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恋の実が咲く頃に

1久留美 巴里:2012/06/02(土) 16:20:38 HOST:zaqb4dc9d7e.zaq.ne.jp

初めまして+。ここでは初めて小説を書かせて貰います、久留美巴里(くるみ パリ)と言う者です。
今までは一つのジャンルでしか挑戦した事が無かったので、ここを踏み切りに広げて行きたいなと思っています。

タイトル通り、恋愛初心者の女の子の甘くて切ない恋物語を描いて行きます。
たまにシリアスと妙エロを含めるかも知れませんので、苦手な方はスルーしてもらえたらなと^^←

暇なときにちょっとずつ更新をして行くのでよろしくお願いします。
アドバイスや感想など貰えると非常に有り難いです。(荒らしやチェンメール等は一切受け付けません)

◇◆登場人物◇◆
綾瀬 有希菜(あやせ ゆきな)
父親が借金を肩代わりした性でバイト生活を送り続ける高校生。ひょんな事から財閥の時期社長の息子に気に入らてしまう。

高峰 朔(たかみね はじめ)
化粧品会社『愛椎』の時期社長候補。頭脳明晰、ルックスは抜群、何も言うコト無しの掴み所の無い人。

神風 輝(かみかぜ ひかる)
朔の世話係、遊び相手。何でも出来る所は朔に似ているが、妙に口下手。

宮野 恋歌(みやの れんか)
朔の婚約者。可愛くて美人だが、少々変わった所がある。有希菜が大好き。

2久留美 巴里:2012/06/02(土) 17:14:16 HOST:zaqb4dc9d7e.zaq.ne.jp

 
 ◇◆恋の実が咲く頃に◇◆ 一幕『プロローグ』side有希菜


『すまない、有希菜。私が借金を肩代わりした性で苦労ばかり掛けて。』
『いいよ、別に。お父さんは悪く無いんだから。第一、寝てないとまた体壊すよ』




 私のお父さんは親友だった人の契約書に連帯保証人としてサインした。
その前まで楽しかった日々を送っていた私にとって、運命が大きく変わったとも言えるサイン。
お父さんの親友の人は私が見ている限りでは優しくて清らかな人だと言う印象が大きくて、あの時の衝撃的が忘れられない。
借金会社の人が私の家に上がり込み、金を用意しろと責めてくる。






 当然の事ながら私の家は普通の一般的な家柄。
生活を遣繰りしながら毎日を送ってきた私達にとって、莫大な金の数を見せられ驚いた。
その金を今出せと言われても出せない。お父さんもお母さんも懸命に働き始めた。その事で私達の家は崩壊していった。
昔のように家族団らんで食事は取らず、1人で食べる日々が多かった。







――――そして、誰も考えたく無かった、最悪の悲劇が起こった。







『お母さん!!お願い、目を開けてよ。お母さんってば!!』





当時、私は小学校4年生。最愛の母を亡くした日。
元々体が弱かった母は借金を持つ前は一ヶ月に一回は検査をする為に病院に行っていた。だが、借金をする生活でお金が足りず病院には行っていなかったと亡くなった後に聞かされた。
お父さんはそんな事を全く知らず、気付いてやれなかった事に自分を責めていた。





 それからもう、何年が経っただろうか。
お父さんも仕事の過労で倒れてしまい、私が生活を遣繰りしなければならなくなった。
高校のお金も払えず、もう止めてしまおうかとも考えている。そうすれば、少しは生きて行けると思っているから。





そんな時だ。




いつものようにバイトから帰る帰宅途中、目の前に泣いている一人の女の子が居た。
見た所、とても美人でどこかのお嬢様のような華やかさを感じられる。しかも、着ている服装もピンクのフリルのドレス。



