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パープルストリーム・ファンタジア 幸運の紫水晶と56人の聖闘士
280
:
彗斗
:2012/11/10(土) 07:21:27 HOST:opt-115-30-133-28.client.pikara.ne.jp
第63話 妖と公爵
今この町は混乱の最中にある。だが、幸いにも民衆は殆どその騒ぎを知らない。その事にこの者は腹を立てていた。
「……何故このようなチマチマとした事しかやらない? 貴様等の考えは一体何だ」
この様な言葉を目の前に跪いている男女二人を後ろに従えている一人の二十半ばの年齢だろうか、血の色にも似た髪の男に向って言い放った。
「もう一度問う、お前達の考えとはなんだ? 答えなければ……」
「ずばり、結論から申しますと……王国内部からの破壊を計画しております。言い換えますと……王国自身の自滅です」
この男もとんでもない事を企てる男だ。その冷酷な表情からして……恐らく、目的の為なら手段を選ばないタイプだろうと推測できる。
ただ、その男の主はそのやり方が気に喰わない様だ。
「だから……か。未来人の手まで借り、挙句の果てには冥国に居る選りすぐりの戦士の情報を盗み偽物を作らせたのも……全て手はず通りか」
「全く持ってその通りでございます。後しばらくお待ちになって頂ければ……必ず」
冥国から絶達のデータを盗み、偽物を作らせた張本人は……この男だったのだ。最後に……その者は期待の念を込めてか込めずにかこの様な口調で男を励ました。
「なら……それで良い。私の計画には……紫水晶(ヤツ)が必要なのだ。ライラック公爵よ……期待しているぞ」
「私めにお任せを……必ず遂げて見せます」
ライラック=イフリート公爵は軽くその場で一礼してその場から立ち去った……残されたのは……影になっていて見えないがイフリート公爵に指示をしていた彼、一人である。
彼は嘲笑的にイフリートを独り言で評した。
「結末を知りながらその身を捧げる若き夕星(せきせい)……か見せて貰おう、その王国に対する恨みと怒りを……」
――――――――――――――
イフリートは音も立てずに廊下を歩いて行く。二人の重臣を連れて……ふとそこでイフリートが立ち止まる。それに合わせて重臣も立ち止まり主人の顔色を伺う為なのか一言こう言った。
「ご主人……どうかなされたのですか? 御気分が優れないとか……」
「いや、唯……俺はお前たちにすまないと思っている。これだけは謝らせて欲しい……アイリス、バーサー……すまないな、こんな事に撒きこんでしまって」
二人の重臣、アイリス=ベルハーツとバーサー=イルナ―ドはかける言葉を失った……彼の自責の念があまりに強過ぎたのだろう、言い返すに言い返せない心情だった。
だが、あえてここで言葉をかけなければ……思ったのか。旧友として、友と言う立場から二人は言葉を綴った。
「イフリート、それは可笑しいでしょ? 言う事を間違えて無い?」
「?」
「それにだ……俺たちは友達なんだろう? それなら俺たちは何処までも一緒さ」
その言葉にイフリートは少し救われた様な気持ちと……平和に俺たちが過ごす為にはこの方法しかないんだと言う現実を改めて実感した。
その方法は……王国への復讐。
「わかった。それじゃ行くとするか……王国をブッ壊しに!!」
「えぇ!」
「あぁ! 行こうぜ!」
そして……その三人の影は暗闇の中へと姿を消していった…………
「ふっ……甘い、そして……純粋過ぎる」
彼はその暗闇に消えていく影を見ながら人知れず呟いた……その人物の名は……操鬼だ。
何故、彼だけが此処に…………?
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