからい机にベッタリと顔をつけていた。
(いや、いや…ナイ、ナイ、ナイ…絶対死んでもない……そりゃあ、雫沢だってぶさいくって訳じゃねぇし、賢いし、まぁ強いし…いや、だからこそありえん。あんなやつが俺に惚れた?いや断じてない!言葉のアヤかなんかだろ…うん、そうだ、そうに違いない…!!)
一人心の中で納得する勝玲。
つい先日まで敵対心しか抱いていなかった雫沢 霙(しずくさわ みぞれ)が、自分に恋愛感情を抱いている…そう考えただけで顔が赤くなる。
(あぁぁぁぁ〜…一体何なんだよ、あの野郎は…)
額を机にこすりつけ、考える。
71
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/14(土) 08:43:12 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「は〜…。頭痛い……」
「金くれたら頭痛薬買ってきてやるけど」
バッと勝玲は体を起き上がらせる。
「何だよ、そんなに驚くなよ」
勝玲が起き上がらるとそこには、霙が居た。
「お、おま、お前!!何でここに!!?」
顔を赤くしながら勝玲は霙に聞く。
「学校に来るのは学生の義務だろ。まっ、こんな暴力学校では、こない奴の方が多いだろうけどな」
霙は手を肩まで上げ、誰の物かわからい椅子に腰掛ける。
72
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/14(土) 09:43:45 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「にしても、お前熱なんじゃねぇの?顔真っ赤だぞ?」
霙はそう言いながら勝玲の顔に自分の顔を近づける。
「誰のせいだと思ってんだ…」
顔を赤くしながらも額にイカリマークをいくつも浮かべ言った。
「私のせいだとでも?」
キョトンとした顔で霙は聞き返す。
「ったり前だろ!お前はこの前俺に意味のわからん告白をしたから…」
勝玲は目をそらす。
「意味ワカランもなにも、あれは大きな意味大有りだぞ」
またもキョトンとした顔で霙は普通に答える。
「どんな意味だよ。俺には全く思い当たることがないぞ…」
ギロっとした目つきで勝玲は聞く。
73
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/14(土) 10:15:32 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「…¨弱肉強食の反乱¨って知ってるか?」
突然話が変わった。
「じゃく…にく、きょうしょくの…反乱…?」
勝玲は霙に聞く。
「あぁ、弱者は強者に逆らえない。たとえ弱者が集まっても、天を見れる強者には力が届かない…」
霙は暗い顔になる。
「だが、弱者が何百体も集めれば一匹の強者ぐらい簡単に押し倒せる。それが¨弱肉強食の反乱¨…私はお前が弱者に倒される強者に見えたから支えようとしただけだ…」
何かの電気だろうかと思いながら聞いていた勝玲だった。
「って、ちょいタンマ。それ答えになってねーよな?俺は何でお前が俺に告ったのか聞いてんだけど?」
片方の口角を上げながら勝玲は主張する。
74
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/14(土) 12:13:14 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「まぁ、いいんだよ。男が細かいことに口挟むな」
ニッと笑いながら霙は、話を終えた。
「あ、そう…」
呆れた目つきで勝玲も話を終える。
「ってか、お前これからどうするんだよ?私に名前剥がされて、他の奴からマークされてんでろ?」
確かに前日の霙との戦いで勝玲は「一匹狼」と言う二つ名を剥がされた。
「さぁな。まだ考えてねぇ…。二つ名を改良するか、もっぺん考え直すか…、選択肢はこれぐらいしかねぇよ」
俯きながら勝玲は考える。
75
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/14(土) 12:53:05 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「目の前にある選択肢は…な」
霙は全てを見透かしたかのように鼻で笑い、目を閉じた。
「あぁ゛…?」
勝玲は低い声で聞き返す。
「っま、精々その使えない頭で考えな!頼み込むんなら相談に乗ってやるからよ〜」
手をヒラヒラと横に動かしながら霙は教室を出ていった。
「ったく、ホンとに何なんだよ、あの疫病神…」
勝玲はイラつきを感じながら窓を見る。
(まぁ、いいケジメだったかもな…)
勝玲は目を細める。
「これからどうしようかな〜…」
自信無さ気に呟き、もう一度これからのことを考え出した。
76
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/14(土) 13:35:30 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
――場所と時間は少し変わり、泉河第1男子高校のとある教室。
「一匹狼ガ名前剥ガシ二負ケマシタ」
暗い教室の中で一人の男が膝まづきながら報告する。その報告を聞いていた4人の男は眉間にしわを寄せ、キツい目つきなる。
「どうするんですか?一番。名前剥がしをこのまま泳がせるんですか?それとも潰すんせすか?」
一人の男が、学校の校長が座るような椅子に座っている白髪の男に話しかけた。
「No.4、速見 蓮(はやみ れん)。お前に雫沢 霙…そして…」
白髪の男は立ち上がる。
「東谷 勝玲の二人の完全戦滅を言い渡す」
ギラリと光るその赤い瞳に写った男は手を額に当て「承諾します」と言いながらニタァと笑った。
77
:
名無しさん
:2012/07/14(土) 14:08:22 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
時間は経ち午後5:40。勝玲は宮瀬 卓麻(みやせ たくま)、津田 俊介(つだ しゅんすけ)、与島 葉桐(よじま はぎり)と肩を並べて帰っていた。
「カエルとかヤモリってよく家の窓とかに張り付いてるじゃん?」
俊介はいきなり話し始めた。
「あぁ。よく引っ付いてるからナカナカ窓開けられないんだよな」
卓麻も話を合わせる。
「うん。っで、この前部屋にいたら行き成りカエルが窓にひっついきたんだ〜。そしたら近付いてきたガを一口で飲み込んじゃって…。あれはちょっと気持ち悪かったよ…」
苦笑しながら俊介は苦経験を語る。
78