『(これが姫系っていう、ファッションなんだ……)』




 なぜだか、感心してしまう自分。





女の子はチラリと私の方を向いた。
その瞬間、初対面のはずの私に行きよい良く、抱きついてきた。





『うわあ〜ん。また振られたよー、私はこんなに好きなのに、ちっとも振り向いてくれないの!!』




『あ、あの、重いです。というか、鼻水拭いて下さい。話聞きますから。取りあえずハンカチと、そこのベンチでいいですか?』




『……うん』




この時、自分の世話好きを後悔した。
話を聞いて行くうちに彼女に惚れられ、衝撃の事を頼まれる。




『私の話し相手になってくれませんか?初めてなんです、私の話を最後まで聞いてくれた方は』





『へ?話し相手って……』





これが私の運命の歯車が動き出すとき。

3久留美 巴里:2012/06/02(土) 17:38:05 HOST:zaqb4dc9d7e.zaq.ne.jp


◇◆恋の実が咲く頃に◇◆ 一幕『お屋敷』side有希菜


『もしかして、貴方の家ってここなの……?』
『いいえ、ここは私の好きな人のお屋敷ですの。というより、ここが本当の家では有りませんが』
『(なんだか、価値観が違うような……)』





 あの夜、私はその話を断った。生活も大変な中で『話し相手』など難しい。
理由はどうあれ、初対面の人の世話なんてお父さんの世話だけで手一杯である。だから、断ったのだが……。





『そんな事言わないで下さい〜。』






そう言って私の服の裾を掴んで、子供のように懸命に泣き始めた。
当然、道行く人は私の顔を見ながら秘かに何かを言っている。しかも、夜なので近所迷惑になりかねない。
もうどうしようもなく、見学という事で引き受けた。





『(あれ?そう言えば、名前聞いてなかったような……)』






不意に思った事。
この屋敷に入る前に聞いておかなければ行けない大事な事なのに、彼女は平然と入って行く。
こんなにも信用されているのだろうか。それともただの天然なのだろうか。それか、馬鹿なのか。








『あの…そう言えば、名前聞いてませんけど貴方の名前は何ですか?』






率直に聞いた。
すると、彼女はなぜかまた涙を目にため始めた。








『そうでしたわ。私も貴方の名前を尋ねようと思っていましたのにすっかり忘れてしまって…。私は宮野恋歌と言いますの。よろしくお願いします』




『私は綾瀬有希菜。こちらこそ、よろしく……』




まあ、自己紹介的なモノは終わった。
お屋敷の前でするものでは無いが、一応聞いておくべき事だ。場所がどうこう言っている場合ではない。





それから私は恋歌の後ろに着いて行くまま、歩いた。




赤いカーペット、ここは本当に金持ちが住んでいそうな空想の世界のように思えた。
その上に歩いている自分。考えにくい事実。





上を眺めると大きな輝かしいシャンデリア。
ろうそくのように細かい暖かな光が辺りを照らしている。――あれは何万くらいするのだろうか。





長い、長い階段。登るのが正直苦痛で仕方ない。
もう何回上まで上がっただろうか。正直同じ階段だから混乱してくる。






『着きましたわ』





そう言って止まった先の前には青い大きな扉が一つ、あったのだった。

4久留美 巴里:2012/06/03(日) 15:12:00 HOST:zaqb4dc9d7e.zaq.ne.jp


◇◆恋の実が咲く頃に◇◆ 一幕『自由』side有希菜

『失礼します。朔様、いらっしゃいますか?』
『………』

恋歌は扉に向かってノックをし、応答を求めた。
だが、返事は返って来る事は無く、それさえ人が居る気配すら感じられなくて私は一瞬疑った。



『ねえ、その人は本当に人間だよね?』



思わず変な質問をしてしまった。明らかに恋歌は少し不機嫌な様子に見える。だが、それもまた一瞬の事。
1度深呼吸をして私に彼の事を話し始めた。


『朔様は普通の人間ですよ。ただ少し変わった所もありますが』
『(それは似た者同士という事なのか……?)』





思わず言葉が漏れそうになるものの、そこはグッと堪え何事も無かったかのように接する。
そして気付いた。恋歌がその人の事を話すときとても幸せそうな瞳で私に一生懸命伝えているという事を。
そう言う人は嫌いじゃない。一生懸命な人こそ、自分と重ねてしまう。応援したいと思ってしまう。




いつの間にか、私は恋歌を放っとけない立場になっていた。
昨日会ったばかりの初対面のはずなのに今は不思議と自分の妹のように可愛く見える。
元々一人っ子の私にとって嬉しくて溜まらない。




『本当に恋歌はその人の事、好きなんだね』
『はい……』

赤面した顔がとても面白く、つい笑ってしまう。
それを見た恋歌もなぜか笑っている。――――どうしてそんなに嬉しそうなの?




