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エクストリームクライシス(翼の章)

155彗斗:2013/07/21(日) 01:27:06 HOST:opt-115-30-141-24.client.pikara.ne.jp
第64話 舞い散る命、霧散する理(ことわり) 上の部

「……で、ここにお前達を呼んだ理由は他でもない。」

「普通じゃないとしか考えられない。本来神様は人間との関係は持たない筈なのだろう?」

 ハヤテに言いたい事を言われてしまったクロスは、無言になり暫く頭をかいていた。そして、暫くして口をまた開いた。

「大体はハヤテのいう事で合っている。そして……」

「俺達に新しい能力を与えてくれたんだろ? 感謝してるぜ!」

「…………………」

 今度はハヤテではなくダンにまで、先に言われてしまった。一回だけなら未だしも、こうなっては、流石に神の面目とは一体何だったのかと言う話になってくる。

「だが、お前達が戦うのは俺達じゃない。奴等は神を自力で創ろうとした。いわば『神の模造品』が相手になる。性能は……俺達以上かもしれない。その為の力を試しただけに過ぎないと言う事だ。」

「それで……結果は?」

 流石にノゾミ達まで、クロスの話に割り込む気は無かったようだ。その点については胸中でホッと胸を撫で下ろしながら、クロスは口を開いた。

「結果は予想通り……いや、想像を遥かに超えていた。もちろん私はノゾミに限定しての話だがな。ジャッジ達はどうだった?」

 ジャッジ達は暫く考えるそぶりを見せた後、順番について話し合い、ジャッジから口を開いた。

「俺が相手したハヤテは想像以上の力と技を身につけている。これなら奴等と互角以上にやり合える筈だ。」

「私も内容はジャッジと同じよ。ナギサの相手をしたのは私だけど、想像以上……いや人間の技術じゃない箇所も幾つか見受けられたわ。」

「まぁ……俺はダンとまともに戦っていないが……まぁ良い動きはしていたから問題は無い筈だ。ついでに……良い相棒もプレゼントしたしな。」

「私もギークと同じで戦ってないわ。それに……一般人だしね。私も彼女に私のコレクションをプレゼントしたわ。」

「……ま、ジャッジとサエリアはまともにしていた。それに一般人だからしょうがないとしても……ギーク、お前ちょっといい加減過ぎないか?」

 仮にも一般人であるレンを試したリアスなら未だしも、ちゃんと戦ってもいない人間に何かを渡した事には、流石のクロスも納得できないらしい。だが相変わらずのヘラヘラ態度で口答えをしてきた。

「まぁその位いいじゃねぇか。お前達みたいに、俺は直接戦えるもんじゃねぇって何回m……」

「その程度のいい加減な甘さはいらない。真面目に俺達は審議しなくちゃいけない事を覚えておけ。」

 微かな威厳を含んだクロスの声が、遠く離れている筈のギークの耳元で響いた。そしてクロスが数歩歩んだ時、妙な音がした。

――ボトッ……

 何かが地面に落ちた音だ。さほど固くも無く柔らかくも無く……あいまいな硬度を持った物体は、明らかにギークの体から引き離され、偶然近くにいたレンの目の前に落ちてきた。

――その落ちたモノは……『ギークの手』だったのだ。

「ひっ……!!」

 あまりに唐突過ぎるの出来事に、ヘナヘナと力無くへたり込むレン。だがさらに不気味な事に、手首から綺麗に斬り飛ばされたギークの腕の断面からは『血が一滴も流れ出なかった』のだ。もちろん、切り落とされた手首の方からも、一滴たりとも血が流れ出ない。

 顔面を蒼白に染め、怯えるレンに、手首から先の飛んだ腕を普通に見せ。一向に顔色一つ変えもせずに、涼しい顔をしながら言った。

「おいおい、今後はそういう手荒な真似をしないでくれよ? レンが怖がってるじゃねぇか。……だが俺もこんなの痛いに入らないしな。」

 そう言うと断面を覗かせる腕を振るい、地面に落ちた手に向けた……。すると、その手は少しだけほんの微弱に動きだし、いきなり宙を舞いギークの腕に元の形で元通りに戻った。

「俺には蘇生能力の権化が付いているんだぜ? そう簡単に死ぬ訳が無いだろ?」


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