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青空ときどき灰色雲

19ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/01/01(日) 11:55:52 HOST:w0109-49-133-136-187.uqwimax.jp

   こさめ / 千花side


 相手は人気者の藤田くんだもん
 振るなんてそんなこと、あたしがしちゃいけないのに―――――


「ごめ、ん……っ、」


 もういやだ
 何で藤田くんの前で泣いてんのあたし
 ねえ海翔、慰めてよ


「………あの、さ……せめて如月は泣いてるときとかそういうときは慰めさせてよ
 海翔先輩と同じくらい、……それ以上!大切にするから………」


 あたしより背の高い藤田くんがふわりと優しく、それでも力強く抱きしめてくれた




 少しくらい甘えてもいいのかな、




「―――――……くだ、さっ………」


 ぼそりと泣きながら、それでも一生懸命伝えたかった
 え?と疑問符を浮かべる藤田くんを見上げてもう一度、さっきより大きな声で告げる


「あたしとっ……付き合って、くださ……い…っ、」


 海翔、これは正しい道なのかな
 もし正しい道じゃなかったとしても


 これだけあたしを愛してくれるんだから、きっと大丈夫



「………っ、はい!」


 嬉しそうに微笑む藤田くんの表情を見て、あたしの表情も自然と緩んだ




 屋上に見えたもう一つの影なんて気にせずに、

「―――――千花と千華は違うんだから、」

 必死に自分に言い聞かせる男の子の声はうまく聞き取れなかったけど、あたしには無関係なはず




     ×



「……あ、千花きた!ねえねえ、何の話しだったのよー?告白っ?!」


 教室に鞄を取りに戻れば予想通り教室に残っていた朱音と百合
 ちらりと藤田くんの方を見ると友達に報告済みの様子だったから、あたしも素直に言うか


「え、と………海翔のことがあってすぐあとなんだけど………
 藤田くんと付き合うことになりました、」


 暫くの沈黙
 嫌われたかな、と思って目をつむると、突然目の前から朱音と百合が抱きついてきたのかバランスを崩して後ろに倒れそうになる


「―――――ッ!」


 痛い、よね
 このままだったら絶対痛い!

 そんなことを考えていると、後ろから誰かに支えてもらうような感じがして少し驚いた
 誰だろう、と目をあけると、其処には海翔の親友だった健(たける)先輩がいて更に驚く


「え、先輩………何で此処に、」
「海翔のことで千花泣いてるんじゃないかって不安になってさー……まだ家帰ってないって聞いたし、
 駆けつけてみたら結構楽しそうだし、でもバランス崩してたから咄嗟に入ってきちゃったわけだよ」


 ううん……健先輩は前から思ってたけど………


「やること全てがイケメンだよね、」



 キリッとした表情でそう告げると、藤田くんがガッカリしたような表情を見せた


「お、おい如月!タケ先輩に騙されんじゃないぞ!」


 タケ先輩っていうのは多分健先輩のことだよねー
 ………楽しそうでなによりだな


「………ダマサレテナンカナイヨ?」


 棒読みでそう言うと、また教室には笑顔が溢れた
 何だか帰りたくないな


 帰ってもお母さんがあたしに気を遣うばかりだし



「………よし、今日は皆でどっか寄って帰っか!」


 健先輩の発言に目を丸くする
 嬉しくなってくすりと微笑み頷いた



「うん、あたし行くー!」
「え、如月が行くなら俺も!」
「えー、朱音もー!」
「ゆ、百合も行くよ!」


 藤田くん以外の同学年男子はこないのかーと適当に流したそのとき、


「おーれも!」


 楽しそうに入ってきたのは海斗くん?


   -


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