『初めて有希菜様の笑顔を見れましたわ。凄く可愛らしくて嬉しいです』
『えっ…!そんなに私は無愛想だったのか…』
『いいえ、普通は初対面の人に連れて来られたら戸惑います。当然ですからおきになさらないで下さい』




そういうのなら、恋歌はどうして私に可愛い笑顔を向けて話してくれるの?
優しい言葉をくれるの?貴方だって私と初対面のはず、――――――――ならなぜ?




また質問を聞こうとすると、ここの使用人らしいメイドの服を着た女性が慌てた様子で走ってきた。




『恋歌様、この辺りで朔様を見かけませんでしたか?また勝手に授業中に抜け出された様子で…一同で探しているのでが』
『いいえ、見かけませんでしたと…それなら私もご一緒にお探しします。有希菜様もお願いしますね』
『え!ちょっと…』




恋歌は急いで赤いカーペットのコースに沿って走って行く。
この調子だと絶対に私の声など届いていないはず、そう反射的に思ってしまった性か1人取り残されてしまった。




『(……そう言えば、私恋歌の好きな人の顔知らないんだけどな…。どうやって探そう?まあ、歩いておけばいっか)』




だが、そんな考えは甘かった。
赤いカーペットに沿って歩いて行くのだが、広い敷地の性か同じ道をグルグル回っている気がして分からない。




『もしかして、迷子になったのか…?』



もう頭が混乱している状況。そのとき、テラスの方から何か物音が聞こえた。
恐る恐る行ってみると、そこには花畑のような楽園のような奇麗な庭が実現していた。
ちゃんと手入れもされており、美しいという言葉しか出て来ない。




そして、物音の原因も後に分かった。




『引っ掛かったんだね、すぐに助けてあげるからジッとしててよ』




草の蔓に羽を絡めた小鳥が一生懸命外そうとしていた物音だったのだ。
多分、近くにあるサクランボの木の実を食べていた所で何かの都合で絡まったのだと推測される。




『早くお母さんの元へお帰り。』




そう言うと大空へ羽ばたいて行った。




それは【自由】





ガサッ




また物音が聞こえた、後ろを振り向くとそこには執事服のような服を着た1人の少年が寝起きの様子でこちらを見ているのだった。

5久留美 巴里:2012/06/03(日) 17:27:54 HOST:zaqb4dc9d7e.zaq.ne.jp


◇◆恋の実が咲く頃に◇◆ 一幕『秘密の隠れ家』side有希菜

『あんた、誰?』
執事服のような服を着た少年がこちらを見物するように横目で見ながら話しかけてくる。
その実態は絵本の王子様的存在と例えるなら言える。
黄色っぽい髪の毛は少しくせっ毛で瞳はライトグリーンのように透き通る色。肌は白く美白とも言える。
そんな瞳が私を訪ねる。






『私は恋歌に呼ばれてこの屋敷に連れて来られたんですけど…あなたこそ誰ですか?執事っぽいですけど』
『俺の格好見て、執事に見える?』
『正直服装だけ見ればそうですが、体勢を考えたら能天気な人にしか見えません』
『……ぷっ!』





少年の質問にはっきりと伝えたつもりなのだが、なぜそこで笑いが漏れるのだろう?
別に嘘を言っている訳でもない。
笑いを取るつもりで答えた訳でもないのに少年はなぜか笑いが止まらなく、しばらくの間私は呆然と立っているしかなかった。




その理由は執事ならこの屋敷を詳しく知っている。
案内でもしてもらって恋歌と合流しなくては行けないと思ったからである。





『……あの、いつまで笑っているんですか?』
『いや、初めてだからかな。俺の事をそういう奴は。お前、名前はなんて言うんだ?』
『綾瀬有希菜…ですけど』




少しこの人には不信感を抱いている私。
私より身長は高く、私より年上なのだろうか分からない。しかも無意識に敬語を使っている。
この人には底知れない威厳差があるとも言える。




『じゃあ、有希ちゃん。行こうか』
『え?なんで有希ちゃんなんですか。普通で良いですから』
『別に俺が何と呼ぼうとも勝手でしょ?だから気にしないで。それと速くしないと置いてくよ?』
『………』




どうにもこの人には掴みきれない所がある。
しかも人の名前を聞いておいて、自分の名前を言わないなんてまるで恋歌にそっくりだ。
この屋敷の人達は皆、こう言う人ばかりなのだろうか?




