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青空ときどき灰色雲
16
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2011/12/31(土) 15:47:48 HOST:w0109-49-133-136-187.uqwimax.jp
あわいそらいろ / 千花side
「…………海斗くんじゃないの?」
何故海翔がいるのだろう
そう疑問を抱いている今も、暖かい懐かしさに表情が緩む
けれど百合は疑問を隠しきれなくなり思わず声に出してしまった
何故海翔が此処にいるのか、海斗くんじゃないのか、と
「…………この人は海斗先輩じゃないですよ」
さっきまであたしを殺そうとしていたであろう唯ちゃんが諦めかけた声で呟いた
海斗くんの想い人を殺しちゃうくらい嫉妬深くて海斗くん溺愛中な唯ちゃんが言うなら本当だろう
「…………千花、何があっても千花は千花だから
俺がいなくなったって千花は変わらず元気に過ごせよ?
俺は目に見えなくなっただけでずっと千花の傍にいれるから、幸せだから!」
すっと、あたしから暖かい懐かしさが消えた
でももう海翔に会いたいなんて我侭言わないよ
海翔が幸せならあたしも幸せだもん
あたしはただ、海翔に見捨てられた残りものだと思ってた
けど違う、残ったのはあたしが神様からくだされた試練なんだから
海翔、見守っててね
生きるってことの大切さを忘れずがんばります
×
「それにしても何この変わりよう………
百合の力って凄いねえ……」
呆れた、伝えたいのはその一言だけ
さっきまであたしを人殺しって煽ってたのはだれかな?
「……だあかあらあー、ごめんねえっ?」
人殺しってお前の方が人殺しだよ!
ていうか殺人未遂!追い詰められて自殺するところだったんだからね!
状況を簡単に説明しますと
さっきまであたしを人殺しと言っていた意地悪な女の子たちがごめんなさいと謝ってきているところ
「………殺人未遂で逮捕します」
ぼそりと拗ねた様に呟くと、朱音がぎゅうっとあたしを抱きしめた
「優しい朱音ちゃんは信じてたよーうっ!
千花が海翔先輩を殺してなんかないってー!」
朱音はとにかくお調子者なのはわかるけど
体重を全てあたしに任せるのは辛い
「朱音、優しいから離れてくださいな………重い」
「うっわあ千花!可愛くてか弱い女の子に重いとかそれ同じ仲間としてどーなの?!」
またもやふざけた様子であたしをからかう朱音
そして周りで微笑む百合たち
此れが本来の教室だったのに、あたしはさっきまで何馬鹿なことをしていたんだろう
「………だって重いもん」
朱音に遠慮せずはっきりと意見を言うと更に朱音が調子に乗ってきた
「もうひどいっ!心に傷を負わせるという手であたしを殺そうとしたな!
殺人未遂で逮捕しますよ千花!」
………ああ、くだらない
あたしもだけど
「きゃーこわーい、朱音が罪を擦り付けてくるよー」
棒読みでそう言うと、また皆の表情に笑顔が生まれた
こんな時間をずっと歩んでいけたらいいのにな
×(本文長すぎエラーがでたので次レスにつづきを!)
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