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青空ときどき灰色雲

27ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/01/10(火) 16:36:39 HOST:w0109-49-133-130-146.uqwimax.jp

   あめ / 千花side


「―――――か、ちか……千花ッ!!」


 ぼんやりと目の前が見えてくる
 そしてはっきり目を開いて見えた其処には心配そうな表情を浮かべる健先輩と健先輩のお母さんがいた

 くるりと周りを見回すと見覚えのある懐かしい部屋
 健先輩の、部屋?


 そっか、海翔と何度か遊びに行ったことがあったから
 海翔がいなくなってからはもう、健先輩とも関わらないだろうと思ってたんだけどね



「千花、大丈夫?!」


 突然奥の部屋から朱音と百合が飛びついてきた
 正直驚いたけど、何より何で朱音たちが此処に―――――、


「あのねっ、昨日の夜健先輩の家に泊まったって聞いたからさ!
 しかも倒れたって………もー、吃驚して駆けつけてきちゃったよ!あ、健先輩の家に泊まったことは藤田には内緒にしてあるから!」


 おしゃべりな朱音


 聞きたくない言葉ばっかりあたしにぶつけてくる
 もう、健先輩だけでよかったのに


「健先輩だけで―――――、」





 ッ、!
 あたし何言ってんだろ



 朱音がきてくれて嬉しいのに
 本当に、嬉しい、のに………


「………ち、千花?健先輩だけで、何?」

 百花が控えめな感じで問い掛けてきた
 そして今まで溜まってたものが突然爆発したように、自分でもありえないくらい大きな声で怒鳴る




「健先輩以外こなくてよかったのに!!!!!
 朱音も、百花も!藤田くんも海斗くんだっていらない!」





「みんな、だいっきら、………うわあああああっ」




 「みんな、だいっきらい」
 そう言いかけた途端、自分で自分をコントロールできなくて、言いたくなかった言葉を言っちゃって泣き崩れた


 意味わかんない
 いちばん嫌いなのは朱音じゃない、百花もちがくて!藤田くんも、海斗くんも、みんなちがう


 あたしがいちばん嫌いなのはあたし自身なんだよ



 こんな自分、好きになりたくても好きになれない




「…………きら、い……だい、っきらい…………!!
 あた、し……なん、かっ、死ねば、……いいの―――――ッせんぱ、」


 あたしなんか死ねばいいのにと口に出しそうになった瞬間、健先輩の掌があたしの口を塞いだ
 そしてまるであたしを宥めるように、優しい声で言う


「千花、俺は千花がいなくなったら寂しいんだけど?」


 其れにつづけて、朱音と百合も言う


「あ、あたしだって!……千花にこなくてよかったとかきらいとか言われても、あたしが千花を好きなのは変わんないし!」
「百合も……千花がいなくなったらやだ!」


 あたし、ひどいこと言ったのに
 だいっきらいって、言おうとしたのに


「藤田だって、あんなに迫るほど千花のこと大好きなんだし、海斗だって嫌いじゃないと思うぜ?いっしょに遊ぶくらいだから
 俺たちにとって千花がいなくなるっていうのは千花にとっての海翔がいなくなるってことくらい大きいことなんだぜ、」



 そっか
 それに健先輩は海翔とも仲が良かったから


 親しくしてきた大事な親友を失ったのに、また世話を焼いてきた後輩を失うのは辛いのか




「………ごめん、ね」



 小さな声で謝ると、ぽふんと健先輩の胸に顔をうずめた
 大好きと小さな声で呟きながら



     -



 正直これで完結ってのも思いついたりつかなかったり!←
 うそですじょうだんです(笑)

 シリアス展開から抜け出したくて書いたやつ!
 今までの長編にくらべてものすっごいシリアスだから、違うの書くかもしんない……(´・ω・`)

 それでも健先輩がかっこよくてつづけてます←
 次作は健先輩主役ってのもいいな!


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