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青空ときどき灰色雲

22ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/01/01(日) 15:53:05 HOST:w0109-49-133-136-187.uqwimax.jp

   ぴんくいろ / 千花side


「そろそろ帰っかー」

 携帯で時計を確認すれば時刻はもう7時
 遅れるとはメールしたけどそろそろ帰らなきゃな

 最後、うさぎのぬいぐるみが入ったユーフォーキャッチャーを眺め溜息を吐いてゲーセンを出た


「あ、千花千花ー」


 健先輩に名前を呼ばれくるりと振り向くと、ふわふわとした物体を投げられる
 よくよく見てみるとそれはあたしが欲しがってたうさぎのぬいぐるみで、え?と疑問符を浮かべた


「其れ、欲しがってただろ?プレゼント!元気だせよな、」


 健先輩はやっぱりずるいよ
 何であたしがドキッとしちゃうようなこといっぱいするの?

 うさぎのぬいぐるみを抱きしめたまま思わず泣き出すと、健先輩が駆け寄ってあたしの頭を撫でてきた


「まだ家帰りたくない?ならもうちょっと付き合うけど、」


 え、
 一瞬固まった


 じゃあゲーセン寄ったのは全部あたしのためだったの?
 あたしがお母さんに気を遣われそうでいやだってこと、全部お見通しだったの?



「………健先輩ッ―――――!」


 涙を隠そうと、健先輩にきゅっと抱きつく
 それを優しく受け止めてくれた健先輩にまたドキンと心が揺れた


「………気づくに決まってんじゃん」

 ぼそりと健先輩が呟いた
 よく聞こえなくてパッと顔を上げる


「………俺さ、海翔と千花が喧嘩したときとか、海翔に謝れってしつこかったんだよねー
 千花の様子見て、何かあったのかずっと相談に乗ってきたから」


 じゃあ、海翔が優しかったのって健先輩の御陰でもあるってことか


「……だから、千花の様子みててすぐ気づく」


 にこりと微笑んむ健先輩
 普段よりかっこよく見える



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