石田君と桐嶋さん - 1332023081

石田君と桐嶋さん

2：クロロ ◆e7Qvi78Jco：2012/03/18(日) 07:24:57 HOST:PPPbm7628.kanagawa-ip.dti.ne.jp: 小さいころから背の順は明らかに後ろから数えたほうが早かった。
親戚の人に会うたび会うたび「大きくなったね。」と言われ、それがとても嫌だった。
今考えてみると久しぶりに会う子供にはたいてい「大きくなったね。」というのが定番だから仕方ないと思う。
そう考えるとあの頃はやっぱり子供だったんだなーと思う。
今も義務教育中だし十分子供かもしれないけど。
でもやっぱり今でも身長が高いのは一番の悩みだ。
　「どうやったら背縮むのかなぁ…。」
と、新学期の最初からずっと考えていた。
新学期が始まってから数日後に身体測定があるからだ。
　「どうやったら背伸びるんだろうなぁ。」
　「うわぁ、桐嶋。」
　「うわぁ。三成。」
後ろからつぶやく声が聞こえて振り向いてみると桐嶋蓮が居た。
1年、2年と同じクラスでなんかいろいろとうざい奴。
周りからはSだとかドＳだとか言われている。
　「三成じゃないしね。」
　「石田って来たら三成だろーが。」
　「やだね、三成なんて家康にやられて終わりじゃん。　
　　教科書なんかさ、
　　『関ヶ原の戦いでは石田三成率いる西軍と、徳川家康率いる東軍が戦いました。
　　　この戦いは東軍が勝利を収めました。』
　　ほら、名前が出た次の行では家康に負けてるからね。」
適当に言ったけど本当にこの歴史であっているか自信なし。
まぁどうでもいいか。
　「なんだよ、三成ファンに謝れよ。つーか黙れよ、死ねよ。」
　「はぁ?桐嶋こそ黙れ、死ね!」
　「はぁ…新学期最初に見る顔がこれかぁ…。今年の受験は落ちる気がする。」
　「うちも落ちる気がする…。」
　「マネすんな!」
　「してないし!　うちもう学校行くから!」
ずっとここで話していても遅刻するので急いで学校へ向かう。
しばらくしてちらっと後ろを向くとすぐ後ろに桐嶋が居た。
　「ついてこないでよ!」
　「同じ学校に向かってんだからしょうがねーだろ。」
　「あぁー、最悪ー。」
もう後ろは無視していこう。

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