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高崎家のオカシナ事情

43竜野翔太 ◆sz6.BeWto2:2012/10/27(土) 17:42:20 HOST:p8152-ipbfp4204osakakita.osaka.ocn.ne.jp

 駆は自己紹介をすると自分の部屋へと戻っていった。
 どうやら『吐き気がする』は嘘だったらしい。嘘だと分かった幽美はホッと胸を撫で下ろしていた。
 続いて、色葉達が向かったのは四階にいる長男の部屋だった。
 確か次男には一回会った事があったっけ、と色葉は曖昧な記憶を呼び起こす。自分と俊介を恋人だと勘違いしたあの人だ。恋人と勘違いされたと思い出すと、ちょっとだけ色葉は恥ずかしそうな顔をした。
 その恥を隠すため色葉は藍達に質問をする。
「ねえ、長男さんってどんな人なの? 普通の人?」
 ここまで来て普通じゃなかったら違和感じゃないし、普通だったら逆に違和感を感じてしまう。
 色葉は心のどこかで『普通であること』と『普通じゃないこと』の両方を願ってしまっていた。ここで普通の人じゃなくてもそれなりの驚きは無いだろうと思ってはいる。既に今一緒にいるメンバーも裏を返せば普通じゃないのだから。
 色葉の質問に藍が僅かに考えた後に、答えを絞り出すようなざっくりとした答えを言った。
「……お父さん、かな?」
 色葉は固まってしまう。
 ここってお父さんとお母さんとかっているの? いや、そもそも長男のところに向かってるんだよね?
 意味が理解できていない色葉の耳に、次は幽美の言葉が届く。
「うむ。強ち間違いではないじゃろう。私は奴を新聞読みながらコーヒー啜ってるところしか見たことないぞ」
(お父さんだ)
「それに休日やたらと出掛けようとするよね。鈴礼や明架梨を楽しませるように遊園地とかさ」
(お父さんだ!)
「それで料理はてんでダメだよねー。玉子焼きとか焦がしちゃうしさー」
(お父さんだ!!)
 謎のお父さん長男がどんなのか色葉はより気になってしまった。
 逆にここまでいくと普通なんじゃないだろうか? しかし話しによれば翠恋の弟らしく、二七歳以下でお父さんキャラも嫌だろうなあ、と思う。
 すると、長男の部屋の前に辿り着いた。
「着いたよ。ここがお父さん……じゃないや。亮(りょう)兄の部屋だ」
 子湖乃が言いながら部屋のドアノブに手を掛ける。


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