[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
メール
|
1-
101-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
エクストリームクライシス(翼の章)
147
:
彗斗
:2013/06/23(日) 14:42:54 HOST:opt-115-30-217-109.client.pikara.ne.jp
第61話 再戦!
「――――分体である俺に勝てないようでは、奴の創り出した連中には、到底勝つことは不可能だろうな。」
血の海が広がっている中、クロスは刀に付いた返り血を払い落とし、背を見せてこう呟いた。
「――年だけは取りたくない物だな。こうして物を見る目が鈍ってきてしまっているな……」
――…………して。
「ん? 今何かが……」
――………えして。
突如としてクロスの頭の中に聞こえ始めた声は、時間が経つに連れて徐々に大きくなる。そして……ハッキリと聞き取れる、ある一つの言の葉となった。
――私の存在を返して。
「!! ぐはっ!?」
完全に油断していたクロスは、その言葉を聞いた瞬間、後ろからの衝撃に吹き飛ばされ、壁に埋め込まれる勢いで叩きつけられた。大ダメージとまでは行かずとも、与えられたダメージはかなりのものだ。すぐさま後ろを振り向き、衝撃波の発生地点を捉える事が出来た。その衝撃波の出所は……ノゾミ自身だったのだ。
「私達は……アンタ達に弄ばれる為の玩具じゃない!! 私達は人間よ!」
いつの間にやら、ノゾミを中心にして広がっていた血の海は消え去り、金銀銅のオーラが、血の代わりにその辺り一帯を埋め尽くしていた。ノゾミは拳を解き、手刀を作って右手をスッと右下から左上にスッと音も無く動かした。
――ズパァァァン!!
間一髪。クロスはその何気ないように見える仕草が攻撃と気付き、突発的に左にサイドステップを踏んだ。そのステップを踏んだ瞬間とほぼ同時に、クロスの左側面の髪の毛が二、三本だけだが切断されたのだ!
想像以上の強化形態に、クロスは焦りを表に出した。
(バカな……!? 先程の身体強化術には無かったこの攻撃スピードと威力は一体……!?)
即座の反応が遅れていたら、間違いなく彼は真っ二つにされていただろう。避けきった瞬間、ちらと攻撃が当たった壁を見る。その壁は、先程のノゾミの攻撃では、傷一つついていなかった。だが先程の一撃で、壁がボロボロのコンクリートの様に崩れ落ちてしまっていたのだ。その一撃を見て、クロスは遠い昔のある出来事を思い出す。
――金銀銅の龍。その龍を封じ込めた人間。
今のノゾミが放っているオーラも、その龍と同じ色の金銀銅の三色だった。その時、ある事がクロスの頭の中で繋がった。
(まさか……極限状態に追い詰められたノゾミが深層意識の中に眠っていた龍達を呼び醒ました……だと!?)
だが、どう足掻いたところで、もう覚醒したノゾミの力は、クロスには止める事が出来ない。絶えずノゾミは、力強く呟く。
「私達は……自分自身の考えを貫く!! アンタ達にそれを邪魔する権限は無い!!」
そう言ったノゾミは立ち止まり、力を溜め、真上に両腕を掲げた。その時、銀の龍と銅の龍が彼女の両腕に巻き付いた。
(これはマズい……ッ!! 時空停止(ジ・ストップ・ワールド)!)
胸中で術式を組み上げ、即座に展開したクロスは灰色の空間を創り出し、ノゾミの動きを封じ込めた……筈だった。
――……………ピッ……ピキキ……ピキッ。
完全に色彩を失い、停止した筈のノゾミから何かに亀裂を入れる様な音が聞こえた。その時、何かを悟ったクロスは、即座に後ろに飛び退く。それとほぼ同時に……
――時空停止を打ち砕き、ノゾミがクロスに向かって突撃を開始した!!
「なっ……!?」
その声を上げた直後、ノゾミはクロスの眼前にまで迫っていた。本能的にクロスは、歪刀 神威を取り出し、突き出された両拳を受け止めた。
(何故だ……何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ……!? 奴の能力は、私の時空停止能力を上回ったとでも言うのか……?!)
裏に隠しきれない動揺が、クロスを駆り立て、思考を停止させようとする。情動が動転している中、ノゾミはクロスにある言葉を言い放つ。
「アンタ達は誰が見ても、人を遥かに超えてる。でも、私達の様な力は持ち合わせていない!」
その時、ノゾミの拳に込められた力が、より一層強くなる。その力に比例してクロスの持つ歪刀 神威が奇妙な音を上げ始めた。なんと素手に等しい一撃で、刀が砕けようとしていたのだ!
「その力は――――――優しさよ。」
その瞬間、クロスの刀が砕け散り、両拳の一撃がクロスの腹を貫く勢いでヒットした!!
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板