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Shangri-La――シャングリラ――
31
:
bitter
◆Uh25qYNDh6
:2012/07/18(水) 16:07:06 HOST:p4239-ipbf2501sapodori.hokkaido.ocn.ne.jp
Episode.11 The desperate struggle of 1 to 1<1対1の死闘>
闇に閃く二つの刃。
しかしそれを受け止めたのはシキではなく、
――対悪魔兵器、戦闘斧(バトルアックス)だった。
それと同時、覚えのある低い声が耳を突く。
「随分面白ェ事になってんじゃねえか! 俺を忘れんなよ」
「! まさか、何故……」
悠然と佇む金髪の大男。
……忘れる筈もない。先刻散々刃を交えた天使、ルイトだ。
思わずレイピアを引き、バラリオは唖然とすぐ側に立つルイトを見上げる。
無表情か冷笑か……今までその二つしかなかった表情が見事に崩れた事を喜び、ルイトは身体を仰け反らせて笑い声を零した。
「ぶっ、はははハハハハッ! 出来るんじゃねえか、そんなツラも。驚いたか?」
耳、否……鼓膜を直接突かれているような嘲笑。
正直不快以外のなにものでもなかったが、こればかりは否定出来ずに悔しげに息を吐く。
「驚きましたよ。一体どんな手を使ったのです?」
「それを訊かれて素直に答えると思うか? ……まぁ大した手は使ってねえさ、お前が俺を〝殺しきれてなかった〟だけだ。ほら、あんま余所見してっと――」
「バラリオ=フェレス!」
突如上がった、サイカの鋭い声。
それを受け咄嗟に身を退かせたバラリオの足元に――土を裂く鈍い音を立て、数本のナイフが突き刺さった。
「あちゃー、外しちゃったか。一思いに殺してあげたかったンだけど」
鉤爪(かぎづめ)型ナックルとして両手に嵌めた〝それ〟を揺らし、シキが悪戯に微笑む。
「……ああ、ちなみにコレ、ボクの対悪魔兵器(エクソシスター)。見せたのは初めてだよね。どう、イカしてると思わないー? キミ達の味気ない剣よりはよっぽどさ」
サイカの表情が険しくなる。
その口が何かを発する前に、ルイトが進み出た。
「自慢はその辺にしておけよ、シキ。そこの黒い兄ちゃんが怖い顔してるぜ?」
〝黒い兄ちゃん〟とは言うまでもなく、サイカの事である。
益々眉を顰める様子には一向に構わず、シキは不満げな声を上げた。
「ええー、折角持ってきたのにツマンナーい! 何さちょっと綺麗な顔してるからって……あ」
「? どうした」
「イーイ事思いついちゃった。……ルイルイ、耳貸して」
状況が呑み込めない二人の前――というよりはサイカの前で、何故か展開された侵入者二名の内緒話。
「おい貴様等――――」
「よし、決まりね! という訳でキミはこっち」
「っ……!?」
問おうとしたサイカの声を、嬉々と口を開いたシキが遮る。
直後に問答無用で腕を引かれたサイカの、音にならない悲鳴が空気に溶けた。
「……何のつもりです」
一連の流れを捉えていたバラリオが、サイカが言う筈だっただろう事を声色低く問う。
数歩進み出たルイトはにやりと笑い、両肩に渡すように乗せていた戦闘斧(バトルアックス)を地に突き立てた。
「なに、別に難しい事はねえさ。これからお前ら二人には、俺達と1対1(タイマン)で戦ってもらう」
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