『…で、ここは何の部屋なんですか?!』
『えーと、なんだろう?』
『こんな部屋、何の意味があるんですか?!』
『さあ?適当に作ったからよく覚えてないな』
『なんですか、それ!』



思わず大きな声を出してしまった。だが、この部屋を見て誰も驚かない人など居ないはず。
それは辺り一面に飾られたバラ一色。奇麗だが、これをどこで使うというのだ。
しかも部屋に噴水まで設置されており、明らかにさっきのテラスとかぶっている。どれだけ、ここの主人は気まぐれな人なのだ。




『これを作った人の顔が見てみたいですよ……』
『それじゃあ、もう見れたんじゃない?』
『どういう事ですか、それ』




全く、この人の言っている言葉に意味が分からない。
もしかしてこの掴めない人はどこか遠い国から来た人なのか。日本人とは少し違う雰囲気を出しているし、それに瞳が透き通る色なんて有り得ない。
いや、もしかして宇宙人だったり……。駄目だ、何を考えているのだ、私は。




この屋敷に来てから調子が狂いっぱなしの私。
さっきも1人で考えて、1人で突っ込みして、馬鹿みたいだ。早く、恋歌と合流したい。

6久留美 巴里:2012/06/03(日) 17:28:48 HOST:zaqb4dc9d7e.zaq.ne.jp


◇◆恋の実が咲く頃に◇◆ 一幕『秘密の隠れ家』side有希菜 


『気分でも悪くなった?この部屋、明るすぎるからね。違う場所を案内するよ。着いておいで』
『もう良いですから、恋歌達の所へ合流する道教えて下さい』
『恋歌…様には多分次の場所へ行ったら会えるよ。向こうも向こうで探しているだろうし』
『……?』




私はその人の言われるがまま、後ろの大きな背中に着いて行きとぼとぼと歩いた。
執事だからか私の歩幅に合わせてくれたり、気遣い的なものをしてくれる。これは流石としかいいようが無い程。




そして着いた先とは、




『うわあ〜!奇麗な所』
『おきに召されたでしょうか。お嬢様』
『なんですか、急に執事っぽくなって。でも、素敵な所ですね。本当に』
『ここは時期社長の方のお気に入りの場所なんですよ。あまり知られていない秘密の隠れ家とでもいう所でしょうか。知ってい者は私だけです』
『なんで敬語なんですか?それにそんな大事な所をなぜ私に?』
『あなたも敬語ですし、移ったとでも思って下さい。まあ今の間だけですが。あなたにだけは見せたかったんです』
『どうして?』
『あなたの笑顔が見たかったからとでも言いましょうか。』
『なんですか、急に。だけど、この星空を見ていると笑顔しか浮かび上がってきませんね』




連れて来られた場所は大きな展望台と空中に広がるプラネタリュームの星たち。
今が昼間だとは思えないくらい美しい。




そして私の心も幸せの気持ちで埋め尽くされる。笑顔が止まらなかった。

7胡桃:2012/07/27(金) 22:37:04 HOST:zaqb4dc9d7e.zaq.ne.jp



■□長い間、小説更新が途絶えていました(゚´Д`゚)゚■□

お久しぶりな感じのこのスレッドです。
巴里は少しの間休息を貰い、今日まで過ごして来ました!
またこれからも小説更新をさせてもらいます+。

恋のみですが、まだまだ未熟な作者なので感想やアドバイスなど貰えると光栄です。
なお、中傷などは受け付けません。これからもよろしくお願いします*

8胡桃:2012/07/27(金) 22:40:08 HOST:zaqb4dc9d7e.zaq.ne.jp



名前の打ち間違えと途中までになってます…!

×胡桃ではありません。
正確には○久留美 巴里です。貴重なレスを無駄にして申し訳ありません。


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