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/14(土) 14:31:05 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
しかし、勝玲は黙ったままだ。この楽し気な語り合いの中で自分のことが出ないだけ幸いだった。
「ども〜…」
そんな勝玲に聞き覚えのない男の声が聞こえた。
『ん?』
全員声を合わせ、声をした方を見る。
「初めまして〜。泉河第1男子高校四天王No.4の速見 蓮でーす。地獄の切符お届けに来ました」
ニコッと笑いながら蓮は自己紹介をした。
「速見?四天王?…まさかお前『瞬足』の速見か!!?」
葉桐は驚きの顔になりながら叫んだ。
79
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/14(土) 14:53:14 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「おっ!案外俺有名じゃん!」
蓮はケラケラと笑いながら勝玲に近付いて行く。
「つか、四天王ってなんだ?噂では聞いてたけど、本当に居たのか?」
卓麻は葉桐に聞く。
「あぁ…。俺も詳しくは知らんが、泉河校の最も最強がかき集められたのが四天王っつーらしい」
苦い顔をしながら葉桐は言う。
「なんかそんなすごい人が俺らに何の用ですか?」
苦笑しながら勝玲は蓮に聞く。
80
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/14(土) 15:09:23 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「理由は簡単。我らが神、王(キング)の願望でだ」
蓮は二ヒヒと笑い教えた。
「願望?」
勝玲はそう呟く。
「あぁ。雫沢 霙と…」
蓮はまたニタァと笑う。
「元一匹狼という二つ名を分け与えられた東谷 勝玲の完全戦滅」
蓮はパッと手を広げそう言い張った。
81
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/14(土) 16:07:46 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
――「…………」
勝玲は黙ったまま10階建のマンションの609号室の中に入った。
『今日から3日後。お前と雫沢の二人を戦滅しに行く』
今から約30分ほど前に会った四天王と名乗る男、速見 蓮はそれだけ言ってどこかに去っていった。
「雫沢は有り得る。噂だけでも5人以上の名前を剥がしたって言ってたし…だが、俺はなんでだ?一匹狼は昔の名前だぞ…」
勝玲は頭が痛くなってきた。
「…そうだ、雫沢に連絡…確か津田が雫沢に土下座して電話番号聞いたとか言ってたな…」
そう思った時、勝玲は持っていたバッグから黒いスライド式の携帯を取り出す。
ピコピコと携帯のキーを押していき俊介の携帯にかける。
82
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/14(土) 16:23:36 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
〜『もしもし?』
電話をかけて10秒ほど経つと俊介は陽気に出た。
「おう、津田か。ワリィが雫沢の携帯番号教えてくんねぇか?」
家の玄関で靴を片歩づつ剥いでいく。
『告白のお返事でもするの?』
「するかボケェ!!!!!!」
電話越しに勝玲は怒鳴る。
「さっきの四天王とか言う奴のことでだ!教えといたほうがいいだろ!!?」
頭をかきむしりながら言う。
83
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/14(土) 17:07:02 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
『あぁ〜、それでー。ならいいよ。え〜とね…090…」
「………おう、わかった。ありがとな」
電話番号を聴き終えたあと勝玲はすぐに電話を切り、聞かされた番号にかける。
「090、4393、0330…と、ってこの番号まんま「雫沢 霙」って言ってるじゃん」
押したあとに勝玲はそう思った。
『はい?』
これも数秒経ったあとに出た。
「あぁ、雫沢か…。俺だ‥東谷だ」
上目遣いになりながら勝玲は言う。
84
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/14(土) 17:40:35 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
『あぁ、勝玲か…って、私あんたに番号教えたっけ?土下座&1週間のパシリっていう条件で私は俊介に教えたんだけど?』
電話向こうの霙は疑問の言葉を投げる。
(あいつ、土下座だけじゃなかったのか…)
「ん、まぁ、その話は置いといて…お前無事か?今どこにいる?」
ガチャっとリビングの戸を開けながら勝玲は聞いた。
『スポーツジム。お前も来るか?』
全く蓮に何かされたわけではないらしい。
「…じゃあ、そっちに速見って言う男来たか?」
今度は真剣な顔つきで聞く。
『速見?そんな奴来てないぞ。一体誰だ?」
会ってもいなかったらしい。
85
:
ネコ・ヌコタン(=‘x‘=)
:2012/07/14(土) 18:04:51 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「…じゃあ、いい。いきなり電話して悪かったな…」
そう言い残し、勝玲は電話を切った。
「あの野郎、俺にだけ顔出しといて雫沢には顔出してねぇのかよ」
頭を押さえながら愚痴を放った。すると、前を見ると電話の留守番対応のボタンが赤く点滅していた。勝玲は点滅しているボタンを押した。
『着信が一件です…ピィーーー…』
そんな音がしたあと、一人の若い女性の声が聞こえた。
『勝玲?居ないんなら、折り行って電話するんだけど…。そんなことより、早く帰ってきなさいよ!母さんも父さんも心配してるんだから!まだ世間も知らないドッちゃん坊やがいつまでも反抗期送ってんじゃないわよ』
長々とされていた留守番メッセージは、勝玲の姉の東谷 海水(あずまや うみ)だった。今の高校に入る時、勝玲は家族とは別に一人暮らしを始めている。その方が何かと楽だったし、安心だったからだ。
「はぁ〜…」
ため息をつきながら勝玲はリビングのソファーに腰掛けた。
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